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天下之記者 「奇人」山田一郎とその時代

  • 出版社:文藝春秋
  • サイズ:18cm/378p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:978-4-16-660621-4

天下之記者 「奇人」山田一郎とその時代 (文春新書)

高島 俊男 (著)

  • 全体の評価 41件のユーザーレビュー
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  • 税込価格:1,05030pt
  • 発行年月:2008.2
  • 発送可能日:1~3日
  • 新書

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商品説明- 「天下之記者 「奇人」山田一郎とその時代」

「政治の早稲田」をつくったのに、自ら衆院選に立候補すれば結果は96票。東大卒で一番出世しなかった男、その名は平々凡々の「山田一郎」。奇人伝説につつまれた、そのおかしくもヒネクレた一代記。【「TRC MARC」の商品解説】

著者紹介- 「天下之記者 「奇人」山田一郎とその時代」

高島 俊男

略歴
〈高島俊男〉1937年生まれ。兵庫県出身。東京大学大学院修了。中国語・中国文学専攻。大学教員を経てフリー。「水滸伝と日本人」で大衆文学研究賞、「漱石の夏やすみ」で読売文学賞を受賞。

関連キーワード- 「天下之記者 「奇人」山田一郎とその時代」

ユーザーレビュー- 「天下之記者 「奇人」山田一郎とその時代」

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2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2009/08/15 09:50

果たして赤塚不二夫が一時使った「山田一郎」というペンネームはこの人に由来するのであろうか

投稿者:SnakeHole(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

突然だが,皆さんは「山田一郎」という名前を聞いてすぐに誰を思い浮かべるだろうか。

オレが即座に思い出すのは赤塚不二夫が一時期使っていたペンネームである。あれはいつごろだったかなぁ,73,4年くらいか? 全巻持っている「天才バカボン」を繙けば分かるのだが,そんなことをしたらきっと読み始めてしまって仕事に支障が出る。

どういう事情だったのか,そもそもその事情を読者に説明したのかどうかも覚えていないが突然「ペンネームを山田一郎に変える!」と宣言し,3ヶ月くらいそのペンネームで「天才バカボン」とか「レッツラ*ゴン」とかを描いていたはずである。ああ,懐かしいなぁ。おれは「レッツラ*ゴン」で初めて日清のカップヌードルなるものの存在を知ったのだった。

この本の主人公である山田一郎はもちろん天才漫画家赤塚不二夫の世を忍ぶ仮の姿ではなく,明治初期の無所属記者,今の言葉で言えばフリージャーナリストである。このフリージャーナリストがなぜ「天下之記者」にして「奇人」だったのかというと,明治15年,まだ日本に「大学」と呼ばれる学校がここしかなかったころの東京大学を卒業し,同級生はみんな議員さまだの教授さまだのお役人さまだのになっているのに一人だけ住所不定で大酒飲みでいつもボロを着ていた,からなんですな。

いやもちろんこの人とて,なにもそういう境遇を目指して広島から東京へ出てきたわけではない。途中までは順風満帆であったのだ。東大在学中から大隈重信を首魁とする改進党に参加,卒業の年に一派が都下早稲田に大隈が持っていた土地に開いた東京専門学校(もちろん現在の早稲田大学である)の開校広告には校長・大隈英麿(重信の女婿),議員・鳩山和夫(後の衆院議長,あのアルカイダの友達の友達である現法務大臣のひい爺さん)などと一緒に講師として名を連ねた。

一つ間違えば,いや間違えなければ,か,世に言う早稲田三尊(高田早苗,天野為之,坪内逍遙)の一角を為したかも知れないこの人が,いかなる顛末で陋巷を彷徨い,一介の酔いどれ記者としてその生涯を閉じなければならなかったかったか。それについてはこの新書としては破格と言える380ページをあなたにもお読みいただくとして,果たして赤塚不二夫の「山田一郎」というペンネームはこの人に由来するのであろうか,というのが目下の解けない疑問である。

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