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さらば「受験の国」 高校生ニュージーランド留学記

  • 出版社:朝日新聞出版
  • サイズ:18cm/215,22p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:978-4-02-273212-5

さらば「受験の国」 高校生ニュージーランド留学記 (朝日新書)

池部 敦 (著)

  • 全体の評価 4.53件のユーザーレビュー
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  • 税込価格:75621pt
  • 発行年月:2008.5
  • 発送可能日:7~21日
  • 新書

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商品説明- 「さらば「受験の国」 高校生ニュージーランド留学記」

大学受験だけが目的の日本の高校生活に行き詰った著者は、ニュージーランドに2年間留学。模擬国連代表としてオーストラリアを訪問し、オランダのハーグで外交を学んだ。狭い日本から世界に羽ばたいた高校生の記録。【「TRC MARC」の商品解説】

著者紹介- 「さらば「受験の国」 高校生ニュージーランド留学記」

池部 敦

略歴
〈池部敦〉1988年東京生まれ。2005年ニュージーランドのハミルトン男子校に交換留学。翌年ヒルクレスト高に私費留学し、同校卒業。アメリカ東部のリベラルアーツカレッジ在学中。

関連キーワード- 「さらば「受験の国」 高校生ニュージーランド留学記」

ユーザーレビュー- 「さらば「受験の国」 高校生ニュージーランド留学記」

全体の評価
4.5
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9人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2009/06/21 01:57

典型的古典的留学経験者談

投稿者:佐伯洋一(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

 ニュージーランドが理想の授業か(笑)。たしかにNZや北欧の授業というのは日本とは異なる。しかし、大体留学した人は留学先こそ理想の授業というのだ。受験地獄韓国へ留学した者さえ、「日本より受験が徹底している。日本は甘い。天国だ」などといった友人がいる。
 しかし、日本の教育が間違っていたというなら、日本の学力は極めて優秀であり、ロケットを単独で飛ばせ、なおかつ世界最先端の技術を次々と生み出してきたし、来ている。転じて北欧やらでこういう技術が出ただろうか。少なくとも米国特許出願には見当たらない。
 要するに、著者の話を聞いていると、NZの教育というのは甘い。詰め込みが少ない。子供はそら楽しいだろう。創造的であるかもしれない。しかし、大事な知識の吸収には絶対に向かない。基本的知識というのは子供のころにしっかり詰め込むのが最も効率的である。ディベートばかり繰り返し、英語は堪能、しかし話す内容は皆無というピーマンがたくさん出来上がる。会社で最も使い物にならないのは帰国子女だという。鼻っ柱ばかり高く、日本の風土に溶け込まず、無能な者が多いんだそうだ。
 本書を読めば分かるが、著者も非常に強い自我を感じる。こういう者は日本社会には順応しないだろう。つまるところ本書は、著者の言葉を敷衍すれば、競争のための競争が行われる日本教育は終わっているということを言いたいんだろう。しかし、それぞれ帯に短し襷に長しで、どちらが最善というわけでは絶対にない。だが、子供のころはばっちりと基本知識を得ることこそが教育の基本にあることは間違いなかろう。知識なきところに討論もくそもない。
 知識から遠ざけたゆとり教育のせいでどうなったか。学校で学べないのでみんな塾に頼る。で、塾に行けない子供はもうお終いとなる。現に、最近の東大慶応早稲田などは金持ちランキングのベスとに入っている。これは危険な現象である。いままでは貧乏でも勉強で努力し一流大学に入れば出世できた。しかし、努力の素材すら学校で与えてもらえないとなると、階層は固定化する。フランスと同じになってしまう。そしてアメリカも実は非常に階層が固定化している。職工の息子は職工になるのに何の疑問も感じない人が非常に多いらしい。日本もその道を歩むことになる。
 20歳の著者が留学が楽しかったというなら「よかったね」で終わる。しかし、転じて日本の教育が悪いなどと飛躍を持ち込むからおかしくなる。それぞれ社会の事情というものがある。日本は技術で負けるわけにはいかない。そうしないと一億人の生活が成り立たない。そのためには、自由とかディベートじゃだめだろう。ただし、NZなどの教育で取り入れるべきところは素直に受け入れ、知識重視の路線を堅持しつつも微調整を加える余地は大いにある。その一参考にはなるだろう。文献的にはその程度のものというほかない。

