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ビロードのうさぎ

  • 出版社:ブロンズ新社
  • サイズ:28cm/1冊(ページ付なし)
  • 利用対象:小学生
  • ISBN:978-4-89309-408-7

ビロードのうさぎ

マージェリィ・W.ビアンコ (原作), 酒井 駒子 (絵・抄訳)

  • 全体の評価 54件のユーザーレビュー
  • あなたの評価 この商品を評価して本棚に反映 評価しました! ×
  • 税込価格:1,57545pt
  • 発行年月:2007.4
  • 発送可能日:24時間
  • 絵本

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商品説明- 「ビロードのうさぎ」

子どもに心から大切に、大事に思われたおもちゃは、本物になることができる。おもちゃのうさぎは、ぼうやと毎日いっしょでしあわせだった。ところがある日…。世界的な名作を酒井駒子の華麗な画により絵本化。【「TRC MARC」の商品解説】

著者紹介- 「ビロードのうさぎ」

マージェリィ・W.ビアンコ

略歴
〈マージェリィ・W.ビアンコ〉1881〜1944年。ロンドン生まれ。初期は小説を書いていたが、絵本作家に転身。
〈酒井駒子〉1966年兵庫県生まれ。東京芸術大学美術学部卒業。華麗な画は国内外で評価が高い。

書店員レビュー- 「ビロードのうさぎ」

ジュンク堂

小さい頃大切にしてい...

ジュンク堂さん

小さい頃大切にしていたぬいぐるみ、そういえばどこへいったんだろう?
そんな記憶はありませんか?
いなくなったぬいぐるみは、実はこうだったのかもしれません。

主人公は男の子ですが、女の子にもオススメです。
大人の方でも、ちょっぴり昔を思い出して読んでいただきたいです。

池袋本店 医学担当

ユーザーレビュー- 「ビロードのうさぎ」

全体の評価
5.0
評価内訳 全て(4件)
★★★★★(4件)
★★★★☆(0件)
★★★☆☆(0件)
★★☆☆☆(0件)
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7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2010/01/20 15:06

ほんとう、はどこか哀しさを伴っている、でも前を向いていこうね。

投稿者:wildflower(女性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

『The Velveteen Rabbit』というこの作品の作者は米国の作家の
マージェリィ・W・ビアンコ(Margery Williams Bianco)さん。
『よるくま』や『くまとやまねこ』の酒井駒子さんが、既刊のロングセラーを
深く愛しつつもご自身ならではの表現で抄訳と絵を手掛けられています。
豊かな家で大切に育てられた坊やと、クリスマスに贈られた一匹の
ベルベットのうさぎのものがたりです。

おもちゃのその他大勢から、少年にとってほんとうに慕いあう存在に
選ばれるまでの前半では、かわいいけれど地味な存在のうさぎに対して
高価な、あるいは機械仕掛けのおもちゃたちが「ただのきれでできている」と
ばかにします。彼らおもちゃ界では、いかに持ち主の関心を引き長く
愛されるかが最重要課題だからです。当然ながら動きと新しさ、豪華さで
坊やの目と関心を引きやすい者たちが「勝ち組」的優越感をもっているのも
頷ける話です。

そこに失意のうさぎに語りかけるふるいウマのおもちゃがいます。
坊やの関心を捉えることとは、新しさや豪華さ、機械で動くことと
直接には関係がない。あそぶことと大事にされることは、似ているようで
同じではないというメッセージがうさぎに伝えられます。


冒頭は坊やがおもちゃとあそぶ様子を、おとなの目線で見守るように
やがてこども部屋にあつまるおもちゃの想いをおもちゃの眼を通して
俯瞰し、次第にうさぎの心象に寄りそっていく――。
酒井駒子さんのかたることばは、かんたんでやさしい文章ですが
現代のおもちゃ箱などの様子も連想させ、またちらりとかすかな皮肉も
交えつつ軽やかで見事です。


うさぎはやがて少年の側にずっと過ごし、大事に扱ってくれる坊やに
「この子は おもちゃじゃないの、ほんとうの うさぎなの」
そう言われて小躍りして喜びます。
けれど、すぐあとに現れるのは本当の生き物のうさぎたち。

うさぎにとって、坊やにとって「ほんもの」であったこと。そうなれた
ことへのかけがえのない喜び。その嬉しそうな様子に一緒に感動しつつ
後半には酷な現実が待っていました。


