- 出版社:集英社
- サイズ:18cm/159p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-08-846129-8
ハツカレ 10 (マーガレットコミックス)
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- 税込価格:450円(12pt)
- 発行年月:2007.1
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ユーザーレビュー- 「ハツカレ 10 (マーガレットコミックス)」
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
2012/01/27 19:33
久しぶりに、純粋に惹き込まれていく少女漫画に出会えました
投稿者:志織(女性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る
一巻を読み始めたとき、久しぶりにピュアな作品と出会ったなあと感じました。
そして同時に、少し読みにくさも感じていました。なぜなら、当初は一話完結型で、次に続いても続かなくても、いつ終わってもいいようなところでお話が納まっていたからです。ある意味、気楽に読めるので非常にゆったりとしたペースで読み進めていました。この作品が、十巻もあるなんてびっくり。あんなスローテンポなお話を、どうやってそんなに長いお話に仕上げていったのだろうと気になりました。
ただ、この作品が「連載物」のお話に化けたとき、言いようのないきゅんとした気持ちを思い起こさせてくれました。たとえば、一巻当初は生まれて初めてオトコノコに告白された主人公が、会話を繰り返して「恋人」へとなっていき、ちょっとずつ距離を縮めていく、なんとも純粋なお話なのですが、ここで主人公を想う、彼氏のライバル的なオトコノコが登場して、単なる純粋な恋物語をはらはらしたものへと変えていきます。そして、またこれが、主人公の友達→ライバルのオトコノコ→主人公→主人公の彼氏という見事な四角関係を作り上げ、一見すると熾烈な愛憎劇を思い浮かべます。しかし、実際は片想い組の切なさといったら……という具合に、「主人公の友達」も「ライバルのオトコノコ」もいい味を出しています。本当に素敵な子らなんです。
読みながら、もしも自分が片想いの立場だったらどうするかな、と何度も思いました。ありふれた日常を描いた作品なので感情移入もしやすく、「ライバルのオトコノコ」が好きだった私は、彼のふとした仕草にもう釘付けです。同時に、自分の想い人の恋が報われない姿は、見ているだけで胸が締め付けられました。たとえ振り向いてもらえなくても、その人が心から笑っていてくれたら、それは自分の幸せに変わる。もう長らく恋なんてしていませんが、そんな初めての気持ちを思い出させてくれる作品です。
また、作者の絵の見せ方も上手いです。主人公の彼氏が、「ライバル」の「主人公」への気持ちに気付いた瞬間のワンシーン。「ライバル」が余分に撮った主人公の写真。それを拾った主人公の彼氏。「じゃあ俺、おまえがほんまに余分に撮ったやつ、持ってるわ」。そして、
「でも、返さへんから」
あくまでも、主人公は自分のものだということを、彼氏は写真という媒介を使って宣言します。そしてそのあとの、彼氏の「主人公」に対するシーンも見どころ。零れたジュースを気にする主人公に、
「汚れたって、かまへんから」
と、まるで自分のことを指すようなシーンに、思わずぐっと息が止まります。この頃は、ある意味どろどろしていたなあ。
昨今の漫画では、彼女が男に襲われそうになって、彼氏の口から簡単に「殺してやる」という言葉が出てきます。たとえ守るためでも、そう簡単には、あまり口に出してほしくないと思う言葉ですね。そう思うと、この作品は最初から最後までほんのりと胸を温めて、ときには目の奥が熱くなるような思いにさせてくれて、とてもほっこりとしたお話だなあと思います。ラスト間近では、バイクの後ろに主人公を乗せられるようになっても「のせられん」と言う彼氏の理由が素敵です。
みんな温かい。私もこの中に交じっていたい。そう思わせてくれる。
読みながら、もう一回恋をして、優しい人も紳士的で素敵だけど、素で笑かしてくれる人っていいなあ……(笑) なんて思ったり。
無理に気取ってない、ちょっとピュアな等身大の女子高生の「思っていること」が、すっと身に染みてくる。
ああ、だから、私はこの作品を好きになったのだなと、そう思いました。








