電子書籍
過去の書籍を読み直したい
2019/11/27 22:02
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
「廃用身」から、久坂部羊先生のファンになり、各書籍を拝読致しました。
先生の根元は本書の内容から来ているのだと、改めてこれまで読んだ本を読み直したい気持ちになりました。
紙の本
ちょっとタイトルはキツイが内容は、しっかり詰まってる。
2017/07/12 13:17
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投稿者:オカメ八目 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「死に方」って「生き方」と合わせ鏡。 「死」を、しっかりと見つめると、今の「生」が観えて来る。ーーー豊かさに、ウカレに、うかれて考え方の脇が、うんと甘く成ってしまって「覚悟」ひとつ、出来なく成ったと感じた人は、読んでみるのも、「生きる為の指針」のヒントが貰えて、こころの背骨を、シャキッとしてくれそうな本。ーーーーー生きてくのに迷ったら読んで見るのもいい。 「私は、今迄、何にも悪い事をして来なかったのに、どうして、こんな目にあうのか?!」なんてボヤく向きにも、「良薬」として、いいかも。
紙の本
人を生かす医療から、人を死なす医療という時代へ
2007/11/05 23:51
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Guro - この投稿者のレビュー一覧を見る
(読んでほしい人:今を生きる人みんなに)
長生きしたい。みんなそう思っている。でもそれって、ただ生きてりゃいいってコトじゃない。長生きして、なにかをしたいってことにちがいない。
「そのしたいこと」って、ホントに出来ると思ってるのか、今一度考えてみたい。たとえば、定年後はたくさん旅行したい、って、足腰が今と同じくらい動くってことが前提だ。本をたくさん読むぞって思っていたって、目がちゃんと見えて、ボケていないアタマがあってこそだ。
長生きしたいって言うけれど、それって「健康で」かつ「長生き」ってことだ。でも、人は老いる。老いるというのは健康から遠ざかることだ。歩けなくなっても、目が見えなくなっても、ボケちゃっても、長生きしたい?わけじゃないよね。「老いて」かつ「長生き」を、ホントにしたいのか?
歩けなくなっても、視力が衰えても、寝たきりになっても、人はなかなか死ねません。医療が高度に発展したので、そう簡単には死ねなくなりました。でも、生きて○○がしたい、ということをかなえるほどまでには、医療は老いを直してくれません。
著者の久坂部氏はこれまで、医療の分野を舞台として、エキセントリックともいえるほど過激な小説を書かれています。『廃用身(文庫)』では脳疾患により麻痺して、動かなくなってしまった上肢や下肢を切り取ってしまえ、という医師を登場させています。また『破裂』では、一時的に心臓を丈夫にする薬を普及させるが、実はその薬は急性心臓麻痺を引き起こすのだ、という題材を持ってきています。これまで、著者の作品を読んで、提示されている世界は、著者がかくあるべきと提示しているのか、それともアンチテーゼとして提示しているのか、どちらかよくわからないとことがありました。
本書はそんな著者によるノンフィクションですが、こうして死ねない医療の現実を提示されてみると、医療の発展とQOLの向上をどう結びつけるのか、という一貫したテーマが垣間見えてきます。どんなに医療が発展しても「○○がしたい」を叶えられなければ仕方ない、生活の質(Quolity Of Life)が向上しなければしょうがないじゃないかと、小説を通して訴えているのだとようやく得心したものです。
とおして考えてみると、やはり、人は生きすぎているのではないかと思わずにはいられません。
医療はどうやって人を生かすか、ということを考える時代から、そろそろ、どうやって人を死なすか、について考える時代になっているのだと、真剣に思います。
平均寿命、にとらわれずに、平均健康寿命を前提に、人生を考えなければならん、とまじめに考えさせられました。
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人がどう生きるかはそれぞれの人間だけが決められる、というのが近代社会の大原則なのだが、どう死
ぬかは死期が近づくと、実質的に自分では決められなくなる。
今の何がなんでも延命、アンチエイジングという「とにかく生きさせる」行政・医療・介護全体の方針
は、死が絶対に避けられないものである以上、本質的にムダな部分を含んでいるのに、生きたいという
それ自体は当然の欲望を煽り利潤化する資本主義にばかり貢献して、実質的にそれぞれの人の生を決め
る権利を奪っている。
スーパー老人、元気なお年寄り、あるいはその逆の極端な例ばかりメディアは取り上げるな。
「普通に死ぬ」ことは、今では健康年齢と肉体年齢にどうしてもタイムラグを生じ、その間の生死の権
利を奪われているに近い。
というのが筆者のだいたいの主張。
考えなければいけないことだが、考えるには憂鬱なテーマ。第三者の医者だから言えるんだよ、という面もある。個々人の生は周囲の人間の生ともだぶっていて、切り離せるものではないので、どうしても基準化・ガイドライン化とそぐわないのが難しいところだが、難しいで止まっていて、議論の手がかりもない、とにかくたとえば無条件で安楽死は許されないのが日本。
自分一人だけで生きているのだったら、そんなに迷わなくて済む気がするが。
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何かを選ぶということは、それ以外のことをあきらめるということです。
まわりの介護の熱心さー介護される本人がもともと立派な人であった 自然な敬意を呼び起こすのは、やはりそれに値する態度でしょう。思慮深さや、自己抑制、謙遜や達観など
家族の同意があろうがなかろうが、安楽死はすべて違法だということです。また本人の同意があっても、刑法202条の自殺関与罪、同意殺人罪が適応される。
文明は進むばかりが能ではありません。人間を幸せにしないのなら、ある部分を棄てることも、また文明の智慧であるはずです。
