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日本文化における時間と空間

  • 発行年月:2007.3
  • 出版社:岩波書店
  • サイズ:20cm/264p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:978-4-00-024248-6

  • 国内送料無料

日本文化における時間と空間

加藤 周一 (著)

紙書籍

2,484 ポイント:23pt

発送可能日: 1~3日

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商品説明

日本文化の特質とは何か。時間と空間の2つの軸からこの大きな問いに挑む。文学・絵画・建築など豊富な作品例を縦横に比較・参照しつつ、日本文化を貫く時間と空間に対する独特な感覚...続きを読む

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商品説明

日本文化の特質とは何か。時間と空間の2つの軸からこの大きな問いに挑む。文学・絵画・建築など豊富な作品例を縦横に比較・参照しつつ、日本文化を貫く時間と空間に対する独特な感覚に迫る。【「TRC MARC」の商品解説】

著者紹介

加藤 周一

略歴
〈加藤周一〉1919年東京生まれ。東京大学医学部卒業。文芸評論家・作家。著書に「加藤周一著作集」「羊の歌」「日本文学史序説」など。

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ユーザーレビュー

全体の評価 4.5
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評価3 投稿元:ブクログ

2007/11/07 00:20

Amazon見ると評価高いみたいなんですが、私個人としてはビミョー。「日本人」の意識の特徴を「今=ここ」というキーワードで論じる、ということ自体はそれほど悪くもないと思いますが、それが地理的孤立性によって形成された、という物言いには首をかしげます。海に囲まれた島国である、ということが「孤立性」を意味するようになるためには、海上交通のほうがさまざまな点で不自由だという前提が必要になるわけですが、その前提は歴史的に見て常に成り立っていたわけではないでしょう。……そんなわけで、「今=ここ」中心主義がどのように生き残ったか(生き残ることができなかったものは何か)、あるいは、現代のわれわれにとって「今=ここ」中心主義が「日本人」の意識の特徴のように見えることの意味は何か、といった問いに変換した上で、本書の内容を消化したいと思っているところです。(20071107)

評価4 投稿元:ブクログ

2012/05/07 23:21

日本文化の特質を時間と空間の二軸から「今 = ここ」の強調と捉えて論じています。「今 = ここ」は、部分が全体に先行するものの見方、すなわち眼前の、私が今居る場所への集中することであり、それは大勢順応主義と共同集団主義へと向かう傾向が強くなることを導き出しています。日本人の宗教観・文学・建築・絵画など様々な分野を例証として説明している箇所は納得できるところが多いです。最終章で「今 = ここ」からの脱出について書いていますが、文字通り「今 = ここ」という時空間からの脱出について述べるのに留まっていたのが残念でした。日本文化の特質としての「今 = ここ」から、心理的に脱却するためにはどういうことが考えられるかについても筆者の考えを論じてほしかったです。

評価0 投稿元:ブクログ

2011/03/10 16:35

図書館1階の学士力支援図書コーナーでは、大学の建学の精神に基づいた図書を3つのテーマに分けて配架しています。
・アイデンティティを求めて
・いかに生きるか
・視野を広げる、世界を知る力

この本は→「アイデンティティを求めて」

配架場所はこちら→http://libopac.josai.ac.jp/opac/opac_details.cgi?lang=0&amode=11&place=&bibid=2000036684&key=B129974253820502&start=1&srmode=0

評価4 投稿元:ブクログ

2014/09/29 23:04

「今=ここ」という考えは境地のものという印象だが、この本では真逆の視点が得られる。つまり、日本の典型的な考え方であり、必然的に至る考えであるという道筋。

部分と全体という視点も面白い。建て増し・部分の自己完結性が日本の特徴。

評価5 投稿元:ブクログ

2011/12/16 17:23

 日本文化へのアプローチとして、時・空の2相から、言葉、建築、芸術という多様な対象を引き合いに出している。彼の文章は何かを知るために読むものではない。「どのように考えるか」を実践するために読むべきだろう。

