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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2008.1
- 出版社: みすず書房
- サイズ:20cm/597,12p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-622-07348-2
- 国内送料無料
紙の本
イラク戦争のアメリカ
ますます混迷を深めるイラク戦争。あの戦争は一体何だったのか? 力をもってしても現実を変えたいイラクと米国の知識層が引き起こした深遠な問題を抉り出す、イラク戦争を理解するた...
イラク戦争のアメリカ
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商品説明
ますます混迷を深めるイラク戦争。あの戦争は一体何だったのか? 力をもってしても現実を変えたいイラクと米国の知識層が引き起こした深遠な問題を抉り出す、イラク戦争を理解するための必読書。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
ジョージ・パッカー
- 略歴
- 〈ジョージ・パッカー〉1960年生まれ。アメリカのジャーナリスト・小説家。『ニューヨーカー』のスタッフライター。イラクからの報道でアメリカ海外記者クラブ賞受賞。
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紙の本
リベラル左翼から転向したネオコン知識層が引き起こした、夢想的な戦争。
2008/12/26 23:15
7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:dimple - この投稿者のレビュー一覧を見る
書は、章ごとにイラク戦争に関係する一人の人間に焦点をあててイラク戦争の断片を描いている。例えばそれは、イラク亡命知識人であるカナン・マキアであったり、戦争全体を主導したネオコン一派のポール・ウォルフォウィッツである。
焦点をあてているのは、もちろん著名人だけではない。連合軍暫定施政当局(CPA)職員の若き歴史学者、CPAで秘書業務に携わるイラク人女性、バクダッドの死体保管所で検死をしているイラク人医師、戦死した23歳の陸軍兵士の父親であるアメリカ人男性など様々である。
本書は、各章で個人を描写する一方で、全体を通してアメリカがイラク戦争で直面する問題を浮かび上がらせることに成功している。
それはすなわち、この戦争は決してアメリカ国民の生存の危機から生まれたものではなく、イラク人亡命知識人と、レオ・シュトラウス学派から派生した-リベラル左翼から転向した-アメリカのネオコン知識層が主導した、様々な政治的思惑が交錯する戦争だったということである。
当然そこには占領政策の不在にとどまらず、戦争全体の戦略も不透明なままである。はじめから大量破壊兵器は存在していなかった、国務省と国防総省が反目している、国防長官が自己の信奉する軍事理論に固執した等、問題点を挙げればきりがないことがわかる。
そして、世俗的中流市民層と宗教的下層階級が混在し、また、オスマントルコ以来、スンニ派少数エリートが多数派のシーア派層を統治してきたという中東地域の複雑な政治社会状況が、戦争により一気に破壊されたことから生じる困難が本書によく描かれている。