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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2007.9
- 出版社: 講談社
- サイズ:20cm/388p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-06-213934-2
紙の本
私の後藤田正晴
著者 中曽根 康弘 (ほか著),『私の後藤田正晴』編纂委員会 (編)
政治家、官僚、ジャーナリスト、学者、スポーツ関係者、タレント、地元徳島の人々が語る「後藤田正晴」の姿とは。混迷する日本を救う「後藤田正晴の生き方」のすべてを、氏と深く関わ...
私の後藤田正晴
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商品説明
政治家、官僚、ジャーナリスト、学者、スポーツ関係者、タレント、地元徳島の人々が語る「後藤田正晴」の姿とは。混迷する日本を救う「後藤田正晴の生き方」のすべてを、氏と深く関わった57人が明かす。【「TRC MARC」の商品解説】
収録作品一覧
日本を愛する硬骨漢 | 中曽根康弘 著 | 20−25 |
---|---|---|
こんな政治を続けていてどうするんだ | 野中広務 著 | 26−31 |
「修身斉家治国平天下」を地で生きた | 河野保夫 著 | 32−42 |
著者紹介
中曽根 康弘
- 略歴
- 〈中曽根康弘〉元内閣総理大臣。
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紙の本
惜しまれる死
2008/01/24 03:50
6人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:良泉 - この投稿者のレビュー一覧を見る
今の日本の政治には「明確な対立軸」が必要である。
もともと思想信条の異なった派閥が、わずかに数の論理という牽引力でつながりあっただけの自民党。、大きな物に飲み込まれることに違和感を感じない人たちが、ただ単に表面的な二大政党をつくるためだけにやみくもに党派を超えて結びついた民主党。
この“偽”二大政党制のもとでは、有権者は何を基準にして票を投じれば良いというのか。このような“茶番”選挙はそろそろ止めにしないと、われわれに将来はない。
特に小泉政権以降、急速に進められた弱者切捨て政策の数々。格差を生み、強いもの勝ちの機運を生んだ。自民党の中にでさえ、そんなやり方にとっくに嫌気が差した人たちがいるはずだ。
特に安倍政権以降、目立って聞かされるようになった復古的な国家主義的政策の数々。戦後こつこつと築き上げられてきた民主主義が崩壊していく。自民党の中にでさえ、内心忸怩たる思いで見ている人たちがいるはずだ。
大きな政界再編が必要である。それは、昨年起こった大連立騒動のような数合わせのごまかしではなく、明確な対立軸の元での同志の結集である。
小泉・安倍的なものを排除するためには、リベラル派の結集がなされなければならない。
もしこの人が生きていて自民党の中でも元気に発言を続けていたなら、もしかしたらそんな政界大再編も夢ではなかったのかもしれない。
「理想に過ぎ、世界の厳しい現状に目をつむる主張といわれるかもしれない。しかし、理想を忘れ、それへの努力なくして何が残るだろう。破滅のみ。最近の内外の動向と民心の動きを見て、このことを強く思う」
西日本新聞1/3付け社説で紹介された一文である。「21世紀に日本が進むべき道として、国益中心の道よりも「武力の不行使、平和と国民生活の安定、国際貢献、国際共助、国際連帯」を挙げて」述べた言葉とある。
革新政治家の発言かと見まがうようなこの言の主は、後藤田正晴氏である。氏の著書「後藤田正晴の目」(朝日新聞社)に記される。
旧内務省官僚から戦後は警察官僚へ。元警察庁長官。田中角栄に押され政界へ。中曽根内閣で官房長官・総務庁長官などを歴任。その後も自民党政権下で副総理や法務大臣など重要閣僚を経験。あだ名は、「カミソリ後藤田」または「日本のアンドロポフ」。
経歴から見ると“バリバリの”保守政治家であるが、日本の将来を考える上では十分リベラルな視点を持っていた。
この人の現役時代の発言の数々は、今でも十分な新鮮さを持っている。いやそれどころか、今の時代になって一段と新鮮な響きを感じさせられる。われわれの心にズシリとのしかかる。
中曽根康弘元総理大臣の靖国神社公式参拝中止時の官房長官としての談話。
「昨年実施した公式参拝は、過去における我が国の行為により多大の苦痛と損害を蒙った近隣諸国の国民の間に、そのような我が国の行為に責任を有するA級戦犯に対して礼拝したのではないかとの批判を生み、ひいては、我が国が様々な機会に表明してきた過般の戦争への反省とその上に立った平和友好への決意に対する誤解と不信さえ生まれるおそれがある」
第一次湾岸戦争の際、海部内閣が法律ではなく政令で自衛隊機を海外に派遣できるようにしたことに対して。
「野党が『うん』と言わず、日本はできないとなったら、議会制民主主義のもとで、国民が反対しているものをやれますか、と外に向かって言えばいい」
「やれないときはそれでいい。権道を歩くのではなく正道を歩むべきである」
今の自民党をいくら見回しても、この人の後を継げるような“良識派”は全く見当たらない。