お父ちゃんと私 父・水木しげるとのゲゲゲな日常
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- 税込価格:1,260円(36pt)
- 発行年月:2008.3
- 発送可能日:7~21日
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商品説明- 「お父ちゃんと私 父・水木しげるとのゲゲゲな日常」
食べたいだけ食べ、眠りたいだけ眠り、「クソ」「屁」などのキタナイ話になると異様に盛り上がる父・水木しげる…。実の娘が綴る、家族が大好きな水木しげるとのゲゲゲな日常。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介- 「お父ちゃんと私 父・水木しげるとのゲゲゲな日常」
水木 悦子
- 略歴
- 〈水木悦子〉水木しげるの次女。水木プロダクション勤務。水木しげるの作品、妖怪などにも詳しい。
関連キーワード- 「お父ちゃんと私 父・水木しげるとのゲゲゲな日常」
ユーザーレビュー- 「お父ちゃんと私 父・水木しげるとのゲゲゲな日常」
12人中、12人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
2008/07/08 01:35
世にも稀なるブリガドーン現象の観察記録
投稿者:仙人掌きのこ(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る
私はつねづね「水木しげる」とは、戦後日本を襲った最大級の“ブリガドーン現象”ではないかと考えている。ブリガドーン現象とは、百年あるいは千年に一度、複雑な気象条件と物理条件がそろって現れるもので、その中は妖怪や幽霊が跋扈(ばっこ)する世界であるという。
私たちの周囲をよく再確認してほしい。TVや映画では何度も「鬼太郎」がリメイクされ、その登場キャラクター、すなわち妖怪グッズがあふれている。『砂かけ婆』と聞けば、ほとんどの人がそのビジュアルを思い描く事が出来るが、もともとは“誰も姿を見た事がない、一地方の怪現象”だったのである。それを日本全国津々浦々にまで広めたのは、他ならぬ「水木しげる」であった。もし彼がいなかったら、『砂かけ婆』は地味な伝承として、今頃は忘れ去られていたに違いない。
また「水木しげる」の猛威は、妖怪のみにとどまらない。ヒットラーや南方熊楠の伝記、自らの体験をもとにした戦記、幸福論や人生論、その全体像はあまりにも巨大で見極めるのが難しい。
しかし、ここにその強烈なブリガドーン現象を定点観測していた人たちがいる。「水木しげる」の家族である。彼らは凄まじいエネルギーの内側、台風の目のような場所に身をおいて、この稀有なる活動の一切をみつめてきた。これはどんな「水木しげる」研究家が望んでも得られない幸運であり、貴重な記録である。
さらに幸運な事に、水木しげる夫人:武良布枝氏の『ゲゲゲの女房』と、次女:悦子さんの『お父ちゃんと私』(本書)がほぼ同時に上梓された。妻と娘という二つの立場を読み比べる事ができるのだ。夫人の記録は丁重で人生の滋味を深く感じさせるのに対し、本書は軽妙で「水木しげる」の明るいひょうきんな側面をより多く伝えてくれる。どちらが良いというものではない。同じ事件を取り上げても、微妙なニュアンスの違いがあるのだ。私が特に感動したのは、「水木しげる」が妖怪の存在に疑問を抱きスランプに陥った時、悦子さんの言葉で自信を取戻した時のエピソードだ。ぜひ、双方の記録を読み、この未曾有のブリガドーン現象が、実は家族の愛で支えられていた事を確認してほしい。
水木漫画のなかの“ブリガドーン現象”は、人間社会を混乱させるものとして消滅させられてしまう。しかし、その社会が目に見えるものだけに価値をおく( いや、価値があるかどうかわからない株価の変動に右往左往する )ものならば、それは守るに値するものだろうか。
私たちは幸いにして、目に見えないが感じる事のできるものの価値を「水木しげる」に教えてもらっている。その豊かさをいま一度かみしめ、子供時代に鬼太郎の歌を口ずさむたびに感じた、開放感、幸福感を思い出したい。
(書評のなかとはいえ、敬称略で「水木しげる」と書くたびにドキドキした事を付記しておきたい)







