飼育する男 (角川ホラー文庫)
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- 税込価格:620円(17pt)
- 発行年月:2006.7
- 発送可能日:7~21日
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商品説明- 「飼育する男」
昔、昔…。春のある午後、少年は森の中で、日にさらされて色褪せた雑誌が落ちているのを見つけた。何げなくページを開いた瞬間、若い女性の全裸写真が視界に飛び込んで来て、思わず息を飲んだ。少年はまだ7歳か8歳だったけれど、そんな少年でさえ、それが普通のものではないことくらい理解できた。幼い少年にとって、それは目が眩むほどの衝撃だった。そして思った。いつか僕もこんなふうに女の人を、と—。【「BOOK」データベースの商品解説】
ユーザーレビュー- 「飼育する男」
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
2009/06/15 20:18
主人公の狂った欲はえげつない。けれど、彼の世界には美しさがある。
投稿者:mayumi(女性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトル、そのままです。
女を拉致してきて飼育している男の狂気。
親の遺産があって、働く必要もなく有り余る金と時間を女の飼育にかけている男。
えげつないです。
えげつないんだけど、妙な純粋さがあって、それを物語として成立させているのだろうなと思う。
にしても、毎度思うんだけど、大石圭の作品は食べるシーンが多い。
でもって、わりとそれが凝っている、というか、食べ物にリアリティがある。
食べることは生きることにつながっていると思っている。
狂った情欲に支配されて、いつ逮捕されてもいい、みたいな投げやりな生活をしてる主人公だけど、根底ではまともに生きたいと、この狂った欲から解放されたいと願っているのだろうかと、感じる。
うん。
淫靡で暗い世界を描いているけれど、奥底には生きることへの正しさがあって、それが大石圭の作品を一味違うものにしているのかもしれない。
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
2006/07/21 09:00
“愛”を欲した男
投稿者:カルバドス(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る
女性を拉致監禁する事件が、幾度となく世間を騒がせている。肉体の自由を奪うばかりでなく、人格を無視する扱いには憤りを感じるが、その一方で、「好きな女性を自分の自由にしたい」という願望が少なからずある。この思いが強烈で、なおかつ自制が効かないと、本書のような行動に移る人間が出てきてしまう。
実際のところ、誰にも知られずに人間、しかも成人を監禁し続けるというのはかなり難しい。いつ死んでも構わないというのなら別だが、主に性欲を満たすために生かし続けるのならば、食事や排泄、怪我や病気といった健康面にまで気を配らなければならないからだ。人目から遠ざけておける環境と、不自由なく好きなだけ使える金銭。この両方の要素が組み合わさってこそ、可能となる。
本書の主人公は、幸か不幸か両要素に恵まれていた。気に入った女性を次から次へと監禁し、もし死んでしまったらまた別の女性を補充する。たとえ感情は無くしてしまっても、自分の性欲を満足させられればいい、そう考えて女性達を監禁し続ける。もっとも、感情を無くした姿を“従順になった”と勘違いしているだけだが。とにかく、男は女性達を監禁し続ける。親が遺した大きな屋敷と莫大な金銭を利用して。
これまでの大石圭作品と同じように、主人公は心を病んでいる。自身も僅かな罪の意識を感じつつも、それよりも何倍も大きな快楽に身を委ねてしまう。また、このような非道な犯罪を続けながら、幼い娘へは親バカともいえる愛情を注ぐという二面性。このギャップも魅力の一部となっている。
単に偏執狂を描いているのではなく、“愛”とは何かを問いかけているこの作品。我々は主人公に“愛”を説明できるだろうか。







