司馬史観と太平洋戦争 (PHP新書)
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- 税込価格:735円(21pt)
- 発行年月:2007.7
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商品説明- 「司馬史観と太平洋戦争」
日清・日露戦争だけを美化し、戦前・戦中の昭和を断罪した司馬遼太郎の歴史観が、戦後の日本人に与えた影響は計り知れない。なぜ昭和だけが悪なのか。我々は昭和の歴史をどう振り返るべきか。先の戦争をあらためて問う。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介- 「司馬史観と太平洋戦争」
潮 匡人
- 略歴
- 〈潮匡人〉1960年青森県生まれ。早稲田大学大学院法学研究科博士前期課程修了。帝京大学短期大学准教授、評論家。著書に「憲法九条は諸悪の根源」「テロの脅威が日本を襲う」など。
関連キーワード- 「司馬史観と太平洋戦争」
ユーザーレビュー- 「司馬史観と太平洋戦争」
6人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
2009/08/15 09:47
右のヒトも左のヒトも,上着と一緒にハンガーを着ちゃってることでは変らないように見えるんですけど
投稿者:SnakeHole(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る
オレが司馬遼太郎にハマったのはかれこれ30年ほど前のことだ。大河ドラマの原作になった「国取り物語」を皮切りに,当時図書館などで手に取ることができたほとんどを読んだはずである。そんだけ読むとガキはガキなりに司馬さんの考え方のパタンとかカタヨリとかが見えてくるもんで,高校を出る頃には「司馬史観」というものに対してちょっと「?」な感じを持ってた。いやヒトコトで言うとね,司馬さんって関西人だからか,所謂「明治の元勲」にはとっても点が甘くて逆に彼らの敵となった江戸幕府側に冷たいんだよね。いや,北関東のからっ風少年にはそういう風に読めたわけ。
そんなわけでこの本のタイトルを目にしたとき,オレが長年持ってた司馬史観への疑問というか不満をきちんと分析して糾弾……とまではいかぬまでも論評してる本かと思ったんだが……コトその部分に関しては元自衛官で帝京大学短期大学准教授である著者(まぁ歳はオレと変らんが)も五十歩百歩で,つまり「司馬氏は戦争に勝った明治の政治家は評価するが負けた昭和の政治家については口を極めて罵ってる,これは不当だ」という印象(いや,オレもその印象については同感だが,司馬の文章をちょこっと引用して「こうだ」と書くだけでは「印象」でしかねぇだろ)を元に,「元に」つうほどでもないか,話のきっかけにして戦後日本にはびこる「反戦平和教」を糾弾する……というもんなのだった。
いやタイトルに対して持った期待は裏切られたけど,中身はそれなりに面白くてね,先の戦争の正式名称はやっぱり「大東亜戦争」なんだとか,あの戦争を語るときよく言われる「陸軍が暴走したが海軍は開戦に反対だった」つうのはウソだとか,真珠湾奇襲がルーズベルトの謀略だったわけはないぢゃないかとか,「スパイ・ゾルゲ」(篠田正浩監督)は駄作だとか(これは同感である),靖国神社がA級戦犯を分祀できないリクツとか,いろいろ興味深い論考が……。
ただ,著者が最も力説したいらしい「リベラル派はバカで卑怯ですっとこどっこいぢゃないか」という部分についてはなんだか筆がすべりまくりで「ああつまりそんだけリベラルとかの人がキライなのね」としか読めない。だってさ,こっちで「『右』=『垂直次元』の思考,『左』=『水平次元』の思考」ってきっちり二分してるくせに,あっちぢゃ「人間が行う戦争をすべて『侵略戦争』と『正しい戦争』の二分法で語るのは乱暴」だって,変ぢゃん?
無宗教を公言するヨミウリのナベツネが自分の葬式に使ってもらう音楽を準備してることを差して「無宗教なら死後のことなんてどうでもいいんとちゃうのか」と噛みつくあたりも変。無宗教であることと自分の死後もこの世界が続くという認識は両立するでしょうが? ……ていうかさぁ,右の人である著者も著者が罵る左の人も,上着と一緒にハンガーを着ちゃってることでは変らないように見えるんですけど。







