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ゴッホは欺く 上

  • 出版社:新潮社
  • サイズ:16cm/329p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:978-4-10-216125-8

ゴッホは欺く 上 (新潮文庫)

ジェフリー・アーチャー (著), 永井 淳 (訳)

  • 全体の評価 31件のユーザーレビュー
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  • 税込価格:66018pt
  • 発行年月:2007.2
  • 発送可能日:24時間
  • 文庫

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商品説明- 「ゴッホは欺く 上」

9・11テロ前夜、英貴族ウェントワース家の女主人ヴィクトリアは、破産寸前の家計に悩んでいた。双子の妹アラベラに手紙を書いているところに賊が侵入し、首を切られて命を落す。犯人は左耳も切断し、著名な美術品蒐集家フェンストンに送った。一方崩落したビルから生還したフェストンの美術コンサルタント、アンナは、付きまとう男の影に怯えていた。ゴッホの自画像を巡る会心作。【「BOOK」データベースの商品解説】

ユーザーレビュー- 「ゴッホは欺く 上」

全体の評価
3.0
評価内訳 全て(1件)
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5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2007/02/18 21:27

アーチャーさん、もっと頑張ってちょうだいよ!

投稿者:ドン・キホーテ(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

 この作品は、待望久しいアーチャーの長編小説である。今回は、あのヴィンセント・ヴァン・ゴッホの作品で耳に包帯をした自画像が物語の対象となっている。
 前回の『運命の息子』がやや期待はずれの出来であったので、今回はいやがおうにも期待が高まった。前回の『運命の息子』は大河小説に分類されるが、今回は古い表現で言えば、痛快冒険小説の番に当たる。
 ストーリーは大変分かりやすくできている。英国の落日の資産家姉妹、ニューヨークの悪徳銀行家、そこに勤務する美術品鑑定人、FBIの捜査官とこれだけの登場人物を見ても十分期待できそうである。
 悪役は悪徳銀行家、正義の味方は主人公とは別のFBI捜査官である。ストーリーはこの2人の絡みで展開していく。それに悪徳銀行家の手先が主人の意を身を挺して実行していく。ただし、この手先はあまりにもステロタイプで、一昔前の007の映画でも見ているようなキャラクターである。
 手先の出自や経歴などは必ずしもステロタイプとは言えず、かなり工夫がなされているが、それにしてもいまさらなぜという疑問が出てきてしまう。
 アーチャーのこの手の作品、すなわち冒険痛快小説といえば、これまででは『百万ドルをとり返せ』、『大統領に知らせますか』、『ロシア皇帝の密約』、『十一番目の戒律』などがある。これらと同系統に並ぶ作品としては、やはりまだその水準に達していないという印象だ。
 まず、これまでの作品では幾多の伏線が張り巡らされており、それが後半になると巧妙に生かされていた。中には数回考えた末にようやく理解できるようなものまであった。それが今回はきわめてあっさりとしており、表面に出てくる描写が中心である。この点は伏線の良否は別として作品の奥行きや厚みに物足りなさが残る。
 悪役の格が落ちるというのも特徴かもしれない。今までの悪役は悪知恵を絞って相当に悪辣かつ意外な手段を打ってきたし、搦め手も考えられたものを用意していたが、今回の悪役は悪役としても小投じてとしか思えず、物足りなさが残った。
 総合的に見ると、まだ本調子になっていないのか、あるいは、さしものアーチャーも歳をとってきたのか、今回もファンの期待を裏切ったというべきであろう。早く以前のように痛快で奇抜なストーリー展開を披露して、ストーリー・テラーとしての名声を復活させてほしいものである。

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