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カラスのジョンソン

  • 出版社:講談社
  • サイズ:20cm/222p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:978-4-06-213829-1

カラスのジョンソン

明川 哲也 (著)

  • 全体の評価 4.52件のユーザーレビュー
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  • 税込価格:1,68048pt
  • 発行年月:2007.2
  • 発送可能日:7~21日

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商品説明- 「カラスのジョンソン」

千々のきらめきと、葉のこすれる乾いた音の中で、カラスのジョンソンは生まれた。さらさらと流れる風。翼に当たる雨。遙かな空から見おろす星…。その日から、ある伝説が紡がれていった。カラスと少年の伝説が、ここに紡がれた。“詩人”が謳い上げる、生の交歓。【「BOOK」データベースの商品解説】

千々のきらめきと、葉のこすれる乾いた音の中で、カラスのジョンソンは生まれた。さらさらと流れる風。翼に当たる風。遙かな空から見下ろす星…。カラスと少年の伝説が、ここに紡がれた。“詩人”が謳い上げる、生の交歓。【「TRC MARC」の商品解説】

著者紹介- 「カラスのジョンソン」

明川 哲也

略歴
〈明川哲也〉1962年東京生まれ。早稲田大学第一文学部東洋哲学科卒業。TETSUYA名でロックバンド「AND SUN SUI CHIE」結成。芸能活動、執筆活動を行う。

ユーザーレビュー- 「カラスのジョンソン」

全体の評価
4.5
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4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2009/08/29 20:51

見たくない部分も、見たい部分も、ないまぜになって読ませる魅力。

投稿者:銀の皿(女性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

 今年の書評でこの本をみてから、ずっと気になっていたんです。ドリアン助川さんの本、というのもちょっと気になったところなのですが、表紙のカラスのヒナに見つめられたからかもしれません。で、やっと読んでみました。

 いろいろな読み方ができるというのは良い本、特に小説の評価としてよく思うことです。「カラスのジョンソン」は、カラスの成長を追いながら様々な目線をくれる、と言う意味で、そういう良い本の一冊といっていいでしょう。
 でも、不思議な読後感です。短い断章で綴られる中には、いろいろなことがありすぎます。よくわからないところもあるのに、部分部分では感情移入したり、考えさせられたりする。まとまりがない、でもそれでもいいのなのかな、とあれこれいろんなことを感じながら読み進みました。

 カラスを中心に描かれることでは、生き物としてのカラスだけでなく、都会での害鳥駆除などの環境問題から近所づきあい、アパートでペットを飼うことの問題まで、様々です。
 カラスのヒナ同士の争い、餌場での行動などは、多分に「行動学・生態学」も調べて忠実に書かれているようです。カラスは「頭がいい、記憶力がいい」ということをお話は上手く活かしていますね。もっとも、カラスが「神」などの抽象的な概念をどこまで持つのか、については多分に「小説」で、ここは原初の人間が「宗教・神」などの抽象概念をどのように形成したのか、を考えさせるところとして読むところなのでしょう。これは「名前を与える」という行為についても同じだと思います。
 シングルマザーとその小学生の息子への心理的軋轢、それから引きおこされる事件なども深刻な現代の一面として書き込まれています。

 情景もいろいろです。時にはエサを引き裂いたり、駆除作業でつぶされたり、と残酷で血みどろの情景もあります。人間関係の残酷さ(少し戯画化されている気がしますが)もえがかれます。
 それでも、感性のキラキラ光る言葉(これについてだけピックアップしても、もう一本書評が書きたくなるほどです)や、小学校の先生の気遣いの優しさも散りばめられていて、救われたり癒されもしました。ジョンソンという名前の由来も、おかしさと真面目さが混ざった不思議な感覚をくれます。
 世界の、見たくない部分も見たい部分もないまぜになっている。それも本書の魅力なのでしょう。
 タイトルはリチャード・バックの作品を思い出させますが、独立の話として充分楽しめるものです。もちろん、ジョナサンとジョンソンの生き方を比較して考えてみる、ということだってできるかも。
 読む人によって何が残るのか、きっと物凄く違うのではないでしょうか。

 たしかにこのまま埋もれさせては惜しい本。「なんか気になる」と思ったら是非読んでください。ひとさまざま、でも、きっとなにか残る。そういう本だと思います。

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4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2007/03/09 09:37

通いあう心

投稿者:katu(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

朝日新聞における悩み相談室の名(迷?)回答者といえば中島らもだったが、中島らも亡き後は何といっても明川哲也だろう。人によっては「ドリアン助川」の方が通りがいいかもしれない。そのドリアン助川、もとい明川哲也の小説である。

主人公はカラスのジョンソンだ。まだ子どものジョンソンは、「褐色の影」の襲撃を受けて巣から落ちてしまう。それをたまたま拾ったのが工場で清掃のパートをしていた里津子だ。彼女には陽一という小学生の息子がいるが、離婚しているので母子家庭である。市営住宅に住むこの親子が元気になるまでという期限付きでジョンソンを飼うことにするが・・・。

新聞紙上における明川哲也の回答は、突拍子のないことを言っているようで、その根底には常に「愛」がある。この物語もそうだ。ジョンソンが陽一のところを旅立ったのち、お互いに非常に辛い状況が待ち受けている。絶望の淵に追いやられたジョンソンと陽一は最後の最後に心を通い合わせる。この切なくて感動的なラストには胸を打たれた。

k@tu hatena blog

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