- 出版社:毎日新聞社
- サイズ:20cm/281p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-620-31915-5
人生は愉快だ
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- 税込価格:1,575円(45pt)
- 発行年月:2008.11
- 発送可能日:1~3日
- 本
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商品説明- 「人生は愉快だ」
釈迦、ヘーゲル、一休など、古今東西の思索者たちは、死をいかに考え、どんな言葉で語ったか。2007年に逝去した池田晶子による、死から始まる生の考察。著者ならではの、意表をつく「人生相談」も収録。未発表原稿を刊行。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介- 「人生は愉快だ」
池田 晶子
- 略歴
- 〈池田晶子〉1960〜2007年。東京生まれ。慶應義塾大学文学部哲学科卒。文筆家。著書に「14歳からの哲学」「人生のほんとう」「知ることより考えること」など。
ユーザーレビュー- 「人生は愉快だ」
10人中、10人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
2009/01/17 12:32
この今を、ありがとう。
投稿者:佐々木 なおこ(女性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る
先日、小学六年生になる娘の授業参観へ行って来ました。
いよいよ小学生活もカウントダウン状態、最後の参観日とあって母の気持ちもなんだかしみじみ。
それで、教室内を見回していると
「今を、ありがとう」と書いてあるのに気がついた。
いい言葉だなぁ~、心の中にメモメモと思ったその晩、
読んだのがこの本でした。
~死んでからでも、本は出る~
新聞広告のこのキャッチフレーズを目していたく感動し、ぜひとも読みたいと思っていた池田晶子さんの一冊だ。
「人生は短い。」
プロローグののっけから、こう始まる。
「ひょっとしたら、明日、心臓発作で死ぬかもしれない。
縁起でもない。
と、普通はやはり思いますよね。(略)
生きている限り人が死ぬのは当たり前で、この当たり前を当たり前として認識しているかどうかで、人の人生観は全然違ったものになるようです。
今のここに死はあるからこそ今のここの生はあるのだと思えば、人生は長いとか短いとか言いようもなくなるはずだからです。
だって、いつだって、『この今』しかないのだから。」
『この今』のところで、私はするどく反応しました。
あっ、これって「今を、ありがとう」の今だ!
池田さんは続けてこう言います。
「あ、なあんだ。と気がつけば、錯覚としての悩みや苦しみは脱落します。そして、なんらそういう感情は沸かなくなり、逆に楽しみや喜びといった感情が沸いてくるようになるようです。」
ははぁ、そういうことなのか…。
「要するに、楽しみや喜びというのは、どこかほかにあるものではなくて、自分の側の心の構えのことだということです。(略)楽しむということは、今しか存在しないのだから、その今を楽しむということ以外ではないでしょう」
まさに目からウロコとは、このことです。
第一章では、死(あっち)を問う人々と題して、
仏陀、老子、イエス、ソクラテス、デカルト、キルケゴール、フロイト、親鸞などを取上げて、その教えやその解釈、池田さんのするどい意見などが紹介されています。
興味深く読んだのは第二章の生(こっち)を問う人々と題する人生相談コーナー。
彼女の回答がさばさばきっぱり、読んでいて実に心地よいのです。
印象に残った回答を集めてみると…
「じじつ、無駄なのです。人は自分の不得手なことを、無理しなくたっていいのです。」
「いずれにせよ後悔することは後悔だ。してしまったことは取り返しがつかない。なら、悩むのではなく、それをどう活かすかが、大切です」
「『即興的に楽に生きたい』とお望みなら、思い切って、何でもやっちゃったら如何ですか。『たかが人生』という居直りも、なかなか気持ちのいいものですよ。」
そしてピカイチと思った回答がこれ!
