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ボトルネック
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  • カテゴリ:一般
  • 発行年月:2006.8
  • 出版社: 新潮社
  • サイズ:20cm/248p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:4-10-301471-7
  • 国内送料無料

紙の本

ボトルネック

著者 米澤 穂信 (著)

恋人を弔うため東尋坊に来ていた僕は、強い眩暈に襲われ、そのまま崖下へ落ちてしまった。—はずだった。ところが、気づけば見慣れた金沢の街中にいる。不可解な想いを胸に自宅へ戻る...

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商品説明

恋人を弔うため東尋坊に来ていた僕は、強い眩暈に襲われ、そのまま崖下へ落ちてしまった。—はずだった。ところが、気づけば見慣れた金沢の街中にいる。不可解な想いを胸に自宅へ戻ると、存在しないはずの「姉」に出迎えられた。どうやらここは、「僕の産まれなかった世界」らしい。【「BOOK」データベースの商品解説】

気づけば僕は「自分が産まれなかった世界」にいた。街並や社会に大した違いはないが、そこでは、死んだはずのあの人が生きていて−。若さ特有の「痛々しいオーラ」が横溢する、「現在進行形」の書き下ろし青春小説。【「TRC MARC」の商品解説】

著者紹介

米澤 穂信

略歴
〈米澤穂信〉1978年岐阜県生まれ。2001年「氷菓」で角川学園小説大賞奨励賞(ヤングミステリー&ホラー部門)を受賞しデビュー。著書に「犬はどこだ」「夏期限定トロピカルパフェ事件」など。

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みんなのレビュー158件

みんなの評価3.5

評価内訳

完璧になった世界で、絶望を叫ぶ

2008/10/07 01:35

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ねねここねねこ - この投稿者のレビュー一覧を見る

米澤の最高傑作のひとつ。
軽やかな文体でさらりと書くまでも、現代の、個人の禁忌を抉る漆黒。
生きる個人は世界を映す鑑である。内的世界のうちに外部世界も映し出すから。
もしもその構築が、すべてが、否定されるものだとしたら。
それを事実のうちに、深く理解してしまったならば…。
無力どころかマイナス。己が世界の元凶と、わかりすぎるほどわかったならば。

「書きやがった」と思う本に、出あったのは久しぶりかもしれない。
桜庭の『私の男』以来だろうか。
テーマ、モチーフのこともあり、桜庭は女性的だった。
ボトルネックは男性的、よくよく少年的である。
両者とも、しかし似ているような気がした。
どこか似ている。しかしながら、女性は強く、少年は弱い。
閉じた世界で生きるのさえ、狡猾に生きようことは出来ない。
身を滅ぼしていく、事実の突きつけ。
世界の奥に救いはなかった。

感受性のやわらかな存在。
時間の流れにおいて、そうした時期を人は過ごすものに思うけど
剥きたてのゆで卵のようにつやつやした、ものが崩れるのをなぜか思った。
世界からの、存在の全否定。
一面で、世界はこの上なく残酷である。

世界と個人がすべて、できそこないだという現実。
できそこないにしてるのは、自分だったという絶望。
自覚する。正しいものは何もなかった。
救われたかった。
救われなかった。
彼の嘆きを誰が拾ってやることができるだろう。

ただひとつ、救いのようにも思えるのが
彼女の死が彼を引き込んだという考え方だろうか。
しかし、それさえ救いになるのだろうか。
信頼関係に思えていた、彼の幻想は崩れてしまったのに。
いちばん大切なものさえ、偽りだったというかなしみ。
ほんとうじゃなかった。
何もわかってなどなかった。

無力感と絶望。できそこないにしている、
できそこないのなかのできそこない。
無力であり、自分は何も変えられなかった。
無力がさらにマイナスだった。
怖るべき自覚。
一握りの希望も彼は掴み取れない。

