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紙の本
浄土の帝 (角川文庫)
著者 安部 龍太郎 (著)
平安時代末期、末法の世。貴族たちの権力抗争は、皇位継承をめぐる骨肉の対立と結びつき、頂点に達した。鳥羽院の崩御を機に噴きあがった戦乱は、容赦なく帝をも巻き込む。崇徳院の悲...
浄土の帝 (角川文庫)
浄土の帝
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商品説明
平安時代末期、末法の世。貴族たちの権力抗争は、皇位継承をめぐる骨肉の対立と結びつき、頂点に達した。鳥羽院の崩御を機に噴きあがった戦乱は、容赦なく帝をも巻き込む。崇徳院の悲劇、失墜する摂関家、寵臣たちの暗躍、そして美貌の后妃の思惑…。混迷を深める政情は、新たな権力者の登場を予感させる。朝廷が、帝が、権力を失っていく中で、自らの存在意義を賭けて理想を追い求めた後白河帝、激動の半生を描く歴史巨編。【「BOOK」データベースの商品解説】
末法の世、平安末期。貴族たちの抗争は皇位継承をめぐる骨肉の争いと結びつき、鳥羽院崩御を機に戦乱の炎が都を包む。朝廷が権力を失っていく中、自らの存在意義を問い理想を追い求めた後白河帝の半生を描く。【商品解説】
著者紹介
安部 龍太郎
- 略歴
- 1955年福岡県生まれ。久留米高専機械工学科を卒業後、作家を志して上京。89年から「週刊新潮」に連載した『血の日本史』でデビュー。2005年『天馬、翔ける』で第11回中山義秀文学賞を受賞。著書は他に、『彷徨える帝』『関ヶ原連判状』『信長燃ゆ』『天下布武』など多数。
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紙の本
保元、平治の乱前後の後白河法皇の苦悩を描く
2009/04/19 21:19
5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ドン・キホーテ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書のタイトルである「浄土の帝」とは、後白河法皇のことである。これを時代小説というにはやや時代が古過ぎる。そう、時代は平安時代の後期に当たる。何かと世間を騒がせた後白河法皇のおわした時代は、源平に代表される武士が台頭しようとする時代でもあった。その武士たちは貴族や朝廷に仕える身である。早い話が用心棒である。
本書では、その武士が権力に掴む前触れともなった、保元、平治の乱を通して、後白河法皇の苦悩を描いている。小説とはいえ、内容は史実のとおりである。それなら歴史書を見るのと変わらないかといえば、そんなことは毛頭ない。大いに楽しむことができた。歴史では分かっていない部分が小説として甦っているからだ。
法皇ともなれば、誰にも邪魔されずに思うがままの日々を送っていたかのように見られがちであるが、実際は、藤原摂関家、台頭著しい武士たち、そして閑院流、葉室などの藤原系貴族たちに囲まれて身動きが取れないばかりか、これらの周囲の勢力によって力を吸い取られてしまう姿を描いている。帝に対する失礼、無礼な振る舞いと、それに対する帝の意趣返しが読者の溜飲を下げてくれる。
実際の歴史の教科書などと対照してみると、教科書に書かれている史実とは、やや異なる解釈で二つの乱を描いている。たとえば、信西と同じ側に立っていたとされる後白河上皇であるが、本書では鋭く、ことごとく対立して、果ては信西を失脚させた張本人として描かれている。
この辺りが本格的な歴史小説の真髄ではないかと思う。別の角度から見ると、保元、平治の乱もこう見えるという面白さが出てくる。本書ではこの他に、帝や院はともかく、摂関家の関白である忠通などは、とても人の上に立ってリーダーシップを発揮する人材とは思われないような書き方をされている。
少なくとも帝に代わって政を司る関白が、このような体たらくでは、政も順調とはとても言えなかったであろう。政治の実権を貴族が握り、帝はその神輿に乗って神事などの儀式のみを司るという慣行では、行政が立ち行かなくなってくる。本書ではそういう下地を作り、後白河上皇が貴族や武士を向こうにまわして、政治の実権を握るという意欲を出してきたことへの必然性が語られているのではないかと考えると合点がいく。
平安時代の著名な乱前後の法皇の苦悩がよく描かれており、久々に王朝の権力闘争の実態に接することができ、リーダーの苦悩は古今東西を問わず、共通していることを改めて感じた。
紙の本
綺麗な後白河法皇
2015/08/23 16:07
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:やまだ - この投稿者のレビュー一覧を見る
後白河法皇を映画版のジャイアイン並に綺麗にした小説。
大河ドラマのように主人公を綺麗に脚色して頼りなさを多めに付け加えた感じがしました。