「これまで何とかなってきたのだから、これからも何とかなるでしょう。何とかならなくなった時には、何もできなくなっているわけなのだから、それでよろしいのではないですか」
はい、よろしいと思います。ワタクシ、この回答に大いに共感、でした。
それにしても、この本を読みながら、そして著者紹介の写真を見ながら、強く思いました。
池田さんがもうこの世にいないなんて信じられない…。
しかし彼女が死んでいても生きていても、思いは通じるというか、
彼女が言わんとしていることは私にもいくらかは本を通じて、伝わるわけで…。
そうそう、人生は愉快だってタイトルが、なんともいいな~って。
そうして表紙の犬は池田さんの愛犬なのかな~おどけた表情がなんとも言えずかわいいな~とも思いました。
とにもかくにも、「この今」を「この今を、ありがとう」だと
思うことしきり、なのでした。
池田さんありがとう、そして今後も新刊を楽しみにしています。
11人中、10人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
2008/12/23 20:55
あっちこっち (死と生)
投稿者:夏の雨(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る
池田晶子さんがなくなって、もうすぐ二年になろうとしている。
それなのに、こうして新刊が出るのだから、考えれば凄いものである。
なにしろ、池田さんの書くものといえば、「哲学エッセイ」といわれるものであるから、まずは難解だ。
それでいて、こうして未発表の原稿が本になるというのは、多くの読み手を魅きつけるものが、池田さんの文章にはあるからだろう。
だから、ここにいなくても本が出る。
そして、言葉をたどって「生」とか「死」とかを理解しようとする。
でも、それを書いた人はここにはいない。
書き手は「あっち(死)」で読み手は「こっち(生)」にいる。
では、「あっち」側にいってしまった池田さんが不幸かというと、その不幸と思うのは「こっち」側にいる私たちであって、しかも幸か不幸かの基準も「こっち」側の判断で、「あっち」にいる池田さんにとっては余計なお世話だろう。
本書は三つの章に分かれている。
まず第1章は「死(あっち)を問う人々」と題された、古今東西の思索者たちの「死と生の考察」を短文で書き綴ったものであるが、これはもう思考が「あっちこっち」にさ迷う。
わかりやすく(多分)書かれているのだろうが、「当たり前のことは、当たり前だから、当たり前なのだと思っている。しかし、当たり前のことは、どうして当たり前なのかということを考え始めてしまう人が、どの時代にもごく一握り存在する」(34頁・「孔子」)というぐらいの、わかりやすさである。(なお、この引用文に入力誤りはない)
第2章「生(こっち)を問う人々」は前章よりは読みやすいし、面白い。 何しろ女性雑誌「Hanako」の人生相談なのである。すこぶる歯切れのいい文章が続く。但し、池田さんの答えが相談者の満足を得たかどうかはわからないが。
その気風のいい文章を少し引用しよう。
「人間は、自分を主張するから人間なのではなくて、その自分とは何かを考えるから人間なのです」(202頁)。
また。「精神の側、心や気持ちや知恵の側を価値とするなら、年をとることはそれ自体で価値となります」(210頁)。
そして、これに続く文章がとてもいい。
「Hanako」族だけでなく、老若男女の皆さん、寄ってらっしゃい、と云いたいくらい、いい。
「なぜなら、年をとるほどに精神は、味わい深く、おいしくなってゆくものだからです。だから私はこの頃とみに、年をとることが面白くてしょうがない」。
文句のつけようのない絶品の文章である。
第3章は「人生の味わい-モノローグ」とつけられた数編のエッセイ。
忘れてはいけないことは、これらの文章を書いた池田晶子さんはもう「こっち」にはいないということ。
しかし、これらの文章は決して「あっち」の池田さんが書いたものでもないということ。
では、誰が書いたのか。
「こっち」にいた池田晶子さんが、私たちに残してくれた、贈り物かもしれない。
「根源的な問いほど、自ら問い自ら答える以外はあり得ないのです」(14頁)「考える精神は、誰のものでもなく、不滅です」
ありがとう、という言葉しかない。
◆この書評のこぼれ話はblog「ほん☆たす」で。
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
2009/07/08 13:42
本質を射ぬくまなざしの強さ
投稿者:wildflower(女性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る
「哲学の巫女」による遺作。
前半は各・超有名どころの哲学の巨人たちによる
生と死をめぐる記述の彼女による考察。
後半は人生相談に応えるかたちの
人生とは? 生きるとは?ということの彼女のスタンスが
くっきりとして心地よい。
”本質にしか、わたしは興味がないんです。”という一言が
心に残る。 惜しい方が亡くなってしまったと思う。
「死んでからでも、本は出る!」という最後のひとこと。
編集者の?あるいは著者の?ユーモアのひかる1冊。
6人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
2009/01/26 18:48
生きる事への応援歌
投稿者:濱本 昇(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者、池田晶子とは、どんな人物だったのだろう。彼女は、故人である。帯に「死んでからでも本は出る」とあったので、本書は、彼女の死後出版されたのだと思う。著者の紹介には、文筆家とあった。
本書は、3章からなっている。第一章では、「死を問う人々」と題して、古今東西の哲学者、宗教家等30名の思想を端的にそれぞれ5~6ページで語り挙げている。私もかなりの哲学書を読んだが、それぞれの哲学者の思想を端的に第三者に説明する事は出来ない。とてつもない理解力だと感心した。第二章では、「生を問う人々」と題して、質問に対する答えという形で人生相談である。まるで男性の如くズバズバ物言う姿勢には驚かされ、また納得してしまう。第三章では、「人生のあじわい」としてエッセイ集である。ここでも読み易く、興味深い内容が綴られる。
全体を通して、生きる事は、楽しいものだという応援歌のようにも感じたし、真面目に生きているか?と真髄をスバッ見られたような気にもなり、興味深く読めた一冊である。