評価5 投稿元:ブクログ

2013/05/04 02:41

日本人の時間や空間に対する感覚や捉え方、そう言われてみればそうかもしれない。日本、日本人を考えるなら、絶対読むべきだと思う。研究テーマの内容を固める一助になりました。読みやすくてボリュームもちょうどいい、素晴らしい1冊。

評価0 投稿元:ブクログ

2014/05/05 22:13

この本を読了するのに数カ月かかり、2回目を読みながら感想文を書くのにまた2,3カ月かかった。一文一文の密度が濃く、格調高い。奥が深い。世界が広い。

加藤周一は、これから日本人はどうあらねばならないかを考えるために、これまでの日本文化を分析している、西洋や中国と比較して。時間や空間にあらわれる日本文化の特質が日本人の優秀さや、逆に愚かさを生んでいると考えている。

日本人の文化的な特質を加藤周一は「今」と「ここ」にまとめる。日本人には「今」と「ここ」しかない。だから過去は水に流し、鬼は外福は内なのである。

米中の接近に際して、とっさに日中国交回復を成し遂げた座頭市的な早業外交。大震災後の市民レベルでの素早い対応。今には強い。

一方で、それは日本人の大勢順応主義という特質に結びつく。
攘夷が開国になり、西洋崇拝となる。米英撃滅の次に米国追随、保護貿易による経済成長の次に市場開放と「自由化」・・・「大勢順応主義は、集団の成員の行動様式にあらわれた現在中心主義である。」

俳句の時間は瞬間であり、それを支える制度化された「季語」は日本独特である。

随筆も日本独特の文学だが、面白いのは「全体」ではなく「部分」である。

絵画、特に絵巻物の中の時間は常に「今」となる。

日本語の語順は、文末に動詞を置き、「全体を知る前に細部を読むことを読者に強制する」

都市空間や建築においては「左右相称性と非相称性が重要で」あり、前者は空間の全体にかかわり、後者は部分重視となる。

「中国は徹底した相称性文化の国であり、日本文化は正反対の非相称性に徹底する。西洋はその中間に位置する」

日本空間の特徴、第一に「おく」の概念、第二に水平面の強調、第三に建増しの思想であり、建て増すことによって非相称的な空間が生まれる。

神社や徳川時代の武家屋敷にもこれらの特徴が明瞭に見られる。

桂離宮、そして茶室、妙喜庵待庵。

この本は3部構成で、1部は時間、2部は空間、第3部はその関係を取り扱っている。

さらに1部と2部は、それぞれ3章構成であり、その第1章は古代神話や信仰体系すなわち世界観における時空間を取り上げ、第2章は芸術・文化における時空間の表現を考察の対象とし、第3章は近代から現在における日本人のとってきた行動様式をみている。

第3部は時間と空間の関係、その両者に貫徹している共通法則をまとめ、さらにそれどう超えるかを考察している。

空間とは行っても、自然、地理、社会(ムラ、国、そして外交)、建築など多岐にわたっている。

時間についても、ユダヤ教、古代ギリシャ、古代中国、仏教、古事記、短歌、連歌、俳句などを取り上げている対象は広い。

加藤自身、世界のあらゆる文化を縦横に飛び回り、引用している。時空間を超越しているかのように見える。

本書全体で、時間における部分重視が「今」であり、空間における部分重視が「ここ」であるということをつまびらかにしている。

しかし、なぜそうなのかについては、明確には述べていないように思われる。それは文化とは、人間社会における精神生活の総体であり、過去からの蓄積が層を成した結果としか言えないからなのだろうか。残された第一の課題である。

時空間を物理的に超越するためには脱出すること、それを完成させるために亡命すること。そして、時空間を精神的に超越するのは禅であるとしているが、禅についてはそれ以上詳しく展開していない。第二の課題である。

1部2部の1章における歴史意識は、丸山眞男のいう「古層」に近いという。これは私の勉強すべき課題である。

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