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- カテゴリ:一般
- 発売日:2008/07/22
- 出版社: ポット出版
- サイズ:19cm/197p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-7808-0117-0
読割 50
紙の本
どすこい出版流通 筑摩書房「蔵前新刊どすこい」営業部通信1999−2007
著者 田中 達治 (著)
自動発注考、人文書を売ること、役に立つ物流講座…。本の物流と営業のシステム化に心血を注いだ筑摩書房・営業担当者によるストレート・トーク。書店・取次向け発行物『蔵前新刊どす...
どすこい出版流通 筑摩書房「蔵前新刊どすこい」営業部通信1999−2007
どすこい 出版流通 筑摩書房「蔵前新刊どすこい」営業部通信1999-2007
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商品説明
自動発注考、人文書を売ること、役に立つ物流講座…。本の物流と営業のシステム化に心血を注いだ筑摩書房・営業担当者によるストレート・トーク。書店・取次向け発行物『蔵前新刊どすこい』連載をまとめる。【「TRC MARC」の商品解説】
筑摩書房元取締役営業局長の名物コラム
●出版業界のインフラ整備に尽力した、故・田中達治氏が軽妙につづる「出版流通思想」
●筑摩書房の書店向け「蔵前新刊どすこい・営業部通信」に1999年〜2007年まで掲載されたコラムを収録
●書店、取次、出版社……出版流通に携わるすべての人のテキストに
●「版元ドットコム」の若手出版人有志による詳細な脚注、索引付【商品解説】
目次
- ▼1999年8月共有書店マスタが出発……012
- ▼1999年9月自動発注考……014
- ▼1999年10月筑摩書房のホームページプロジェクト進行中……017
- ▼1999年11月不安が蔓延する出版業界の存在意味……019
- ▼1999年12月古書が紛れて返品されたら……022
- ▼2000年1月自動発注考PART2……024
- ▼2000年2月取次・柳原書店の倒産……026
- ▼2000年3月またまた倒産……028
- ▼2000年4月決算を前にして……030
- ▼2000年5月ホームページがオープンです……032
著者紹介
田中 達治
- 略歴
- 〈田中達治〉1950〜2007年。千葉県生まれ。法政大学文学部英文科卒業後、筑摩書房に入社。取締役営業局長を務めた。
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紙の本
本の形而上学(良書独り善がり主義)ではなく、唯物論(物流への視野)を。
2008/12/07 00:55
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:拾得 - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者は、筑摩書房にて、営業部というよりおもに物流部門を歩んだ人。70年代末の同社倒産前に就職し、その倒産劇に居合わせている。のち取締役まで勤め、2007年に病没。本書は、同社の書店向け通信「蔵前新刊どすこい」の末尾に書かれた「営業局通信」をまとめたものである。「業界人向け」という色彩が濃いものの、著者の言いたいことは、門外漢の人でも本に関心のある人であれば理解できることと思う。
出版業界を見る点で、著者の立ち位置は二重に興味深い。一つめは「物流」部門を主に歩んできたこと。二つ目は「筑摩倒産」という貴重な経験を経ていることである。
従来の出版業界ものというのは、「編集者」の立場からのものが圧倒的に多い。内容の善し悪しや著者とのつきあい・人間関係といったものになりやすい。この場合、論を立てると「やっぱり良書を」となる。一時期、話題をまいた『誰が本を殺すのか』もこの「良書主義」の基本線は変わらない。
しかし、この資本主義下において本も「商品」である。いや、商品になったからこそ、これだけ広まったのでもある。くわえて、委託販売や再販制などなど、出版業界は一般にはわかりづらい物流制度によって成り立っている。出版業を支えているのは、実は「良書」ではなく、こうした物流までも含めた「制度」なのである。この点を物流畑専門の著者は直截に突いている。本書のもとは書店向けでこの点がざっくり説明されているが、補注も充実しているので,一般向け入門書としても十分に読めるだろう。
さて、老舗出版社として倒産を経験し、のちに取締役まで至ったということは、著者は「筑摩復活」の立役者の一人といってよいのだろう。単なるビジネス書であれば、この「成功談」が中心になるが、業界向け通信であったことは、その弊を免れている。むしろ、倒産へと至る筑摩書房の内情に対してはとても批判的である(当然か)。同様に、(元の記事の執筆中にあった)2001年の取次「鈴木書店」倒産についてもその目は厳しい。「なぜか」は本書を読まれたい。
「良書」というカードを使うと、意外にも世間の目はやさしくなるようだが(だからといって本が売れるわけではない)、あくまでも出版というのは産業の一つであること、そしてモノであることを、著者は教えてくれる。