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12人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2009/06/11 11:13

子どもたちの目が輝く教育

投稿者:りっちゃん(女性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

 元々は、両親への報告のために書いたものだそうだ。す、すごい!!表紙の裏側には、
 大学受験のための高校生活よ、さようなら。ニュージーランド留学がわたしを『世界市民』にした――。
 留学して一ヶ月でディベートに挑戦。模擬国連の代表になり、オーストラリアへ。高校生世界大会で、今度はオランダのハーグまで。国政選挙の運動員、アムネスティの活動家・・・と、狭い日本から世界に羽ばたいた高校生の記録。
  と、ある。
 ただ、世界に羽ばたいただけではない。見識が高いのだ。それは元々、育った環境がよかったのもあるのだろう。留学前にドイツ、アメリカに行っているし、中学2年で英検2級だし、模擬国連にも参加済みであった。それでも、ニュージーランドの教育が良かったから、彼の良さを受け止め、引き出し、伸ばしたのだ。「ニュージーランド人の価値観、それは自由にものを考え、多くの人と討論し、より良い社会・世界を作ろうと行動することだった。実はその考えこそ、私が日本で理想としていたものだった。」
 先ず先生の質がいいねぇ。
「先生は長所を手放しで褒めてくれた」、異なる考えかたの先生でも、「「私個人の意見はあるが、それは全く関係ない。どのような論理であっても、証拠をベースに積み上げることができることが重要である」と強調するデンチ先生の姿勢は公平であると感じた。」「生徒に自信をつけさせるために、まず愛し、褒めてから欠点を指摘する」。
 そして、メディア研究の先生、ミズ・アレンは自分の立場をこう説明する。「私はメディアについての知識を持っているから、メディアについてあなたたちに伝えるけれど、だからといって私があなたたちよりも人間的に偉いとか、上であるなどということでは決してありません。私は、あなたたちよりも少しだけ先に進んでいるかもしれないけれども、あなたたちと同じように真理を追究する道を歩む一人の人間です。私の人生の目的は、自分自身をよりよい人間にするための旅を続けること。そして生徒たちに私が歩んできた道筋を示して、一緒に旅することです。社会を作るのはすべての人なのだから、教育の重要性を強調しすぎることはありません。市民がメディアや広告の重要性に気づき、批判的に分析するようになれば、社会は劇的に変わるでしょう。それを実現させるのが私の使命だと思っています。あなたたちとともに、この世界を少しでもよりよい場所にするにはどうしたらいいか、一緒に考えていきたい。それが私が教師としてできることです」。
 授業内容も、多種多様で、学校ごとに異なり、生徒がその中から選択できる。「ニュージーランドの公立高校は、資金は主に国が出すが、運営は各学校の理事会(Board of Trustees)に任されている」。一番の違いは、「授業の特徴を一言で言うと、日本で私が受けた授業はノートと教科書を使った記憶中心のやり方だが、ニュージーランドではディスカッションとエッセイ、調査を中心とするやり方だったことである。」
『アエネアス』『初期ニュージーランド史』『社会とマスメディア』のエッセイ(論文だね)は本当に素晴らしい内容だ。メディアのエッセイで奨学金を獲得。経済の授業では、金融政策チャレンジに応募し、地方予選で優勝するのだが、この主催者がニュージーランド準備銀行(日本の日限に相当)なのだ。子どもの権利会議はニュージランド国連青年協会が全額費用を出している。その分、内容も現実の社会に即応している。絵空事ではないのだ。
 他にも、ホームステイマネージャーのロビン、アムネスティのグループを立ち上げる時には、アクティヴィズム・マネージャーのマーガレットが。選挙運動の時には、秘書のディビッドが。さまざまな人が、援助・アドヴァイスをしている。友だちや仲間からの影響も大きい。
 模擬国連のロビー活動で、一緒に「少数を虐待しても多数の安全のためには仕方がないという意見に反対し、拷問は拷問だと熱狂的にアピールした」ソフィー、は「家族と一緒に小さなセイリングボートで7年間世界を廻り、その間、通信教育で全教科を学んでいる。いじめを受けた子や虐待を受けただろう子、戦争による家族離散者とも直接触れあう。
 さまざまな体験を経て、著者はエピローグで「私は、人と共感し、知的で理性的な思考をしようと努力する、リベラルなアクティヴィストだ」、「そして今学んでいるアメリカをはじめとする世界をよりよくするために、アクティヴィストであり続けていきたい」と結ぶ。
「ニュージーランドで学んだ多くの高校生は「目が輝いている」と言われる」のに対して、日本については冒頭でこう書かれている。
「日本という国はどこかおかしくなっている。私は長い間そう感じていた。毎朝、学校に行く時に乗る電車の中で見る人々は非人間的に箱詰めされ、疲れきっていた。無感動で生命力が感じられなかった。人々は人生の意味を見失っているように見えた。 私を含めて、シニシズムと否定が全員の上を漂っていた。希望や夢や理想を奪い、追求しなくなった社会は「精神の砂漠」といえる状態となった。ほかの人と違っていることを許さない風土。乾燥しきった風土を緩和するユーモアの欠如。・・・学校は教育機関というよりロボット工場のように見えた。それはヒエラルキーに忠実で、疑問を持たない生徒を作っていた。先生は教科書に書いてあることだけを教えていた。質間もなく、議論もなく、エッセイを書くこともなかった。その授業は生徒が真実を探求し、愛すること、偏見から自由を学ぶことを目的としたものではなかった。教育とは学ぶという愛を育てるものである。疑いなく、日本の教育は生徒の学習というものに対する憎悪を拡散させていた。・・・」
 題名の「さらば「受験の国」」は、日本の公教育の現場でこそ実践されるべきでは・・・
「ディペート」は上祐さんの印象が強くて、“屁理屈”と捉えていたけれど、逆の立場からも考える・議論する、大人(市民?)となるための訓練の場でもあるのだと納得した。

