- 出版社:国書刊行会
- サイズ:20cm/431p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-336-04756-4
ルルージュ事件
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- 税込価格:2,625円(75pt)
- 発行年月:2008.11
- 発送可能日:7~21日
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商品説明- 「ルルージュ事件」
一八六二年三月六日、パリ近郊のラ・ジョンシェール村で、寡婦クローディーヌ・ルルージュが殺害死体で発見された。夫人は素性を周囲に明かしておらず事件は謎につつまれる。隠された夫人の過去にはいったい何があったのか。思わぬ展開を見せる事件の前に、素人探偵タバレの親父がたどりついた驚愕の結末とは—。【「BOOK」データベースの商品解説】
パリ近郊の村で寡婦クローディーヌの殺害死体が発見された。周囲に素性を明かさなかった彼女の過去にはいったい何があったのか。素人探偵タバレの親父がたどりついた驚愕の結末とは…。世界最初の長篇ミステリ、初の完訳。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介- 「ルルージュ事件」
エミール・ガボリオ
- 略歴
- 〈エミール・ガボリオ〉1832〜73年。フランス生まれ。世界初の長篇ミステリ「ルルージュ事件」で一躍脚光を浴びる。コナン・ドイルなど、ミステリ草創期の作家に大きな影響を及ぼしたことでも知られる。
ユーザーレビュー- 「ルルージュ事件」
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
2009/01/07 21:45
刑事裁判制度について考えさせられる、世界初の長篇ミステリ。
投稿者:求羅(女性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る
「初」とか「新」とか「限定」といった謳い文句にめっぽう弱い。
さて、本書。「世界初の長篇ミステリ」である。普段ミステリをほとんど読まない私でも、これは食指が動くというもの。
短篇ミステリの記念碑的作品は、エドガー・アラン・ポーの『モルグ街の殺人』。そして、長篇ミステリとして初めて産声をあげたのが、1866年に発表されたこの『ルルージュ事件』なのである。
物語は、未亡人のルルージュ夫人が遺体で発見されるところから始まる。
警察や予審判事が捜査に乗り出すうちに、ルルージュ夫人の秘められた過去が徐々に明らかになってゆく。犯人の残した痕跡や偶然掴んだ情報から、事件発生の翌日には犯人逮捕へ。スピード解決で一件落着、に見えたのだが…。
書籍紹介には「驚愕の結末」という言葉が踊るが、事件の真相を「驚愕」と感じないことに驚いてしまった。謎解きが不得手な私でも、真犯人の正体と動機を早い段階で分かってしまうのだから、ミステリ・ファンが読めばなおさらだろう。
本書では、19世紀フランスの世相や人々の暮らしぶり、主要人物の回想が丁寧に(くどいぐらいに)書かれている。スローテンポな展開に、ルルージュ夫人が殺害された事実を忘れてしまいそうになるほどだ。
犯人探しより私が興味深かったのは、ここで描かれている1860年代フランスの捜査・裁判制度である。
予審判事は、初動捜査の段階から警察とともに行動する。しかも、彼は容疑者と並々ならぬ因縁のある人物、という設定。この制度の下では、どんなに公明正大な人物でも、予断が入ってしまうだろう。事実、冷静に判断できない予審判事・ダビュロンの苦悩が綴られている。
刑法や刑事訴訟法の趣旨のひとつは、冤罪を作らないことにあると思う。これは小説だから安心して読めるが、状況証拠や自白だけで無実の罪を着せられた人は少なくなかったのではないか、とふと思った。
ところで、エミール・ガボリオという作家を本書で初めて知ったのだが、訳者あとがきによれば、彼の作品は早くから日本で紹介されていたそうだ。
もっとも、『ルルージュ事件』でいえば、ルルージュ夫人の名前がお傳(おでん)、ダビュロンが田風呂(たぶろ)、タバレが散倉(ちちくら)といった具合に日本化されており、完全に捕物帳の世界である。翻案・抄訳は多いのに、完訳で紹介されるのは本書が初めてというのだから、日本人に人気があるのかないのかよく分からない作家だ。
なにはともあれ、今回ようやく完全な形で作品を読むことができるのは、喜ばしい限りである。







