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自宅で迎える幸せな最期

  • 出版社:文藝春秋
  • サイズ:16cm/318p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:978-4-16-775201-9

自宅で迎える幸せな最期 (文春文庫)

押川 真喜子 (著)

  • 全体の評価 4.52件のユーザーレビュー
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  • 税込価格:62017pt
  • 発行年月:2008.8
  • 発送可能日:1~3日

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ユーザーレビュー- 「自宅で迎える幸せな最期」

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8人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2008/08/21 00:08

がんばらずに「死」をみつめることから始まる、「生きる」ということ。

投稿者:佐々木 昇(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

 現代の日本、人は病院で生まれ、病院で死ぬというシステムになっている。
 都会を彩る集合住宅には葬儀を行える満足なスペースすらなく、よって、お通夜、葬儀は斎場を借り切って行う方が遺族、さらには弔問客にも便利なシステムになっている。
 この夏、都内のある斎場でのお通夜に出向いた時、まるで巨大スーパーのレジコーナーのごとく各家ごとの会場が分かるように大きな看板がずらりと並んでいた。都会においては「死」が流れ作業で処理されていくことに疑問と不安がよぎっただけではなく、両隣の斎場からは宗派の異なる読経が入り乱れ、「死」は都会においては雑踏のなかに埋没していると感じた。

 そんな都会での「死」に対する現実を目の当たりにしたばかりの時、在宅死を支える看護師さんの本書に出会った。老人の在宅介護ではなく、奇跡が起きない限り回復はありえない人々の在宅死を訪問看護という形で支援する看護師さんの体験録である。
 その体験記録は、正直なところ、読み進むには酷な一冊だった。
 日本人の平均寿命に近いか、それを超越した人の場合はまだしも、人としての盛りも経験していない少年少女の「難病死」は、読むのがつらかった。ふと気がつくと、感情が走っていたのか、本を握りしめていた。果たして、この少年少女等は「死」というものをどのように受け入れるのか。「生きたい」と願っても、叶わぬ現実をどのように理解するのか。
 そして、回復という奇跡を信じるご両親はこの事実をどう消化するのだろうか。

 読み終えた後も釈然としない気持ちがくすぶっているが、在宅死を支援してくれる病院、看護師さんの存在に、都会にもこのような「死」を迎えるシステムがあることに少し安心した。
 そして、著者である押川さんは決して時間に余裕があるとは思えないが、なぜ、自身が体験した在宅死を書き残すのだろうか、何を読者に伝えたいのか、という疑問がわいてきた。これは想像でしかないが、老いも若きも生きた証として死者が押川さんの言葉を借りて書き残しているのではないかと思った。

 前述の斎場を後にするとき、ふと青少年の集団が目に留まったが、その視線の先には十代半ばの女の子の遺影があった。
 ゲームのように肉親や見知らぬ人を簡単に殺す社会にあって、生きたくとも生き抜けない人がいること、在宅で死を看取るという立場の方の体験記を読み、頭の中では夏の蝉しぐれが鳴りやまないでいる。

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3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2009/03/07 19:32

こどものままで死んでいくせつなさ

投稿者:kumataro(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

自宅で迎える幸せな最期 押川真喜子 文春文庫

 たくさんの人たちが病気のために病院で亡くなっていくことがわかります。わたしは、20代後半に内臓を壊して、3か月間入院したことがあります。夜は怖い。廊下を徘徊する人とか、ベッド上で雄叫び(おたけび)をあげる老人に悩まされました。戦時中の野戦病院って、こんなふうだったのだろうと感じていました。
 生きている今を大切にしたい。この本の趣旨は、自宅で最期を迎えることがしあわせということです。わたしの場合、自分自身のことよりも自分の親や配偶者の親についていろいろと考えさせられました。それとは別に、「1リットルの涙」木藤あや著を思い出し、何人かのこどもさんたちが亡くなった記述を読んで、こどものまま亡くなっていく不幸に胸が詰まりました。

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