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ギャグマンガ日和 巻の8 増田こうすけ劇場 土俵際の無い物ねだりの巻 (ジャンプ・コミックス)
著者 増田 こうすけ (著)
古今東西のネタを盛り込んだ、めくるめくギャグマンガ第8弾。やたら弱音を吐く伊能忠敬や、打ち切り寸前の崖っぷち漫画家、心身共に傾いちゃってるロボット等々、たぐい希なる珠玉の...
ギャグマンガ日和 巻の8 増田こうすけ劇場 土俵際の無い物ねだりの巻 (ジャンプ・コミックス)
増田こうすけ劇場 ギャグマンガ日和 8
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- 税込価格:6,501円(59pt)
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商品説明
古今東西のネタを盛り込んだ、めくるめくギャグマンガ第8弾。やたら弱音を吐く伊能忠敬や、打ち切り寸前の崖っぷち漫画家、心身共に傾いちゃってるロボット等々、たぐい希なる珠玉のキャラ&ネタのオンパレード!
【商品解説】
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社会科の教科書に落書きした事ある奴は読め。
2007/05/30 14:27
4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:AQUIZ - この投稿者のレビュー一覧を見る
どこに行きたいのだ。
雑多な作品群の、いわゆる短編集的な単行本であるが、恐らく主軸であると思われる「飛鳥」と「細道」だけを念頭に置いてみることにする。
前者は聖徳太子と小野妹子、後者は松尾芭蕉と河合曾良(例え読んだ事は無くとも、誰でも知っていそうな紀行文、「おくのほそ道」の随行者である、念のため)をモデルとした一連のシリーズだ。
どちらも日本の神々と並べられるような偉人と、その傍に居た者が題材だが、扱いは粗末で酷い劣化コピィのような人物像が描かれる。ギャグ漫画だから(タイトルに明言されている)といえば、それまでだが、完全な別物という印象では無いのだ。あくまでも、「劣化コピィ」で納まっている。
太子は、あくまでも摂政であるし(本作を読んでいる限りに於いて、その身分は「馬鹿なのに王様だから困る」的な印象)、同行者の弟子に駄作以下の俳句を寸断なく破り捨てられる芭蕉も、やはり数々の名句を発している俳聖であるのだ。俳句が三十一文字で構成されていることすらも、しばしば忘れている本作の翁ではあるが(これも、字余りの作が多々見られることのパロディと取れないことも無い)。
彼らが偉人であることを、この作品は決して否定していない。その上で、いかに駄目な人物かを描いているように見える。
いずれ歴史に名を残すだろう自分が、格好良く描かれるかを懸念する太子や、師を仰がない弟子に脅され、俳句の体さえ成していない駄文を苦し紛れに記してみせる芭蕉。
だが、史実の彼らと、私たちは直接の面識など無い。捏造されているかも知れない、ドキュメンタリ映像さえも無いのだ。
斬新な施政を編んだ太子は、奇人との境界線上に居たのでは無いのか。
奔放な芭蕉は、俳句の才能さえ無ければ単なる変人に過ぎなかったのでは無いのか。
そうした「劣化コピィ」であるがゆえに、単なるギャグとして描かれた本作を読んで、実在していた(筈)の人物であったことさえ忘れて笑った後で、ふと、誇張されただけの実話なのではないかと過ることが、少しある。
「細道」の旅の終りで、連載の終りを飾る(かも知れない)という著者の記述がある。
「飛鳥」での随への旅は、既に片付いているが、「細道」の旅は元禄二年で止まったきりなので。冒険漫画のような、旅の目的は無い。もちろん、史実の通りの終いがあるはずだが、彼らは一体、どこへ行きたいのだ。
終着点となる土地では無くて、これらの他の何にも似ていない作品群の、いつかは訪れる行き先のことである。