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商品説明
グーグル、アマゾン、YouTubeはこんなしくみで動いている! 最新のウェブサービスの裏側で動く「メタデータ」。その技術がひらく新しい社会の姿をやさしく解説する。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
深見 嘉明
- 略歴
- 〈深見嘉明〉1976年京都府生まれ。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修士課程修了。同大学SFC研究所上席所員。同大学大学院でメタデータ等を媒介としたコンテンツ流通構造に関する研究を行う。
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紙の本
世界に意味づけをするのにメタデータを使う
2011/03/06 13:53
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:MtVictory - この投稿者のレビュー一覧を見る
ウェブで情報を探したり、提供するための仕組み「アーキテクチャ」の事例を取り上げて、その本質を解説している。本書はソーシャルタギングをテーマに著者が書いた修士論文がベースとなった。ウェブのコンテンツに付ける「タグ」がテーマの中心。その他、RSS、Google検索の仕組み、Amazonの商品推奨の仕組みなどにも触れている。メタデータやCGM(ユーザが発信する情報)の本質を知ることができる。
ブログやTwitterのユーザ拡大で、ユーザがコンテンツを作成し、情報発信し共有することが広がった。これがCGMだ。そうした状況を踏まえて、第11章では「各自の自発的な行動が結果的にみんなにとって役に立つというしくみ」を「意図せざる協働」と呼んでいる。そうした「協働を実現する場をウェブだけでなく、あらゆる場面に広げていくことがこれから必要なのではないか」と、意図せざる協働の可能性にも期待している。そのためにはそれを成立させるための仕組み、「アーキテクチャを設計することが必要」だとも言っている。
CGMのように「一人ひとりが本当に自分が好きなことを、自分のペースで行なって、それが誰かの役に立つ。そうしたことが世界中で少しずつ積み重なって、みんなの日常が効率的になっていく」。それが「将来、万人にご利益をもたら」すことから、「まるで慈悲深い菩薩のよう」に見えたところから、タイトルの「ウェブは菩薩」というたとえになったようである。
エピローグではウェブの普及により、「ウェブが弱者や少数者の力になっている」ことに触れている。彼らは「ウェブで情報交換し、自らの置かれた立場をよくしようと行動し始め」ている。こうした動きは最近の北アフリカや中東での民主化運動でも顕著になってきた。虐げられてきた人々がネットを介して急速に結び付き、行動し影響力を発揮できる素地になっている。彼らがウェブに菩薩のようなものを感じているかどうか分からないが、大きな力を得たと感じていることは確かだろう。