人生を〈半分〉降りる 哲学的生き方のすすめ (ちくま文庫)
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- 税込価格:735円(21pt)
- 発行年月:2008.1
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ユーザーレビュー- 「人生を〈半分〉降りる 哲学的生き方のすすめ」
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
2008/09/28 10:01
世の中の多数派に違和感を持つ人のための幸福論
投稿者:cuba-l(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る
中島氏一流の毒をまきちらしつつ、会社や世の中の多数派にあわせて生きることに違和感を感じる人に向けて書かれた、社会に着かず離れず半隠棲してしっかり自分の居場所を確保して生きる人生の指南書である。
たとえば会社や産業社会とは、個々の感受性はどうあれみんな同じ方向を向いていっせいに走ることで効率化を図り利潤をあげようとするものだから、
社会的な動機とすべての人の個人的動機が一致するわけではない。というよりも一致する人はまれである。ところが会社も会社以外の組織だって大きくなれば多数派を構成して組織運営をしようとするのはみな同じである。
それでも多くの人は自分の心にふたをして多数派の構成員をしているのだが、著者はこの多数派の論理と価値観に盲従するのをやめ、人生を半分降りる生き方を提言している。
人生を半分降りるとは、簡単に言えば会社や社会のために使われたりそのために働く時間を極力排除して、個人的な時間を確保し自由に生きようというようなことであるが、それ自体は特に目新しい論旨ではない。方丈記だの徒然草だのもそうだといえば言えないこともない。
ただこれまでも数々書かれている半隠遁の薦めと違っているのは、会社や組織での出世や世間的な栄達をあきらめる代わり、自分自身のための自由な時間を確保する生き方を、これまでの本が「足るを知る」と前向きに幸福ととららえているのに対して、中島氏はこれを「社会的には不幸になることであり、不幸を自覚して生きねばならない」と言っていることである。
しかしながら不幸を自覚しなければならないのは、世間の価値基準から外れた生き方だからだとしたら、これは社会的価値基準に背を向けながらまたその基準で自分の幸せ度を計っているようなもので、なんともあきらめの悪いことこの上ない。
そのあきらめの悪さこそが「半分人生を降りる」生き方ではあるのだが、人生を半分降りた著者が表向き不幸だという顔をして、その実自分だけの幸福の蜜を集めていることは言うまでもない。