*****************************
……結末が、なぜ、こうした描かれ方なのか。

ふたりだけの世界の「ほんとう」が誰にとってもリアルな生き物として
の「ほんとう」に変えられたとき。それは幸せなのか。

うさぎにとって、坊やにとって。どっちであったらよかったのだろう。
先の評者真愛さんの評と同じ、ちいさな棘のような疑問を評者も感じ
ました。

願えばふたりの想いは叶うという『クリスマス人形のねがい』のような
希望に満ちた奇跡の結末でほっとさせるのではなく
またもしビロードのうさぎがほんものの「生きた」うさぎになりたくて
そう願い続けていたのなら、それもまたピノッキオのように幸せな結末でも
いいように思えます。
けれども、それらとこの作品はどこか違うのです。

むしろ『あの路』にどこか似た読後感でした。

一度ほんとうに愛しかわいがっていた、うさぎと坊やの幸せの日々。
そして、次第にときが流れてゆき、やがて訪れる別離。

いささかセンティメンタルな演出を加えつつも、この作品のラストは
この絵本を読み終えた子どもたちが、たいせつにして過ごしている
(いた)ぬいぐるみたちとの大事な関係を思いやりつつも、やがては
前を向いて成長していくのだよと、作者がそうっと背を押しているよう
に思えました。

柔らかな優しさとクリアな現実へのまなざしが交錯するみごとな作品です。

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7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2008/12/06 21:21

「ほんもの」という名のまほう

投稿者:wildcat(女性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

クリスマスが近くなると、絵本の棚は、
顔をこちらに向けた本達でにぎやかになります。
クリスマス用の特別な棚もできて、
なんとなく華やいだ気持ちにもなります。

顔をこちらに向けた本達の中で、
ふと、小さなうさぎに、目を引き寄せられました。

暗いおもちゃ箱のすみっこのようなところに、
ブロックとブロックにはさまれて
ぽつんと座っているうさぎはどことなく寂しそうです。

絵のタッチが細やかで、
うさぎの布目のひとつひとつ、
糸と糸の織り合わせのひとつひとつ、
そして、縫い目までもが見えます。

くたびれたような耳、緑色の目、
糸で縫われたような赤い口、
擦り切れてしまった水色のリボン。

うさぎには、確かな手触りと質感、そして存在感がありました。

楽しそうなクリスマスの本達の中で、
気づくと私の手は、うさぎに引き寄せられていました。

帯には、「『月刊MOE』2007年絵本ベスト、
『この絵本が好き!』2007年の絵本、堂々の1位」
という文字が躍っています。

新しい本なのかなと、そっとページをめくると
著者のプロフィールがありました。
著者のマージェリィ・W・ビアンコは
1881年生まれで1944年に亡くなっています。
この作品は、「世界中で翻訳され、いまも読み継がれている」と
書かれています。

うさぎはちょっと前からそこにいたのではなくて、
ずーっと前からそこにいたのですね。

***

ビロードのうさぎは、ぼうやへのクリスマスプレゼントとして
ぼうやのところにやってきました。

だけど、しんせきのおじさんがあたらしいプレゼントを持って
ぼうやのところにくると、
ぼうやはもううさぎのことをわすれてしまいました。

うさぎはおもちゃのたなや子どもべやのすみっこでくらします。

立派なおもちゃたちは、「じぶんこそ ほんものだ」とじまんして、
ビロードのうさぎのことをばかにするので、
うさぎはちいさくなってくらしていました。

ある日ウマのおもちゃが教えてくれます。

「ほんものというのはね、ながいあいだに
子どもの ほんとうの ともだちになった
おもちゃが なるものなのだ。
ただ あそぶだけではなく、こころから たいせつに
だいじにおもわれた おもちゃは ほんとうのものになる。」と。

あるばん、ぼうやがいつもいっしょにねる
イヌのおもちゃがみあたらなかったため、
うさぎが代わりにぼうやとねることになります。

そのときから、ぼうやとうさぎの絆ができるのです。

ある日ぼうやは言います。

「この子は おもちゃじゃないの、
ほんとうの うさぎなの」。

きっとそのときにうさぎにまほうがかかったのでしょうね。

この作品では、「ほんもの」という言葉が二通りの意味で使われます。

ひとつは、「生きて命を持って動いている」という意味でのほんもの。

もうひとつは、「とりかえがきかないたったひとつのもの」という
意味でのほんもの。

最後の直前のページに文字のない絵だけのページがあります。

この作品の絵は、全体的に質感と温かみを持った
絵画のような絵なのですが、
特に絵だけのページには引き込まれました。

この絵には命があります。息を呑むことしかできませんでした。

この本は、ほんとうの絆は永遠であることを静かに伝えてくれます。

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4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2011/02/20 08:30

