- 出版社:文藝春秋
- サイズ:20cm/447p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-16-324690-1
インシテミル
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- 税込価格:1,680円(48pt)
- 発行年月:2007.8
- 発送可能日:24時間
- 本
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商品説明- 「インシテミル」
期待の新鋭が描く究極の殺人ゲーム。【「BOOK」データベースの商品解説】
車がほしかった結城理久彦。「滞って」いた須和名祥子。オカネが欲しいふたりは、高給の怪しげな実験モニターに応募した。こうして12人が集まり、館の地階に7日間、閉じ込められることに。究極の殺人ゲームが始まる…。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介- 「インシテミル」
米澤 穂信
- 略歴
- 〈米澤穂信〉1978年岐阜県生まれ。2001年「氷菓」で角川学園小説大賞ヤングミステリー&ホラー部門奨励賞を受賞し作家デビュー。ほかの著書に「犬はどこだ」「ボトルネック」など。
ユーザーレビュー- 「インシテミル」
8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
2007/09/23 15:49
誰から殺そうか
投稿者:かつき(女性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る
館系の本格ミステリー。
時給11万2千円につられて、大学生の結城理久彦は
7日間拘束される人文科学的実験のモニターに応募します。
その怪しいアルバイトに集まったのは12人。
彼らは地下に造られた円形の建物に閉じ込められます。
そのなかで起きたことの法的な責任は
地上に戻ってきてから一切負わなくていい、という条件付き。
その実験用建物「暗鬼館」には個室のほかに
さまざまな施設がありました。
そのなかには「監獄」とつけられたものも。
おどろおどろしい状況の中で物語が進み
案の定、さまざまな条件によって報酬がアップされていきます。
しかしいちばん平和で気楽なのは
誰も何もせず、無事7日間を過ごせばいいということ。
ところが、わずかな人数の中でも
イニシアチブをとらずにはいられない。
どんな状況でもリーダーとなる人格者がいる。
しかも、すばしこくリーダーをみつけ追従する輩もいる。
そんな人間の愚かしさを軽いタッチで描き
けれどミステリーはしっかりと読ませます。
ミステリー好きにも満足するひっかけがあり
でもチクッと釘を刺す。
最後までどんでん返しをやめない。
おもしろかった!
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
2009/10/02 22:51
お金のための殺し合いではありません。
投稿者:kumataro(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る
インシテミル 米澤穂信(よねざわほのぶ) 文藝春秋
12人のメンバーによる賞金獲得をかけたお互いの殺し合いです。10年ぐらい前にあった映画バトル・ロワイヤルを最初に想像しました。「インシテミル」の意味は作中で説明されませんが、暗鬼館(あんきかん)という舞台になる地下構造物にinしてみる(入ってみる)と解釈しました。
主人公が、結城理久彦さん20歳大学生、彼の相方が須和名祥子さん(わたしは読んでいる途中で彼女はこの企画を実行している組織のスパイだと思いました。)、大迫雄大さん大学3年生、若菜恋花さん(女性)、渕川佐和子さん、安東吉也さん、釜瀬丈さん、岩井さん、箱島雪人さん、真木峰夫さん、関水美夜さん(女性)、西野岳さん、以上12名になります。登場人物が多いので、わたしは、紙に名前と特徴を書いて、それをときどき見ながら読み続けました。また、暗鬼館の見取り図も紙に書いてみました。
インターネットで申込をしてモニターとして働くと高額の報酬が手に入る。時給が11万2000円です。なぜ2000円という端数があるのか疑問をもちました。参加者は、何も知らずに金目当てで集まった12人です。期間は7日間。殺人行為をするとボーナスポイントが付き、さらに高額の報酬が加えられる。反道徳的ですね。
前半は重苦しくて、暗鬼館の様子は、以前、仕事の研修で、研修所で数日間缶詰にされたことを思い出し胸が苦しくなりました。一日三食と寝る場所の提供があっても、行動の自由を拘束されることは、肉体的にも精神的にも苦痛です。拷問に近いものがあります。この物語の場合企画の目的がはっきりしません。人間の行動観察という名目になっていますが、真意ははっきりしません。お互いが見ず知らずの人間で利害関係がなければ、殺害する理由がありません。ただじっとして7日間を過ごすだけでも時給11万2000円は保証されるのです。お金よりも命が大切であることは、参加者のだれもが知っていることだという前提でわたしは読み始めました。それでも、殺人は起こりました。
食事がすべて和食なのはなぜか。読み続けながらわたしは疑問をメモしていきます。それは、ひとつの伏線になって後半で理由が明らかにされていきます。登場人物が12人もいるので、だれがだれなのかわからなくなりそうなのをメモ紙を見直しながらなんとか話をつないでいきます。
推理では、文節のひとつひとつを注視しました。そうすれば、犯人がわかると思ったからです。これから読まれる人のために、感想はここまでにしておきます。
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
2009/02/26 00:12
ゲーム感覚で楽しめたクローズド・サークル・ミステリ
投稿者:東の風(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る
複数の登場人物が、外部からの出入り不可能な場所に隔離され、その中で殺人事件が起きる。ひとり、またひとりと殺されてゆく。いわゆる「クローズド・サークル」もののミステリとして、これは面白かった。
面白かったその一として、話がかなり予想外の方向へと展開していったこと。スリリングなRPG(ロール・プレイング・ゲーム)にも似て、話が分岐点にさしかかった時、ひょいひょいと、全くノーマークだった方向に進んでいくんですね。著者が繰り出す次の一手が、途中から全然読めなかった。で、その予測不能なところがいけてるなと。
面白かったその二は、連続殺人ゲームのルール設定、場の設定など、その趣向が気が利いていたところ。舞台となる【暗鬼館(あんきかん)】に配置された部屋の役割。登場人物に与えられた各人各様の武器と、そこに付されたメモ書き。殺人ゲームの主催者が用意したいくつかの【ルールブック】。こうした大道具、小道具が、今しも話の盤上で、『そして誰もいなくなった』的連続殺人劇を展開させてゆく。わくわくさせられましたね。
面白かったその三は、語り手の結城理久彦(ゆうき りくひこ)はじめ、登場人物のキャラがいい意味でカリカチュアライズされていて、イメージが描きやすかったこと。殊に、お嬢様な諏訪名祥子(すわな しょうこ)のキャラが、キラキラと光っていたなあ。「こんなヤツ、絶対いないだろ」と思いつつ、こうした「クローズド・サークル」ものミステリではいて欲しいアイドル・キャラ。ミスリードの危険さえはらむ彼女の魅力に、一票を投じたい。
ディクスン・カーやエラリー・クイーンなど、海外の本格ミステリ好きのすれっからしのファンに、「気晴らしに、こんなミステリはどうですか」とおすすめしたくなった一冊。ミステリ大好きな私、初めてこの作家の作品を読んだのですが、面白かったです。