世界はかくも残酷だった。
その場所に住まう天使に色はない。
残酷な無表情で事実を眺めている。

人はその上でさらに、立ち上がることができるだろうか。

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ミステリというより、とても悲しいお話しです

2007/05/30 23:40

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:読み人 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 本書、宝島社の「このミス2007年度」の15位です。
 恋人の弔いに訪れた主人公のリョウはそのまま、崖の下へふらっと落ちてしまいます。
そして、リョウが目覚めたのは、なんと自分が存在しないことになっているもう一つの世界。
 そして、死んだはずの人もちゃんと生きている。
リョウは、はたして、、、。
 というプロット。
 彼女の死をめぐる一応ミステリですが、
パラレルワールドをあつかった、半分SFみたいな感じもします。
 そして、この小説、物凄い、悲しいお話しです。
自分が存在しないことになっているもう一つの世界では、
死んだはずの人も生きているし、つぶれたはずの店なんかもちゃんと存在する、そして、自分の代わりにサキという女の子が実家にはちゃんと居る。
 そう、本文中にもありますが、
自分が存在した前の世界より、ちょっといい世界になっている。
 これに気付いた時ほど、悲しいことは、ありません。
 この憂いというか、悲しみを描いたミステリです。
この前スタメンという番組で作家の五木寛之さんも、
憂いということについて語っていました。
汚れちまった悲しみに、といった中原中也。
今回、本書を読んで悲しみは、人間の重要な感情の一つだと、思いました。
 本当に切ない小説です。その感情に浸ってください。

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読んで楽しいとか、タメになるとか、そういったお話では全くありません。ラストに苦い思いを抱く人も、私のように「当然」と肯く人もいる、そういう物語です

2007/03/03 17:31

6人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

多分、今まで何度かこの作家の本を手にする機会はあったのですが、実際に一冊の本として読むのは今回が初めて。何かの選集で読んで感心した記憶があって、それが今回の読書に繋がったはずなのですが、自分のメモを探しても彼の名前が出てきません。フムフム、記憶に障害が・・・
作品は、書き下ろしで、多分、東尋坊をイメージしているんでしょうが、どうしてもアニメに出てくる岩山にしか思えないカバー画を書いているのが、フジモト・ヒデト、そしてソフトカバーの角背本といえばクレストブックを手掛ける新潮社装幀室。
カバー折り返しの文言は
「恋人を弔うため東尋坊に来ていた僕は、強い眩暈に襲われ、そのまま崖下へ落ちてしまった。—はずだった。
ところが、気づけば見慣れた金沢の街中にいる。
不可解な想いを胸に自宅へ戻ると、存在しないはずの「姉」に出迎えられた。
どうやらここは、「僕の産まれなかった世界」らしい。」
ついでに手抜き気味に新潮社のwebには
「懐かしくはない。爽やかでもない。若さとは、かくも冷徹に痛ましい。
二年前に死んだ恋人を弔うため東尋坊に来ていた僕は、バランスを崩して崖から落ちてしまった……はずだった。が、気づけば見慣れた場所にいた。不可解な想いを胸に自宅へ戻ると、存在しないはずの「姉」に出迎えられる。どうやらここは、「僕の産まれなかった世界」らしい。新鋭が容赦ない筆致で描く、等身大の「青春」ミステリ。」
とあります。主人公・ぼくは嵯峨野リョウ高校一年生、二年前に死んだ恋人というかぼくが恋していたというのが中学校の時、同級生だった諏訪ノゾミ。で、東尋坊でノゾミの弔いをしていた時に事故で亡くなったのが兄でした。で、パラレル・ワールドに移ったのが携帯電話の表示によれば2005年12月30日。勿論、舞台は金沢です。
リョウは世界を移動してしまったことを知りませんから、兄の葬儀に駆けつけるために自宅に戻ります。そこで彼を出迎えたのが、二十歳前らしい嵯峨野サキです。で、彼女はリョウのことなど知らないといいますが、彼の言うことを全く信じていないわけではありません。ただし、主人公のほうはといえば、彼女のいうことを全く信じない。
この正確の差が実は重要です。それはともかく、二人は互いの主張の正しさを証明するために互いの家族のことから金沢の町の様子のことなどを比べていきます。そしてノゾミの死が、実際にはどのようなものであったかを知ることになるのですが・・・
苦い結末、とありますが私は当然の幕引きだと思います。それが主人公の性格にあるんですが、ともかく高校一年には思えない不快な言動の持ち主です。しかも、その傍観的な態度。その主人公らしからぬ違和感が、あのラストになる。ふむふむ、絶対にベストセラーにはならないでしょう。読んで楽しい話でもない。
でも問題を投げかける本ではあります。ただし、後半ででてくる推理小説的謎解き部分が必要であったか、と言われると私は否定的。単純に並行世界での自己の存在理由だけで勝負しても良かったかな、って思います。

