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オシムの言葉(集英社文庫)

  • 出版社:集英社
  • レーベル:集英社文庫
  • サイズ:16cm/327p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:978-4-08-746301-9

オシムの言葉 (集英社文庫)

木村 元彦 (著)

  • 全体の評価 51件のユーザーレビュー
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  • 税込価格:65018pt
  • 発行年月:2008.5
  • 発送可能日:7~21日
  • 文庫

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商品説明- 「オシムの言葉」

【ミズノスポーツライター賞最優秀賞(第16回)】【「TRC MARC」の商品解説】

書店員レビュー- 「オシムの言葉」

ジュンク堂書店新宿店

後に日本代表監督にな...

ジュンク堂書店新宿店さん

後に日本代表監督になるオシム氏を題材にした国内最初の本。
著者にとっては、ユーゴ・サッカー三部作の三冊目にあたる。

選手を育成するのは勿論の事、報道陣との禅問答のようなやり取りを通じて
日本サッカーを観る側・報道する側をも、一段高いレベルに押し上げたオシム氏の
半生を追っている。

ジェフの、代表の監督として日本に滞在した6年間うちに、
今後10年は消化しきれ無いほどの教材を残してくれたオシム氏の
志を継承する為にも本書を手に取って頂きたい。

日本サッカー界が長らくクラマー氏とその教え子たちの影響下にあったように、
南アW杯代表戦士たちが指導者になる未来にまで影響を
与え続けるであろうオシム氏を知る切っ掛けにも是非。

文庫担当 大橋

関連キーワード- 「オシムの言葉」

ユーザーレビュー- 「オシムの言葉」

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7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2008/07/14 23:12

オシムの魅力を余すところなく伝え、ユーゴの戦火と現代をつなぐ糸を鮮やかに浮き彫りにしたすばらしいノンフィクション。

投稿者:悠々楽園(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

 「オシムの言葉」というタイトルから、オシム語録的なものを--ジェフのHPにあったような--をイメージしていたが、全然違った。
 この本は著者の木村元彦さんの、旧ユーゴスラビアに対する強い愛着と関心(なぜその地域に関心を持ち始めたのかは書かれていないのでわからない)の上に立ち、周到な計画と綿密な調査、精力的な取材に基づいて書かれた素晴らしいノンフィクションであった。
 旧ユーゴの崩壊とボスニア戦争の記憶は、すでにわれわれの記憶の中でその影を薄めつつあるけれど、元々同じ国の民であったいくつもの民族がモーレツな殺し合いを始めたという事例は近代ではあまり例を見ない凄惨な事例だったのではないか。
 ソ連が崩壊した今、最も複雑な多民族国家は中国であろう。世界中で「フリー・チベット!」を叫び、デモ行進が行われ、警官と衝突する事態が起こっているが、人々をそういう行動に至らしめるメンタリティや国際認識は、民族自立意識の高まりという時代の流れが作り出したなどと歴史家たちは言うのかもしれないが、渦中にあってその時代を生き抜いてきた人々にとってはそんな簡単な話であるはずもない。
 オシムと彼の家族は、まさにそうした渦中にあって翻弄されたのだった。オシムという監督の複雑なメンタリティを理解するのは簡単ではなかったが、この本を読んで以前よりは少しわかったような気がする。彼自身はおそらくはそれほど複雑な人間ではない。ただ彼の生きた環境の複雑さに対応するために複雑にならざるを得なかったというだけだろう。わかりにくいといえばわかりにくい――ユーモアとアイロニーと警句に満ち、そしてもちろん深い洞察を感じさせる――言葉が、オシムの意図する通りオシムという人間を煙に巻いてきた。しかし、彼はなぜだか憎めない愛すべき人間として私たちには感じられたし、彼の発する言葉は、多くの場合強い説得力をもって耳に届いたのだった。そう、一言でいえば魅力的な人物。
 日本代表監督になって、試合後のコメントは少なくなり、テレビを見ている私たちは――とりわけ試合に負けた時には――オシムの姿を正視できないほど会見には緊迫感が漂っていた。「選手たちはみんな一生けん命やっているではないか。あなたはちゃんと見ていたのか? 何を言いたいのだ?」。勝ち負けだけでしか評価しない世間、もしくはメディアという存在の理不尽さに対する恐れと怒り。ユーゴ時代の記憶とないまぜとなって押し寄せたプレッシャーは大変なものだったろう。しかし、オシムはチャレンジしたのだ。結果は本当に残念だったけど。
 私はこの本を読んで、オシムが日本に来てくれて、日本のサッカーを指導してくれたことの意味の大きさを今一度噛みしめ、「本当によく来てくれたなあ」と感謝の意を強くしたのだった。事はサッカーだけにとどまらない。日本や日本人に足りないものを示唆し、日本の良さを引き出し鼓舞してくれたという意味でもその影響は大きかった。
 紹介したい言葉は数々あってきりがないが、最後に一つだけ私が共感した言葉をあげておきたい。

「作り上げることより崩すのは簡単なんです。家を建てるのは難しいが、崩すのは一瞬」。

 オシムの言う「家を建てる」とは「攻撃的ないいサッカーをする」という意味でもある。しかし、言うまでもなくサッカーに限った話ではない。自然だって倫理だって人間関係だって仕事だって、作り上げるのは難しいが壊すのは簡単だ。しかし、人しばしば、それこそ石ころでも蹴飛ばすように、考えもなくたたき壊してしまう。
 ところで、私がオシムが好きなのは--オシムのサッカーが好きだったのはと言い換えてもいい--、実はこの言葉に続いて次のようなことを言ってくれるからなのである。

「作り上げる、つまり攻めることは難しい。でもね、作り上げることのほうがいい人生でしょう。そう思いませんか?」

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