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21人中、13人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2008/05/14 21:53

安易なマネは危険だ!

投稿者:塩津計(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

筆者の池部君は、東京の武蔵境にある聖徳学園という、まあ底辺の私立学校から一念発起してニュージーランドの高校に入学し、更にアメリカのリベラルアーツ系大学(ところでどこだよ、これ)に留学している御仁である。聖徳学園という底辺校にいながら一念発起して海外留学に踏み出し、そこで落ちこぼれもせず、前向きに生きている姿がひしひしと伝わってきて微笑ましい。思わず「ガンバレ、池部!」と叫びたくなる。でも話はここでオシマイ。ここからは「大人の話」になる。確かに池部君は頑張った。エライ。でも、だからといって、池部君のこれからの人生が「「日本で花開くか」と言われれば、私は下を向かざるをえない。だって、日本では、海外の高校大学を出ても、正規の学歴とは評価されず、従って就職時にかなり不利になるからだ。日本という社会は、あくまで日本での受験競争を勝ち抜いて正しい学歴を身につけた人しか評価しない。確かに英語力に対するニーズはある。あるが、これは「日本で正しい学歴を身につけた人」に限った話で、いきなり海外に留学しちゃった人(特に高校から)は、日本という文化というか日本人同士のコミュニケーション、平たく言えば阿吽の呼吸が身についていない人が多く、間違って日本の会社に就職しても一年もすると職場で浮き上がって「宇宙人扱い」される人が非常に多いのである。ワシントンにはジョーンズホプキンスだのジョージタウンだの、「名門校」が結構あって、そこの大学院で「お勉強」して修士だの博士だのになっている日本人が結構多い。しかし、彼らのセルフイメージと実際の「日本社会での就職マーケット」での評価には恐ろしい開きがある。そもそも日本では大学院で修士を取った人と、大学受験にすべって浪人した人が、概ね同じ扱いを受ける社会なのだ。分かりやすく言うと日本の、特に文科系では大学院卒の就職のマーケットがあまりないである。だから、諸君!朝日新聞の「煽り」を真に受けて、日本の受験社会に「絶望」して海外に「羽ばたいたり」してはいけない。海外に羽ばたいても、必ずしも日本に舞い降りれるとは限らない。まして日本で「正しい受験コース」を勝ち抜いた「正しい受験秀才」を海外で獲得した学歴を武器に「見返そう」などと夢想してはいけない。日本では海外留学とは、あくまで一流大学を経て一流官庁や一流企業に就職し、そこから派遣されて獲得したもので無ければならないのだ。残念だが、これが現実だ。これがわかったら机に向って一心不乱に受験勉強しなさい!分かったね。

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