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福家警部補の挨拶(創元推理文庫)

福家警部補の挨拶 (創元推理文庫)

大倉 崇裕 (著)

  • 全体の評価 3.52件のユーザーレビュー
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  • 税込価格:81923pt
  • 発行年月:2008.12
  • 発送可能日:1~3日
  • 文庫

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商品説明- 「福家警部補の挨拶」

本への愛を貫く私設図書館長、退職後大学講師に転じた科警研の名主任、長年のライバルを葬った女優、良い酒を造り続けるために水火を踏む酒造会社社長—冒頭で犯人側の視点から犯行の首尾を語り、その後捜査担当の福家警部補がいかにして事件の真相を手繰り寄せていくかを描く倒叙形式の本格ミステリ。刑事コロンボ、古畑任三郎の手法で畳みかける、四編収録のシリーズ第一集。【「BOOK」データベースの商品解説】

収録作品一覧- 「福家警部補の挨拶」

最後の一冊 9−76
オッカムの剃刀 77−181
愛情のシナリオ 183−260

ユーザーレビュー- 「福家警部補の挨拶」

全体の評価
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5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2009/01/27 23:52

「あなた警部補なんですか?」「はい。よく言われます」

投稿者:どーなつ(女性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

年明けくらいにSPドラマとして放送されてるのがおもしろくて、原作があるってことで読んでみました。

現場を検分し鑑識の報告を受けて聞き込みを始める頃には、事件の真相が見えている、といういわゆる「刑事コロンボ」や「古畑任三郎」手法の短編集。
物語中でいう古畑役を演じるのが、主人公の福家警部補。この人は女性です。
「あなた警部補なんですか?」
「はい。よく言われます」
会う人会う人に同じことを尋ねられ、毎回同じ答えを返すのがお決まりのパターン。
髪はショート、小柄でふちなしメガネをかけたおっとりタイプの福家警部補が、意外にもするどい視察力で犯人を追い詰めます。
著者がコロンボの大ファンのようで、翻訳を手がけたりしたほどだとか。あとがきを読めば、著者がコロンボに投じた並々ならぬ青春の日々がひしひしと感じられます。
あらかじめ犯人が分かっていて、そのアリバイをどう切り崩していくか、という知恵同士のぶつかり合いなのですが、刑事役の福家ののんびり加減はまさしく古畑そのもの。
ちょっと風変わりで、警部補に見えなくて、警察官にまで「ちょっと一般の人はここ入らないで」と門前払いされてしまう始末。
これもほぼお決まりのパターンで、さっと手帳を見せて中に入れてもらえばすむところを、いつも手帳が行方不明(もしくは鞄の底にあってなかなか取り出せない)。
いつも「私、警部補です」なんて言ってオタオタしてる姿からは、とても冴えた推理を期待できない。
そして古畑でいうところの今泉君的役割をするのが、機動鑑識班の二岡友成。
「その人刑事ですよ」と、救いの一言を発してくれます。
でもまぁ、今泉君的とはいっても、私の中ではそんなに存在感はないんですよね。決して重要なポストとは感じられず、悪い言い方をすれば、他の人でも交代可能のポジション。

まだシリーズ第1弾なので、メインキャラ達の人間関係の動きもハッキリしていない部分があるのですが、福家警部補ののんびりとした口から発せられる、事件の真相。
彼女がどの瞬間に気づいたのか、読者が探りながら読んでみるのも楽しいと思います。
とりあえずシリーズ2弾に期待します★

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2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2012/01/31 15:49

コロンボ好きによるコロンボ形式の短編集。ひょうひょうとしていてそこがよい。

投稿者:惠。(女性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

刑事コロンボのノベライズを担当した著者による倒叙ミステリ短編集。

本書に収められている4篇ではどれも、冒頭で犯人が殺人を犯す。
本の価値を理解できない二代目「バカぼん」を事故死に見せかけようとする私設図書館の館長。
弱みを握った後輩を強盗に見せかけて殺害した元科警研勤務の大学講師。
ある役を巡って争うライバルを事故に見せかけて中毒死させた女優。
ライバル酒造の社長を事故に見せかけて殺した老舗酒造の社長。

登場する犯人は誰も、明確な殺意をもってある人物を殺す。
そしてその殺害の痕跡を偽装し、
事故死あるいは強盗に見せかけ、逮捕を免れようとする。

そこへ颯爽――ではなくって、「ぴょこん」――と現れるひとりの警部補が
明確な頭脳をもって彼らの犯行を暴いていく。

その警部補の名前は福家。
年齢不詳の童顔。
小さな背丈。
警察手帳をどこにしまったのか忘れ、
毎度毎度事件現場に入るのに苦労する。
折りたたみ傘で現れたのはいいけれど、
たたむのに四苦八苦。
どうみても器用とは程遠い。

酒に強く、
オシャレにはおそらく疎く、
映画が好き。

捜査は基本一匹狼。
タフで事件となると徹夜も厭わない。
それだけ部下の扱いも荒い。

このキャラクター、
コロンボや古畑任三郎とそっくりだ(笑)。


福家は独自の調査と明晰な頭脳を持って
犯人を追いつめていく。
いや、犯人の目星については
事件現場に一歩足を踏み入れたときにわかっていたのだろう。

あとは証拠を固めるだけ。
そのために福家は歩き、尋ね、調査する。

淡々と進む福家の調査。
淡々としたキャラクター。

犯人側も、それなりに肩書のあるひとたちだが、
淡々としている。

サラリと読めて、わたしは好き。
ただ、「サラリ」が物足りなく感じるひともいるかも。
福家のキャラに生活感がないところも
賛否のわかれるところだろうか。
おそらく著者は意図的に生活臭を排除しているのだろう。
わたしは好きだな。

NHKでドラマ化されていたみたいだけれど、
わたしは観ていない。
観たかったなぁ。

続編も刊行されているようなので
文庫化されたらぜひ読みたい。

淡々としているのに
かなりハマってしまった。

さて。
最後にとっておきのひみつをひとつ。

福家警部補は女性なのであります。
そして名前(ファーストネイム)はまだない。
(きっとこれからも、ない)



『福家警部補の挨拶』
・最後の一冊
・オッカムの剃刀
・愛情のシナリオ
・月の雫

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