子供部屋の魔法

投稿者:夏の雨(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

 この絵本の原作は1922年に書かれたそうです。それからずっと読み継がれてきたわけですね。そんな素敵な原作を酒井駒子さんが絵を描き、抄訳までした絵本がこの一冊です。
 酒井さんは「子どもの頃、ぬいぐるみと遊んだ時間を思い出しながら」描いたといいます。

 物語の主人公はクリスマスプレゼントで男の子のところにやってきたビロードのうさぎ。
 この絵本の素敵なところは、ビロードのうさぎを愛するのが女の子でなく男の子というところ。私たちの生活では男の子がぬいぐるみと遊んでいたら変な子と思われがちですが、この作品に登場する男の子はビロードのうさぎをいつもそばにおいて、とても大切にしています。
 ある日、ビロードのうさぎはおもちゃ仲間からこんなことを教えてもらいます。「ただ あそぶだけではなく、こころから たいせつに だいじにおもわれた おもちゃは ほんとうのものになる」と。
 そして、その言葉とおりに、ぼろぼろになってまで男の子から愛されたビロードのうさぎは本物のうさぎになるという、「子どもべやには ときどき まほうが おこる」そんな素敵なお話なのです。

 酒井さんは「うさぎ」について、「登場人物をウサギにすると、お話が生々しくならないからいい。お話とほどよい距離がとれるように」思うと、あるインタビューに答えていますが、この絵本のうさぎもそうですね。かわいくて、切なくて。
 こんなビロードのうさぎがそばにいたら、うれしくなります。
 当然ビロードのうさぎはぬいぐるみですから、表情は変えないのですが、酒井さんの絵はビロードのうさぎの悲しさや喜びがなんともうまく表現しています。
 こういう絵本、小さい頃に読みたかったな。そして、いつまでに大事にしたかったな。

 ◆この書評のこぼれ話は「本のブログ ほん☆たす」でお読みいただけます。

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4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2009/12/21 17:38

本物である事とは。

投稿者:真愛(女性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

名作『ビロードうさぎ』 原作タイトルは『The Velveteen Rabbit』
個人的には酒井駒子さんの絵/訳のこの本が好みです。絵のタッチと物語のシーンが見事にマッチし時に切なく時に嬉しく。。読みながら自分の表情が変わるのを感じます。
物語でビロードのうさぎは二度の[本物]を体験します。
一度目はクリスマスに贈り物として贈られた坊やの所で[坊やの中での本物]として。二度目は坊やと別れた後の[動物のうさぎ]として。
どちらもビロードうさぎにとっては本物で本当の事。坊やに本物と抱かれている時のビロードうさぎの絵はどこか誇らしげで仕合せに満ち溢れています。又、坊やと別れた後生きたうさぎとなり森の中で他のうさぎと一緒に居る絵は坊やで見た時の誇らしさと違い生き生きとしのびのびとした本来のうさぎの印象を与えます。
さて、ここでふといつも考えてしまいます。
「このビロードうさぎにとってどちらも本物ならどちらが仕合せなのだろうか?」
きっと答えは読んだ方々それぞれの感じ方の中にあるでしょう。しかしわたしには永遠に考えてしまう疑問。何度読んでも見付からない。。。ならばきっとどちらもビロードうさぎにとっては仕合せなのでしょう。一身に愛される事を体験し、仲間として森中を駆け回る楽しさを体験する。。。結論はここに辿り着くのですがいまいちスッキリとしません。
それはきっとラスト1ページがそうさせるのかと思います。緑の目を持つ生きたうさぎになったビロードうさぎは月日が流れ森の中で坊やを見付けじっと見詰める。坊やもあの時の子に似ているなぁ、と思う。しかしビロードうさぎもぼうやも既に[現在(いま)]を生きている。想い合うだけで触れる事はない今。しかし想いはちゃんと交わっている。。どこか良かったと思うと同時に切ない歯がゆさを感じずにはいられません。「もしあの時坊やと別れずに居たら。。。」その「もし」が読んだ後もわたしの中でぐるぐる巡ってしまいます。

『The Velveteen Rabbit』は名作のため石井桃子さんの訳、他にも『ベルベットうさぎのなみだ』としても出版されています。石井さんのは絵本と言うより挿絵が少ない短編の読み物の様です。後者の本は絵本の形です。元は同じ本なのにこれ程までに感情の揺らぎが違う物なのか、と感じます。
初めに述べた様にラストの切なさをより感じるにも関わらずやはり酒井さんの『The Velveteen Rabbit』が不思議とお気に入りです。
もし読まれる方は折角の名作ですので原書を読んで自分なりの解釈をしたり、出版された訳/絵違いの物を読み比べ自分のお気に入りの『ビロードうさぎ』を是非見付けて下さい。

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