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粘膜人間(角川ホラー文庫)

粘膜人間 (角川ホラー文庫)

飴村 行 (著)

  • 全体の評価 41件のユーザーレビュー
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  • 税込価格:54015pt
  • 発行年月:2008.10
  • 発送可能日:24時間
  • 文庫

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第15回日本ホラー小説大賞長編賞 受賞作品

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商品説明- 「粘膜人間」

「弟を殺そう」—身長195cm、体重105kgという異形な巨体を持つ小学生の雷太。その暴力に脅える長兄の利一と次兄の祐太は、弟の殺害を計画した。だが圧倒的な体力差に為すすべもない二人は、父親までも蹂躙されるにいたり、村のはずれに棲むある男たちに依頼することにした。グロテスクな容貌を持つ彼らは何者なのか?そして待ち受ける凄絶な運命とは…。第15回日本ホラー小説大賞長編賞を受賞した衝撃の問題作。【「BOOK」データベースの商品解説】

【日本ホラー小説大賞長編賞(第15回)】【「TRC MARC」の商品解説】

ユーザーレビュー- 「粘膜人間」

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4.0
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6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2008/11/12 00:50

ライトではない、コアな伝奇が今蘇る!

投稿者:御於紗馬(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

第15回日本ホラー大賞 長編賞受賞作です。

 非常にショッキングな描写が目を引きますが、単なる衝動的なバイオレンスではなく、民話的なイコンが散りばめられた物語に仕上がっています。

 何より清美が良い。
 河童との約束で利一が差し出す、「非国民」の妹。兄が恋人を連れて軍を抜けたため、憲兵より拷問を受け、薬物『髑髏』(このネーミングセンス!)を投じられ、精神を病んでいます。
 拷問の様子、『髑髏』による幻覚は偏狂的な描写があてがわれています。そして薬物の副作用で記憶から失せた兄の秘密。否、真実というべきか。その謎は次第に明らかになるのですが、ホントに、「清美」とはよく名付けたものです。

 何より河童が良い。
 純朴で、欲望に忠実(特に下半身的な意味で)、痛みを受けても次の瞬間にケロリとしている。 人の知らぬ知識を持ち、人間の倫理・思考の埒外に居る、そんな異形の生き物が真に生き生きと描写されています。
「今のが毒猫の毒ぢからだっ」なんてセリフ素敵すぎます。

 第壱章→第弐章→第参章と、次第に上がっていく異界的なテンションも見事です。特に雷太の存在は、よくよく考えてみれば彼自身が 「身代わりっ子」ではないか? 落雷で身籠ったから雷太?
そんな空想すら頭をよぎります。途中、彼は尋常ならざる状態に陥りますが、普通に考えれば人間ではあり得ないのです。

 よくよく考えると、漂浪者のベカやんは勿論、雷太も清美も、登場人物は皆アウトサイダーなんですよね。清美の兄をつけ狙う憲兵だって、権力を笠に着ては居るものの、決して表の人間ではない。利一と祐二も、雷太に殺意を覚え、それを実行に移した時点で、人の道から外れているわけで。

 そんな周辺者達だから、河童やキチタロウ、毒猫など、本当に人間外の存在と縁してしまう。 そして人外の報いを受けてしまう。 直接的ではないものの、因果報応的な作品だと感じました。非常に因習深き人の業が色濃く描き出されています。

 作者の二作目に早くも期待しております。
 仕込みに仕込まれた陰惨な世界に再びどっぷり浸りたいものです。

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