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ハルキ・ムラカミと言葉の音楽

  • 出版社:新潮社
  • サイズ:20cm/463p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:4-10-505371-X

ハルキ・ムラカミと言葉の音楽

ジェイ・ルービン (著), 畔柳 和代 (訳)

  • 全体の評価 42件のユーザーレビュー
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  • 税込価格:3,15090pt
  • 発行年月:2006.9
  • 発送可能日:7~21日

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商品説明- 「ハルキ・ムラカミと言葉の音楽」

「ノルウェイの森」「ねじまき鳥クロニクル」などの翻訳者として名高い著者による村上春樹論。英語オリジナル版に、「アフターダーク」「東京奇譚集」論を新たに加えた決定版。【「TRC MARC」の商品解説】

著者紹介- 「ハルキ・ムラカミと言葉の音楽」

ジェイ・ルービン

略歴
〈ジェイ・ルービン〉1941年ワシントンD.C.生まれ。ハーヴァード大学日本文学教授を退職。村上春樹、夏目漱石作品の英訳などで知られる。

関連キーワード- 「ハルキ・ムラカミと言葉の音楽」

ユーザーレビュー- 「ハルキ・ムラカミと言葉の音楽」

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3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2007/09/10 23:46

本格的村上春樹論

投稿者:石曽根康一(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

『ノルウェイの森』や『ねじまき鳥クロニクル』の英訳者の村上春樹論である。全体的に、ていねいに作られている感じがする。
著者は、大学の教授としてのキャリアもあってか、この本には、注釈もついていて、かゆいところに手が届くような感じになっている。
本の内容としては、村上春樹のデビュー作から、『アフターダーク』まで、まんべんなく触れられている(と思う)。
村上春樹からの私信や彼のアメリカでの講演なども織り交ぜてあるので、彼の肉声を聞いている感じがして、彼の作品の魅力にひきつけられた読者としては、興味深いと思う。
ところどころで、作品に対して、疑問のようなものを提示している点についても(たとえば、『海辺のカフカ』について)、個人的に同意できて、共感できた。また、『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』を高く評価している点も個人的に同意できた。
「付録」として、村上春樹作品とその翻訳についても書かれている。これも興味深かった。彼の作品が本当にグローバルに読まれていること、そして、翻訳する上で、議論となる点があることが理解できた。その上で、著者は、自分の態度をはっきりしていて、好感がもてる。
とにかく、村上春樹に興味のある人なら読んで損はないと思う。ただ、ちょっと気になる点は、値段が高いところか。

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2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2007/02/14 00:25

村上ファン必読の村上春樹論!

投稿者:katu(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

「・・言葉の音楽」というタイトルを見たときには、村上作品中に出てくる音楽にだけ焦点を当てた一面的な評論なのだと思っていた。ところが、読んでみて驚いた。一面的どころか、総合的で本格的な村上春樹論だったのだ。

本書でジェイ・ルービンは、村上春樹の生い立ちから書き起こし、デビュー作である『風の歌を聴け』の解説以降、ほぼ作品の発表順に解説していっている。中には相当の村上ファンでも知りえなかったようなトリビアルな情報も含まれている(私は、村上春樹の奥さんの旧姓や奥さんのお父さんの職業をこの本を読むまで知らなかった)。巻末の膨大な「注」の中には「私信」と記されているものもあり、ジェイ・ルービンと村上春樹の親交あってこその情報も多い。

今や村上春樹が全世界で読まれていることは、わざわざ私が書かずとも広く知られている。しかし、村上春樹の作品は、日本人こそが一番深く理解できると私は思っていた。2006年3月に東京大学で行われた「春樹をめぐる冒険— A Wild Haruki Chase」と題された村上春樹シンポジウムに、私は幸運にも参加する機会を得た。そのシンポジウムでは、各国の村上春樹の翻訳者(ジェイ・ルービンも含む)が村上春樹の魅力について熱く語ってくれた。そのシンポジウムを経てもなお、私は日本人の読みが一番深いと思っていた。そんな私に冷や水を浴びせるような文章が本書には載っている。実際にはジェイ・ルービンが書いた文章ではなく、ホームページ上での質問に回答する村上春樹の文章なのであるが。ちょっと長いが引用する。

「僕はアメリカ人の学生たちと日本文学についてずいぶんディスカスしました。たしかに中にはとんでもねえことを抜かす奴もいます。でも中にはものすごく鋭く、新鮮な、本質を突いた意見を聞かせてくれる人もいます。日本人の中には「微妙なニュアンス、独特の言い回し」はある程度分かるけど、文学というものがぜんぜんわかっていないんじゃないかという人たちはたくさんいます。
文学というのは85パーセントまで、心持ちと志の世界なのです。それは人種や言語やジェンダーの差異を超えたものです。それらは基本的に相互交換的なものです。「アメリカ人なんかに日本文学の良さがわかるもんか」というのは、コンプレックスの裏返しであるような気がします。日本文学はもっともっと広く、外界からの検証を受けるべきであると僕は信じています。」

ジェイ・ルービン同様村上ファンである私は今までに何冊もいわゆる「村上本」を読んできた。中には村上作品中に出てくる料理を取り上げたレシピ本なんてものもあったし、ゲームの攻略本のように村上作品を解き明かそうとしている本もあった。本書はそれらとは完全に一線を画している。『風の歌を聴け』から『東京奇譚集』まで、トータルに村上作品を論じ、しかも読んでいて最高に面白い。現在ある村上春樹の評論の中でも最も優れたものの一つであることは間違いないだろう。

日本人こそが一番深く村上作品を理解できるという私の持論をジェイ・ルービンは鮮やかに覆してくれた。日本人以外にこんなにも深く村上作品を読み込んでいる人がいるということは驚きでもあり喜びでもあった。冒頭でジェイ・ルービンはこう書いている。

「私の主たる目的は、私が村上の長篇や短篇を読み、翻訳し、作品が書かれた経緯を知るなかで味わった興奮をみなさんと分かちあうことだ。もしも私が楽しみすぎているように見えたら、どうぞご寛恕を。」

こちらこそ楽しませてもらったとジェイ・ルービンにはお礼を言いたい。

k@tu hatena blog

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