〈性〉と日本語 ことばがつくる女と男 (NHKブックス)
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- 税込価格:1,019円(29pt)
- 発行年月:2007.10
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商品説明- 「〈性〉と日本語 ことばがつくる女と男」
「女・男ことば」が性についての規範と結びついてきたことを歴史的に示し、若者たちなどの「ずれた言語行為」に創造的な試みを見いだす。開かれた日本語の伝統づくりへの道筋を示す、野心的日本語論。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介- 「〈性〉と日本語 ことばがつくる女と男」
中村 桃子
- 略歴
- 〈中村桃子〉1955年東京都生まれ。上智大学大学院外国語学研究科言語学専攻博士課程前期修了。関東学院大学教授。専攻は言語学。著書に「ことばとフェミニズム」「ことばとジェンダー」など。
ユーザーレビュー- 「〈性〉と日本語 ことばがつくる女と男」
6人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
2008/12/22 17:53
身近な日本語を、ていねいに考える
投稿者:けんいち(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る
『「女ことば」はつくられる』の著者中村桃子さんによる本書は、ご自身が「あとがき」でその新しさを4点もあげているように、実に軽やかな発想から生み出された、斬新な切り口がなんといっても魅力的である。ここに列挙してみるならば、「日本語をセクシュアリティの側面から見た」・「日本語を消費社会の側面から見た」・「日本語には、特定の集団に特権を与えているイデオロギーの側面がある」・「『イデオロギーとしての日本語』という考え方から、『正しい日本語』に縛られた息苦しい状況を打開する方策を導き出した」、以上4点が、本書の問題意識を端的に物語りながら、清新な成果を指し示してもいる。
もちろん、最大の主題は、タイトルにも掲げられたように、性差をめぐる観点を、日本語の分析に持ち込み、新聞・翻訳書・雑誌記事・ハーレクイン・漫画など、実に多彩で日常的なシーンにおいて検証を展開した点に、まずは求められる。よい意味での大学教員らしく、分析を展開していく素材・目線が、とても門外漢にもわかりやすく、興味を引きつつ思考の機会を提供してくれるという、心地好い刺激をもたらすものとなっている。
さらに、そうした身近な日本語を素材とした検証を積み重ねながら、その根底にある理論的な問題意識をも、ごく自然な形で織り込んでくる筆致もまた、見事なものである。しかもそれは、外部から持ち込まれた新たな何かではなく、本書での議論から自ずとわき出してくる、何気なく見過ごしてしまいがちな日々の営みに実は潜んでいた、大きな問題なのである。
だから、本書は、まずは日本語論であるけれど、同時にジェンダー論ともなっていて、もっといえば(メタ)日本文化論となっている。本書が導いてくれる、実に見晴らしのよい(しかし、それゆえに多くの問題が見える)地平から、我々は、日本語を、ジェンダーを、日本文化を新しい角度から考え直していくことが出来るはずだ。そしてもちろん、その3つの作業は、本来、別立てすべきものではなく、「日本近代」のインフラとして深いところで繋がっているはずのものでもある。



