政党が操る選挙報道 (集英社新書)
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- 税込価格:735円(21pt)
- 発行年月:2007.6
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- 本 新書
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商品説明- 「政党が操る選挙報道」
2005年衆院選で初めて試みられたコミュニケーション戦略(コミ戦)。徹底した危機管理と情報操作で自民党は大勝利を収めた。その手口を詳細に暴き、私たちが今、いかに政治報道と向き合うべきかを問う。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介- 「政党が操る選挙報道」
鈴木 哲夫
- 略歴
- 〈鈴木哲夫〉1958年生まれ。早稲田大学法学部卒。放送記者、ディレクター、プロデューサー、ビデオジャーナリスト。日本BS放送勤務。著書に「政変劇の舞台裏」「東京政界地図」など。
ユーザーレビュー- 「政党が操る選挙報道」
6人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
2009/08/11 20:29
コミュニケーション戦略の「成功」と「挫折?」
投稿者:半久(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る
《二〇〇五年の衆院選は、「コミュニケーション戦略(コミ戦)」が試みられた、史上初の選挙となった。キーパーソンは、NTT出身の自民党議員・世耕弘成。民間企業の広報PRを政治の場に応用すべく結成された「チーム世耕」は、徹底した危機管理と情報操作で、ついには自民党を大勝利に導く。二大政党の一角とされる民主党もコミ戦に着手している今、私たちはどのように政治報道に向き合えば良いのか? 本書は四半世紀もの間テレビメディアの世界で生きてきた著者が、政党によるメディア・コントロールの手法を具体的かつ詳細に暴いた、選挙前の必読書である。》
(以上は、リード文から引用)
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あの「郵政選挙」での自民党大勝利の夜、赤いバラをつける幹部たちにほとんど笑顔はなかった。「笑ってください」と注文をつけられた小泉氏が、口元に笑みを見せた程度だった。
テレビのコメンテーターたちは、「責任の重さを痛感しているので、硬い表情なのだろう」と解説。見ていて「さもありなん」と思っていた私。ところが本書によれば、コミ戦が「笑顔を見せないでくれ」指示したことに幹部たちがしたがったのにすぎないという。
コミ戦の概略については、世耕氏の自著である『プロフェッショナル広報戦略』にも書かれているが、あちらは自民党の宣伝書的な要素がある。本書は外部の眼で、民主党もふくめたコミ戦の実情に肉迫している。
政治家はメディアを利用するし、メディアは喜怒哀楽(ときにゴシップ入り)の人間模様として伝えることで視聴率を稼ぐ。もちつもたれつの関係があるのではないかと疑いたくもなる。本書に登場するテレビマンの多くに危機感があまりないようにみえるのは、そのためかとすら思える。
それでよいという考えもあるだろう。どう構成してもバイアスはかかるし、岡田斗司夫氏がいうようにいまは「自由洗脳社会」なのだ。科学者、ジャーナリスト、政治家、ブロガー、活動家、みんなで「洗脳合戦」をしあえばいいし、現にしている。
しかし、「公平性」にこだわる著者の強い思いもわかる。テレビの影響は大きい。リソースが限られているからこそ、言い古されてきたことだが視聴率ばかり気にしてはいけない。
では、どう「公平性」を確保するか。いや、より正確には、どうすれば、できるかぎり公平性を高めてコミ戦に対抗することができるか。ラストのほうで著者はある提言をするのだが、実現はむずかしいと思った。やはり万能の方程式はないのであって、個々人がいっぽうの情報だけを鵜呑みにせずに、醒めた眼で政治を見つめていくことが必要なのだろう。
不思議だったのは、安倍首相時には官邸コミ戦が機能していないと書かれていたことだ。世耕氏が報道担当の補佐官に就任したにもかかわらずである。あれだけの大勝利の立役者なのだから、さらに発言力・影響力が高まりコミ戦を一元的に仕切れてもいいはずなのだ。なんで成功体験を踏襲しないのか。大勝で油断したのだろうか?
本書は2007年参議院選挙前に出版されているが、その時点で読んでいれば「自民党は、参院選は苦しいのではないか?」という予想の材料にすることもできてしまう。
その後の自民党の迷走ぶりを、なぜ立て直せなかったのかということも気になる。
著者にはぜひ、2007年参院選と2009年総選挙をフォローした、コミ戦の「栄光と蹉跌」をルポして続編を書いてほしいと思った。