死に時が来たときに抗わないことが一番楽です。受入れる準備さえできていれば、心も穏やかになれるでしょう。
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ぶっちゃけ読んでて楽しい本ではない。けど、読む価値はある。特に年配の人ほど。
長生きして、体のあちこちに障害がある人、寝たきり状態の人、痴呆患者、など色んな人達(及びその家族)がどれだけ苦労しているかを書いた本。「長生きしたい」と何も考えずに求めることがどんなことか考えさせられる。
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当たり前のことがセンセーショナルになる瞬間。
これを読んで、認知症である祖父の世話をしている知人が神に思えた。一瞬。
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長生きはそんなにいいことばかりじゃないよと、悲惨な事例や老人の嘆きがこれでもかというほど紹介される。著者は、老人医療に携わる現役の医師だ。医者の口から、「医療によって無理矢理生かされることは、本人のためにならない」という言葉が聞かれようとは。
アンチエイジングや「スーパー老人」報道に批判的なことなど、著者は現代の欲望肯定主義や、若さを追い求める風潮に違和感を持っている。医師として多くの老人、多くの死を看てきたことも大きいだろうが、同時に、父親が仏教や道教に造詣が深いことや本書でも兼好や良寛を引いていることからして、著者自身が東洋的な死生観に共感を持つ素地があるんだろうという気もする。その意味で、少なくとも我が日本では、本書のような考え方が庶民の間に復活することは、存外たやすいのではあるまいか。
医師の中で著者のような考え方を持つ者がどれくらいの割合でいるのかは、知らない。だがゆくゆくは多数派になるんじゃないか。そうなってほしい。著者のような医師となら、治療方針についてスムーズに相互理解が図れる気がする。自分の「死に時」を看てもらいたいと思うのだ。
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怖さと荘厳さを兼備した鮮烈なタイトルだと思います。新書でこの内容が読めるのはありがたい。
この副題の問いについてはつねに自問していく必要がある気がします。
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久坂部さんの今までの小説をすでに読んでいるなら、もうわかりきったことが書かれている。『破裂』や『廃身用』なんか特に、彼の考え方が如実に表れているんだと、改めて実感した。いくら長生きはできても、寿命は決して変わらない、という事実にはハッとさせられた。寿命を迎えてから医療にすがった長生きは、死んでいる身体を無理やり生かせているだけ。長生きすればするだけ、1つずつ何かを諦めていかなくてはならない。例えば歩行。そして飲食。そして意思の疎通。何を諦めてでもいいから生きたいかを、意識しておかなくてはならない。気づけば心臓が動いているだけ・・なんてなりかねない。一度病院に頼ったら最後。まず、自然な死を迎えることはできない。病院へ行かないという手段は、選択の1つのうちに入れておくべき。
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ずいぶん前に読んだんだけど、何となく内容を思い出してしまい、つい読み返してみる。長生き(し過ぎること)をリスクとして捉え、けして後ろ向きではなく、あくまで前向きに生きていくための方法が書かれていて、なんだか納得してしまう。人生を逆算して考え、今をどう生きればいいか…。サブタイトルがなんだか妙にしっくりきます。
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サブタイトルに「そんなに長生きしたいですか?」
「アンチエイジ、バンザイ!」な現代に、死に際の「美」だって捨てたもんじゃないと説く。
「死」という言葉をひたすら忌み嫌うのじゃなく、安らかな死、幸せな死だってあるんじゃないかと提案。多くの老人介護に接する現役医師だからこその説得力がある。
考えたら、人間の最後の目標って、自分にも周囲にも迷惑をかけずに死ぬことじゃないか。
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自分の頭で考えた上で長生きしたいものだ。
晩年はいかに美しく逝けるかをモットーに過ごすことに決めた。
満足度7
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人の、少なくとも俺の生き方にまで影響しそうな本。残されたリソース(金、時間)をどう使っていくか。死ぬ事、老いる事を避けるより、日々を大事に生きていこう。ジタバタするなよ!
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[ 内容 ]
何歳まで生きれば“ほどほどに”生きたことになるのか?
長寿をもてはやし抗加齢に踊る一方で、日本人は平均で男6.1年、女7.6年間の寝たきり生活を送る。
多くの人にとって長生きは苦しい。
人の寿命は不公平である。
だが「寿命を大切に生きる」ことは単なる長寿とはちがうはずだ。
どうすれば満足な死を得られるか。
元気なうちにさがしておく「死ぬのにうってつけの時」とは何か。
数々の老人の死を看取ってきた現役医師による“死に時”のすすめ。
[ 目次 ]
第1章 長生きは苦しいらしい
第2章 現代の「不老不死」考
第3章 長寿の危険に備えていますか
第4章 老後に安住の地はあるのか
第5章 敬老精神の復活は可能か
第6章 健康な老人にも必要な安楽死
第7章 死をサポートする医療へ
第8章 死に時のすすめ
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
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☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]