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2008/02/15 16:54

投稿元:ブクログ

▼うっへり。なんつうか、うっへり……。▼んー、言いたいこといっぱいあるけど、これは酷い鬱誘発小説。すげー無力感。少しはおためごかしとしての救いがあるかと思いきや全くないから(笑)。ゼロ年代っぽい鬱だよねえ、こういうの。「何もしない悪循環」っていうの? ▼受け皿は結構ありそうだけどねえ。でも、私が期待しているのはこういう方向性より、もっとガチガチのアンチミステリだったりする訳で。そういう意味では肩透かしだったかも。この作品で米澤穂信の著作は全部読んだんだけど、期せずして順番が素晴らしかった。この後味の悪さで締めくくれることを幸運に思う。▼個人的米澤推奨順序 『インシテミル』→『古典部』シリーズ→『小市民』シリーズ→『犬はどこだ』→『さよなら妖精』→『ボトルネック』といった感じです。ミステリ系の流れ→ほろ苦青春小説→不条理無力感超絶鬱俺の米澤穂信的スーパーコンボ技。一作ごとにちょいちょい方向性が違って、ほどほど野心的で、ほどほど良心的で、ほどほど大人なところがいいと思いますよ、まったく。しかし鬱だね。(08/2/15読了)

2006/10/11 02:45

投稿元:ブクログ

2006/10/07購入。2006/10/10読了。なんか一時間掛からずに読めた。

米澤穂信の最新作。彼の作は概ね安心して読める(『犬はどこだ』以外)ので、作家買いすることに決めています。今回も、大当たりではなかったですが、佳作でした。

主人公が目が覚めたとき、そこは自分が生まれなかった世界で、存在しないはずの姉が、自分の代わりに17年間を生きていた。じゃあ、世界はどうなってるの?というお話、なんだろうか。

読みつつ、非常に辛かった。これは厳しいお話です。主人公は、これは言ってしまうと身も蓋もないんですが、流行の没個性者、そして出会う女性ははつらつタイプ、周りを幸せにしてしまう女性、そして頭の回転も良い(まあ、「出会う」と言っても姉、なんですが)。そんなありがちなラノベかと思いきや、取り扱ってるのは非常に痛い、自分が世界に存在するせいで、世界はどういう方向に曲がってしまうのか、ということを辛辣に描いている。結構堪えました。

文章自体は好きなラノベ、という感じで、ちょっと捻くれてる以外は概ね良好。いわゆるifものなんですが、展開にもいろいろひねりがきいていて楽しめました。

2010/01/11 23:12

投稿元:ブクログ

自分が生まれなかった世界はどんなだろう。
今「ここ」にいる自分の価値を考える。

「インシテミル」以来、敬遠してた著者の作品。
いやはや面白かった。
救いようのない物語と、最後に一気に突き落とされるようなラスト。
最後のあの一行には、やられた!としか言い様がない。見事。

2008/11/09 17:34

投稿元:ブクログ

私が私でなかったらこの世界はどれくらい違っていたのか。怖ろしいです。もしも同じ体験をしてしまったら苦しくて生きていけない気がします。

2008/04/03 23:43

投稿元:ブクログ

自分の生まれなかった世界の姉との交流。
切ないというより虚しいなというのが感想。
これが駄目、これか正解という区切りもなく、どこか読み手に突きつけている文章でした。
何もしないより、何かしよう。

