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これが憲法だ!(朝日新書)

  • 出版社:朝日新聞社
  • レーベル:朝日新書
  • サイズ:18cm/216p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:4-02-273114-1

これが憲法だ! (朝日新書)

長谷部 恭男 (著), 杉田 敦 (著)

  • 全体の評価 51件のユーザーレビュー
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  • 税込価格:75621pt
  • 発行年月:2006.11
  • 発送可能日:1~3日
  • 新書

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商品説明- 「これが憲法だ!」

国の安全に関わる重要な問題を、内閣法制局や憲法学者だけに任せていていいのか? 日本国憲法をめぐる最重要論点を、注目の憲法学者と政治学者が徹底討論。憲法学の現状への痛烈な批判も飛び出す、スリリングな一冊。【「TRC MARC」の商品解説】

著者紹介- 「これが憲法だ!」

長谷部 恭男

略歴
〈長谷部恭男〉1956年生まれ。東京大学法学部卒業。同教授(憲法学)。著書に「憲法とは何か」等。
〈杉田敦〉1959年生まれ。東京大学法学部卒業。法政大学法学部教授(政治学)。著書に「境界線の政治学」等。

関連キーワード- 「これが憲法だ!」

ユーザーレビュー- 「これが憲法だ!」

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15人中、15人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2006/12/04 12:17

これが護憲だ!

投稿者:後藤和智(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

 いやあ、朝日新書の編集部も粋なことをやってくれるもんだ。『憲法と平和を問いなおす』(ちくま新書)や、『憲法とは何か』(岩波新書)などで、通俗的な護憲論たる9条フェティシズム的(本書では「憲法典フェティシズム」と表現されているが)護憲論ではない、論理的、戦略的な視点から現憲法の意義を問い直してきた注目の憲法学者・長谷部恭男氏に、こちらもリベラル陣営における気鋭の政治学者・杉田敦氏をぶつけてくるとは!これがおもしろくないはずがないじゃないか!そして本当に興味深い本に仕上がっている。
 本書の構成を大雑把に述べるとすれば、これまで長谷部氏が述べてきた憲法論に対して、杉田氏が通俗的な左派言説への対応も含めて政治学者として問いただしたいことを次々とぶつけていく、という形式と呼ぶべきだろうか。長谷部氏がなぜ「立憲主義」を議論の中心に添えるのか、9条護憲と立憲主義は両立するか、憲法9条は本当に自己規定のための条項なのか、「新しい人権」は本当に必要か、そして今までの憲法学のどこが問題なのか…。
 本書の底流に流れているのは、憲法に、そして憲法学に対する根本的な懐疑である。懐疑といっても、それは決して現憲法は時代にそぐわないから変えるべきだ、というものではなく、現憲法の理念は本当に政党なのか、どこに問題点があるのか、ということを真摯に見るという態度である。
 そのような視点に立脚しているわけだから、凡百の護憲論議とは一線を画した議論が為されている。まず本書においては、護憲派における従来型の憲法解釈がいきなり批判される。立憲主義を、《憲法に則って国家の統治活動が行なわれる》ことではなく、《価値観、世界観の多元性を前提にした上で、その間の公平な共存をはかる》(以上、12ページ)と捉え直すことにより、様々な議論が再構築される。例えば自衛隊に関しては、従来の解釈においては、常備軍を持たないという規定に反している、故に違憲、とされる。しかし本書においては、9条は「準則」ではなく「原理」として読まれるべきで、国民の安全を守るために規模と行動範囲を規定した最小限の常備軍(自衛隊!)は容認される、と解釈されている。また、改憲派の中には、環境権などの「新しい人権」も明記すべきだ、と主張する人がいるが、それらに関しては既に私法として確立されている。杉田氏も杉田氏で、セキュリティや民主主義の「劣化」に関することなどといった現代の政治を考える上で重要ではないかと思われる論点を次々と長谷部氏にぶつけていく。
 そして本書では挑発的ではあるが傾聴に値する議論も頻出する。例えば戦後の憲法論議は護憲派も改憲派も個人による防衛を無視してきた、あらゆる憲法は「押しつけ憲法」になりうる可能性を持っている、などというものだ。もちろんそのような結論に至るまでの議論も、ただ出任せに言っているのではなく、しっかりと論理立てて構築されている。
 憲法や憲法学を徹底的に疑うことによって、最終的には憲法に対する信頼を得る。そのような作業が行なわれているのが、まさしく本書である。改憲派が我が国がいかに堕落したかということを(ほとんど俗論でもって)嘆いた上での議論とは格が違うし、それこそ憲法典フェティシズムと俗流若者論でもって(そういえば、マガジン9条『みんなの9条』(集英社新書)なんて本も出ましたね)改憲派に対抗しようとしている自称護憲派の議論とも一線を画している。これこそが護憲の真骨頂である、と十分に薦められる本であり、改憲派が読んでも得られるものは多いはずだ。
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