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「今の中東」がわかる本 ベールに包まれた国々の「素顔」 この“世界の火薬庫”では何が起きているのか?(知的生きかた文庫)

「今の中東」がわかる本 ベールに包まれた国々の「素顔」 この“世界の火薬庫”では何が起きているのか? (知的生きかた文庫 BUSINESS)

大野 元裕 (著)

  • 全体の評価 52件のユーザーレビュー
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  • 税込価格:58016pt
  • 発行年月:2007.7
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7人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2008/02/14 03:31

中東・イスラームをよく知らない人に

投稿者:Hotel.(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

「~がわかる」的なタイトルの本はあまり読む気がしない。そういうタイトルの本は概して図を駆使したり、チャート化したりしている。そのこと自体は理解の助けになるので悪いことではないのだが、簡略化しすぎるあまり、重要なことが抜け落ちていたり、表層的な情報だけが羅列されていたりするからだ。本書のタイトルを、また目次を見たときも、本書もそのような本の類なのだろうかと不安に思ったが、著者が大野元裕ということで、思い切って買ってみた。大野は中東調査会の上席研究員で、中東問題がニュースで取り上げられるときにコメンテーターとしてよくテレビに出ているので、ご存知の方も多いだろう(かくいう私もテレビで初めて彼を知ったのであるが)。

最初の不安は、読み始めてすぐに吹き飛んだ。中東、イスラームの歴史、文化、構造、政治、あるいはイスラーム国家の現状と問題点等に関して、簡潔で明確な言葉でわかりやすく書かれている。パレスチナ問題とは何なのか、中東の人々はなぜ反アメリカ的になるのか、政教一致のイスラーム国家とはどのような国家なのか、といった疑問を解消できる。まさに「今の中東がわかる」本である。特に、アメリカに気を遣わなければならない政府と国民との乖離、その不満の捌け口としてアル・カーイダのような組織の思想に一部の人々が正統性を見てしまう現状、それでも多くの人々や宗教的指導者がテロを容認していない、などということは日本にいると中々見えてこないもので(日本の報道では、反アメリカ等のシュプレヒコールを上げているような場面ばかりが取り上げられている気がする)、イスラームの法体系が実は如何に平和的であるかということに言及した箇所には、イスラームをよく知らない読者は驚くのではないだろうか。個人的には、中東国家の抱える内政問題の章が、あまり目にしたことがなかったこともあって面白かった。

日本においては、中東やイスラームに関しての理解が浅かったり、極端に歪んでいたりする。特に9.11以後は「イスラム原理主義」「ジハード」といった言葉が連日マスコミを賑わしたせいもあって、イスラームは怖いもの、あるいは近代合理主義からかけ離れた遅れたもの、といった認識を多くの人が持っているのではないだろうか。そのような認識が持たれるのは、欧米が生み出すオリエンタリズムという言説を、無邪気に日本のメディアが垂れ流しているからではないだろうか。それらを覆すためのきっかけとして、中東やイスラームについてよく知らない多くの人々に本書を手にとって欲しいと思う。

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2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2011/10/31 14:15

「今の中東」をわかろうとしない人へ

投稿者:koo±(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

「です・ます調」レビュー10本ノック。5本目。

「今の中東」がよくわかってないので購読。

三笠書房の「今の○○」がわかる本」シリーズ。現在の中東情勢からイラク戦争とアメリカとの関係。世界三大宗教「イスラーム」の謎や中東諸国の内政問題。そして中東の人々の考え方など「中東の今」をギュギュっと濃縮した一冊です。

著者の大野 元裕さんは現職の民主党参議院議員。前財団法人中東調査会上席研究員で中東研究の第一人者だそうです。

幕の内弁当ですね。詰め込みすぎて各々はちょっと食い足りないかも。でも本著の趣旨には外れていないと思います。とりあえずこの一冊を読めば、ざっくり把握できるのでオススメのメニューです。

別の著者ですが、イラク戦争とアメリカとの関係に関しては、以前読んだ「イラクとパレスチナ アメリカの戦略 (光文社新書)」の方にも、おもしろ詳しく書かれています。政治的な側面に興味がある方は、そちらも併せてどうぞ。

私的には中東情勢に迫る章より、イスラム教についての解説や、中東の人々の考え方・世界観などを綴った章の方が興味深かったです。

印象的だった件をひとつ。
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イスラームでは商売を行う時に、布を袋の中に入れて見せずに触らせるだけして売るような商売はしてはならないと定めている。つまり、相手に対して条件を明確に示して公平な商売を行うように求めているのだ。

日本ではほとんどの場合が定価商売によって誰にとっても価格は同じであろうが、彼らはモノの価値は相対的であると考えている。

価格が価値を構成するのではなく、価値が価格を決定するという、ある意味の本質を常に見ているのである。(P255~256)
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幽霊やお化けが怖い。テストが怖い。異性の下心が怖い。その理由は実態が「よくわかっていない」から。何事もそんなものでしょう。秘密のベールに隠されたイスラム圏に漠然とした不安を抱く私たち。まずはわかろうと歩み寄ることから始めたいと思います。

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