2007/05/26 07:20

投稿元:ブクログ

自分の生まれなかった世界に行くおはなし。
でも、こういう感じ好きですよ?
楽観で生きるか悲観で生きるか。

2009/11/27 00:13

投稿元:ブクログ

うっ超ダークの方だったか…!
と、読み終わってから気付く。何か救いがあるのだと信じていたのに。
「僕の生まれなかった世界」を巡るお話。ファンタジーなはずなのに、ひどくせつない。
あのこの表紙、ずっと謎だったんだけど読んで納得しました。

2008/10/25 21:17

投稿元:ブクログ

そうきたか、そうきたかー!!という1冊。
どこで感想を目にしても、後味が悪いというので、気になって読んでしまった。
ある種のファンタジーといえなくもないけど、なんか割り切れなさが残る。
読なきゃよかったとまでは思わないけど。

2007/03/13 12:46

投稿元:ブクログ

07/02/04読了★自分が生まれてこなかった世界を描くという着想が面白いです。最後は釈然としないものがありますが、読者の想像に任せるという意味でよいのかな?

2009/09/26 15:20

投稿元:ブクログ

自分がいなかった世界にやってくる。っておもしろいシチュエーションに惹かれて一気に読みました。
途中、何度か感じた切ない気持ち。
自分ではなくて、代わりに誰か他の人がその役目をしていたら違う世界になってることってあるかもしれない。
でもそれを知ってしまうのは、なんだか悲しいと思う。
読み終えた後に感じるもやもや感って、最後のところが遠回しでスッキリしなかったからかな。

生きていくことって選択だらけだけど、自分で選んだからの結果が今な訳で、選び方次第では別の人生だってあり得たかもしれない。
でも、それをこっちの世界で生きていながら知ることは無理だと思うから、選ばなかった未来なんて考えても本当は意味のないこと。
だからこそ、自分の今生きている世界を唯一無二のものと考えて大事に過ごしていこうなって思った。選択だって慎重になるもんです。
でも迷ってばかりでは始まらない、速攻での決断力が必要なときもある。難しいな。

2007/01/13 21:48

投稿元:ブクログ

自分が産まれなかった代わりに嵯峨野家にはサキという女の子が産まれていた、そんな世界に迷い込んでしまった主人公の嵯峨野リョウ。しかもその世界には、リョウの世界では不和の状態であった家族たちが仲睦まじく暮らしている。死んでしまった兄が、好きな女の子が、食堂のお爺さんが生きている。自分という存在が無くサキという存在があるだけで、これほどまでに違う世界が築かれているという事を知ったリョウは、どんなに居た堪れない気持ちだったでしょう。そして好きな女の子についての真実をサキに知らされた時も…。とても痛々しかったです。

何度も読むのを止めようかと思いましたが、何とか最後まで読み進めました。あまりにも絶望的なラスト、救いようの無い物語だとは思います。でも、爽やかで前向きなものばかりが青春小説ではないんですよね。こういう苦しいほど切なくて痛々しいものも(SF的要素は除くとして)、またひとつの青春小説の形であるわけで。そういった現実を教えてもらったような気がします。読んでいる最中は苦しかったけれど、やっぱり読んで良かったと、いまは思っています。

2007/03/02 10:55

投稿元:ブクログ

 兄の通夜の日、ノゾミの死んだ場所東尋坊へやってきたリョウは眩暈に襲われ、崖下へ落ちてしまう。気がついた場所では、自分の代わりに姉サキが生まれていた世界だった。サキと自分の世界の違いを認識し、永遠に失ったものを享受するサキを知る。間違い探しの中で見つけた本当の間違いは・・・
 ラスト1行が。あのタイミングでひどい!と思ってしまいました。あと、フミカが近くにいたらと考えると怖かったです。自分の存在についても考えさせられました。淡々として重く痛いけれど読んでよかった本です。