紙の本
さすがの密度
2019/06/30 00:32
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投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る
作者ならではの綿密に組み上げられた良作。
ただ、タイトルはもう少し考えて欲しかった。タイトルで最後の意外性が失せた気がする。
紙の本
写楽は一体・・・
2017/02/23 20:50
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投稿者:キック - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は蓮杖那智フィールドファイル第3弾。
4編の短・中編小説からなり、憑代、鳥居、童歌・奇祭、フェルメール等を題材に展開。民俗学的アプローチにより事件の深層に迫ります。特に第3話では、事件の背景に復員兵の事情が絡むという横溝正史ミステリーを彷彿とさせる作品でした。また第4話は唯一の中編で、フェルメールの絵を巡る完全犯罪に迫ります。ただ題名からして、写楽の正体に迫るものと思って読みましたが、確かに「四国」がキーワードで、婉曲的に写楽の正体に迫っていると言えるかもしれませんが、もの凄い変化球でした。
この種のミステリーは、架空話をいかに伝承・神話・習俗等と融合できるか著者の力量が試されますが、蓮杖シリーズでは巧みに成功していると思います。期待通りの面白さでした。
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教務課の狐目こと、高杉さんが民俗学に本格復帰?別シリーズの冬狐堂も登場したり、ますますミクニの周りはすごい人ばっかりになっていくなあ。個人的にはもう少しミクニにも活躍の場を与えてほしいけど、これがワトスン役の悲しい宿命か。
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作を重ねるごとに面白くなっていく作者、北森鴻の代表短編の続刊
とにかく、探偵役の蓮丈那智がすごすぎる
サブキャラがどんどん成長していくので、この作者のシリーズは続刊なのにどんどん面白くなっていく
しかも今回のメインの話は、民俗学のややこしいところではなく一般的教養でわかる範囲にオチを収束させているところも素晴らしい
個人的な印象は京極夏彦+ギャラリーフェイク
推理ものが好きで民俗学or古美術に興味があれば必読
あと女性キャラが全員かっこいいw
主人公の情けないワトスンぶりも良い
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久々の蓮丈那智シリーズ。過去のシリーズとの関連や、なんと冬狐堂宇佐美陶子までが出てくる北森フェッチにはたまらない作品。相変わらずの民俗学との強引な関連付けは爽快である。このシリーズも続いて欲しい。
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正直、興味はあるけどそうそう知識のない民俗学の世界。
この作品を手に取ってしまうのは
作品を流れるスピード感と蓮丈那智のキャラクターに惹かれるから。
だからまた続き読みたい。
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蓮杖那智フィールドファイルシリーズ三冊目。
教務部の狐目の正体(というと言葉が悪いか…)の片鱗が今回も見えてきます。
四編の中では、表題の写楽・考が一番面白かったかな。
絵を描く身として、発想が面白かった。
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短編集。
民俗学者蓮丈那智の第三弾。
今回は助手の内藤三國と佐江由美子が主にフィールドワークをし、山場で那智が登場。
痛快な推理力。洞察力。
狐目の教務担当が高杉康文という名前であることもわかる。
宇佐美陶子も登場。
やっぱり面白い。
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1,2がとても面白かったと感じたのではないけれど、つい手に取ってしまった三冊目。読んだあとはやっぱり「うーん」。明確な推理を楽しむ余裕がないからだろうか。民俗学の基礎知識の問題なのか、それとも語学力の問題なのか、はたまたその両方なのか、また別の問題なのか、楽しみきることができない。でもきっと次も手に取るのだろう。
2008/12/16
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民俗学者の蓮丈那智は、美貌で才能はある女性だがマイペースで、東敬大学で下につく助手達は振り回されて大変という。
助手の内藤三國の視点から描く。
ゼミの学生達に広まった伝説。
旧家のお守り様人形がつぶされていたわけは。
鳥居のある湖の底には神社がある…?
角の生えた善女竜王の神像を3年ごとに取り出して塚で燃やす風習。そこで老人が殺されたわけは?
