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船に乗れ! 1 合奏と協奏

  • 出版社:ジャイブ
  • サイズ:20cm/280p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:978-4-86176-579-7

船に乗れ! 1 合奏と協奏

藤谷 治 (著)

  • 全体の評価 4.52件のユーザーレビュー
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  • 税込価格:1,68048pt
  • 発行年月:2008.11
  • 発送可能日:24時間

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商品説明- 「船に乗れ! 1 合奏と協奏」

音楽一家に生まれた僕・津島サトルは、チェロを学び芸高を受験したものの、あえなく失敗。不本意ながらも新生学園大学附属高校音楽科に進むが、そこで、フルート専攻の伊藤慧と友情を育み、ヴァイオリン専攻の南枝里子に恋をする。夏休みのオーケストラ合宿、市民オケのエキストラとしての初舞台、南とピアノの北島先生とのトリオ結成、文化祭、オーケストラ発表会と、一年は慌しく過ぎていく。書き下ろし、純度100パーセント超の青春2音楽小説。【「BOOK」データベースの商品解説】

津島サトルはチェロを学ぶ高校音楽科1年生。フルート専攻の伊藤慧との友情、ヴァイオリン専攻の南枝里子への恋。そして夏合宿、市民オケでの初舞台、オーケストラ発表会と、月日は慌しく過ぎていき…。青春音楽小説。【「TRC MARC」の商品解説】

著者紹介- 「船に乗れ! 1 合奏と協奏」

藤谷 治

略歴
〈藤谷治〉1963年東京都生まれ。日本大学芸術学部映画学科卒。2003年「アンダンテ・モッツァレラ・チーズ」でデビュー。他の著書に「マリッジ:インポッシブル」「二都」など。

ユーザーレビュー- 「船に乗れ! 1 合奏と協奏」

全体の評価
4.5
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2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2012/03/26 03:35

音楽科に通う青年の青春。

投稿者:読み人(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

 著者の藤谷治さんって、読了後に雑誌「ダ・ヴィンチ」のバックナンバーで
著者の近影を見たんだけど、あっ、この人知ってる!!と。
 とあるテレビのドキュメンタリー番組で見たのですが、おしゃれで自由な空間な小さな書店
(名もない劇団のポスターを貼らせてあげていました)
を経営しながら執筆されている方です。

 書評家の北上次郎さんが、とてもこの小説を褒めていたので
読んでみました。

 北上さんが、小説自体がタイトラベル装置で云々と書いていたけど、大人になった主人公が
自身の青春時代を甘く切なく描く構成。
 主人公、サトルは、音楽一家に育った青年チェロ奏者です。音楽科の難関校を受験するも失敗。
その後、自身の祖父が校長を勤める高校の音楽科に通います。
 小さい頃から、音楽家として育ち、哲学書を読み、中学時代は、異分子として成長した彼も、
同じような生徒が通う高校では、徐々に打ち解けていきます。そして、南枝里子に出会うのですが、、、。

 本当の典型的な、青春物です。
やや変わっているのが、普通の高校でなく、音楽科の高校だということ、、。
「のだめ、、」なんかで、芸大の音楽科なんかはなんとなく判ったような気になっていたのですが、
高校の音楽科とは、、、、。
 自意識過剰で自信満々な青年が挫折を知り、友を得、恋をし、、、とすべての要素が揃っています。
 そして、心理描写、胸キュン・エピソードも含めて、よく出来ています。
 北上さんが褒めたのも納得で、はっきり言って文句のつけようがない。
だけど、高校時代、ガンズンローゼズを聞きながらエレキギターをかき鳴らしていた
低俗な私にとって、恋の御相手と美人教師との三重奏ホームリサイタルが
ラストの盛り上がりだなんて、すこし、私には、お上品過ぎました。(大分やっかみも入っています)

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1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2010/12/06 11:19

音楽の深い知識を背景に,高校生の苦悩がほとばしる。リアルに青臭い。

投稿者:たけぞう(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

 音楽高校のサトルの回顧記。本の紹介には自伝的物語とある。読めば読むほどその思いは膨らむ。エピソードには脚色があるかもしれないが,心理描写は良くも悪くも自伝そのもの,と強く感じた作品だ。

 まだ誰も書評を書いていないので,内容の紹介がてらあらすじをさらう。少々詳しめに書いてあるので,気になる人は鎖線の間を読み飛ばしてもらって構わない。
------------------------------------------
 サトルが音楽高校を受験する。残念ながら一流校の受験は失敗し,失意とともに音楽学校の生活が始まる。その高校は祖父が創始者であり,父母以外の叔父たち血縁者全員が音楽家というサトルは,かなりのエリートの設定だ。
 一年生のクラスで,バイオリンの鮎川とその親友の南,フルートの伊藤に出会う。南に恋焦がれたサトルはアンサンブルを申し出て,北島先生と一緒に濃密な時間を過ごす。サトルは南と純朴な付き合いを続ける。
 二年生の夏,サトルがドイツに2ヶ月間の短期留学をして,一つ目の大きな事件が起こる。ドイツから帰ってきたサトルを南は避け続け,ついには退学してしまう。南に去られたサトルは取り乱し,二つ目の大きな事件が起こる。「どうして人を殺してはいけないんですか」サトルの問いは読んでいたニーチェの引用だが,悪意にあふれていた。金窪先生に因縁めいた議論を吹っかけ,ついには先生を退学に追い込む。
 サトルは大きな二つの事件を心に抱えたまま三年生になる。自分の才能に見切りをつけ進路を転進するが,これまでの友との約束を果たすため,最終学年は渾身の時間を生きる。
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 1,2,3巻の長編だ。前半はむず痒くなるほどの純情恋物語。妄想に満ちた,気恥ずかしい高校生像だ。徹底的にリアル。作者の関連HPで調べたら,主人公像は自分そのものでエピソードは創作とあった。

 各章や,重要なところには必ず「その頃の僕は」,とか「今の僕から見たら」とのフレーズが入っている。前半は物語を加速させるためなので構わないが,中盤以降は,物語の世界に浸っているので,先が見え過ぎてしまい良くない。また南がなぜ去ったか,結局本当のところを理解できていないように感じた。主人公サトルの気持ちをどうつなげても,南の心理状態に辿りつけなかった。

 私は,自伝として経験に忠実すぎ,面白味をそいでいる部分があるように映った。答えが見え過ぎているから読者の誘導がきつくなる。経験をそのまま書こうとするから,理解できていないものがそのまま描写される。良い意味で「小説」ならば,冗長部分はそぎ落として想像力を高めてくれるし,理解不能な部分は心理描写を補うと思うのだが。
 いい悪いは別にして,小説とは言い切れない非常に個性的な作品だ。文章力はとてもある。チェロの演奏シーンも極めて本格的で,誰でも書けるわけではないことが容易に分かる。だからつい率直に感想を述べたくなる。主人公の後悔が作品全般にわたって強く出ているので,苦味を感じる。
 作者が,本当に好きなように書いたという感じがした作品だ。

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