仮想民俗学序説という謎の論文が掲載されたが、筆者が行方不明に。
フィールドワークへ出かけた那智を追って助手達は筆者・式の家へ…
明治初期の西洋建築というのが面白い。カメラ・オブスキュラや名画など。
写楽という題に惹かれて読み始めた割には〜ほんの少ししか出てこないのはやや不満。
でも印象的な出方でした。
2005年8月発行。
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民俗学と現実の事件がリンクしているシリーズの三作目。
民俗学的なテーマは、恐らく架空のものだろうとは思うけど、調査・検証・考察の流れは、「このテーマって本当にあるんじゃないか」と思わせるくらい真に迫っている。
また、ミステリとしての面もかなり凝ったプロットが立てられていると思う。
民俗学的なアプローチをしていくと、事件の動機や関係者の内面につながっていくという感じで、テーマの両方が意味のある融合をしている点も驚かされる。
(某シリーズはちょっと乖離感があるからなぁ)
特にこの本最後の収録作、「写楽・考」は、終盤も終盤まで全く写楽なんて名前が出てこない中、異端の民俗学の学説→作者名の人物の失踪→その家にまつわる謎→……というように、めまぐるしく物語が進んでいくので、タイトルを忘れてこの事件に没頭してしまう。
また、犯人の底知れぬ悪意が、読んでて背筋が寒くなる思いだった。
そしてついに「写楽・考」の意味。
ここに落ち着くか……と、感心させられる。
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連丈那智フィールドワークシリーズ3作
★あらすじ★式直男という謎の人物が書いた論文をめぐり、資産家の失踪・出入りしていた古物商の死に那智へ疑いの目が…正体が明らかになってきた狐目氏・宇佐見陶子も登場。表題作ほか3編を収録。
★感想★現実と民俗学がリンクしていくのはあいかわらず面白いが、キャラ立ちしてる分、登場人物まかせの解決が多くミステリ作品としては物足りない部分も感じました。ミクニは相変わらずヘタレ。
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蓮杖那智シリーズ3作目。Ⅰ、Ⅱは既読済み。民俗学に素人の私でも、3作目になるとさすがに慣れてきた。と言いつつ、今作で終わらざるを得なくなったのが哀しい、、、。狐目の高杉が本格的に関わってきたり、佐江嬢がレギュラー化してきたりと、これからもシリーズが継続する感満載だったのにな。
内容の方は、表題作が一番面白かった。どこに写楽が?と思いながら読んでいたら、意外なところで登場。民俗学ミステリー、面白いです。
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美貌の民俗学学者、蓮丈那智シリーズ。
*憑代忌(よりしろき)
*湖底祀(みなそこのまつり)
*棄神祭(きじんさい)
*写楽・考(しゃらくこう)
うーん、やっぱ、2時間ドラマにしたのはだめでしたね。
どーしても木村多江の顔がかぶってくる。見るんじゃなかったよぉ。いやいや、蓮丈那智のイメージは、麻美れい様と思っても…。
百聞は一見にしかず、と昔の人は本質をついたことを言ってるもんだ。
と、蓮丈那智の研究室に新しい助手がはいってるんですが…。
なんだかねぇ。
このシリーズって、蓮丈那智の明晰さを愛で、ミクニのヘタレを堪能するものだと思ってるんですけど。新しい助手のおかげで、両方にワンクッション置かれた感じになってます。
うーーーん。
キャロル・オコンネルの「マロリーシリーズ」に対抗できるのは、蓮丈那智&ミクニしかいないと、結構握りこぶし状態でわくわくして読んでたんですけどねぇ。
ここらが、一応乙女である私と(<殴)と男性である北森鴻の差なのか。
つまり、萌えポイントが違う、と。
ストーリーは、なんだかんだと難解です。
だもんで、ミステリーとしては、冬狐堂の方が楽しめるかな。
ああ、シリーズのミックスも、あんまりしない方がいいんじゃないかと思うんだけど。
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蓮杖那智フィールドファイルシリーズの3冊目。
前作「凶笑面」「触身仏」を読んでからの方がもちろん楽しめるが、まあこれからでも読めなくはないのかな?美貌で異端の民俗学者、那智とその助手のミクニが民俗学調査に絡み、様々な事件を解決する話。個人的にはようやく二人のキャラが落ち着いて馴染み、深みが出てきた気がする。どうしても2冊目までは謎や民俗学の方が楽しすぎて、失礼ながらそんなに二人のキャラが重要だとは思わなかったのも事実。でも今回はキャラとしてもとても楽しめた。キャラと言えば、狐目の担当者としてしか出てこなかったあの人の名前がついに判明するのだが、わかりやすすぎだろそれ!