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青年時代

  • 出版社:講談社
  • サイズ:18cm/273p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:978-4-06-214989-1

青年時代

トルストイ (著), 北御門 二郎 (訳)

  • 全体の評価 41件のユーザーレビュー
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  • 税込価格:1,26036pt
  • 発行年月:2009.1
  • 発送可能日:7~21日

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商品説明- 「青年時代」

文豪トルストイ(1828〜1910)の処女作。「トルストイへの愛を貫いた」と中野孝次が絶賛した北御門二郎の訳で、文豪の若き日々が甦る。【「BOOK」データベースの商品解説】

並大抵ではない受験の日々を乗り越え、合格で新しい交流の場が広がる。一方、父は再婚へ。家族、仲間を通して動きゆく時代を切り取る。文豪トルストイの自叙伝的小説を、北御門二郎が感性豊かに翻訳。【「TRC MARC」の商品解説】

著者紹介- 「青年時代」

トルストイ

略歴
〈トルストイ〉1828〜1910年。著書に「戦争と平和」「アンナ・カレーニナ」「復活」など。

ユーザーレビュー- 「青年時代」

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3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2009/05/12 21:11

ああ、私は若かった!

投稿者:求羅(女性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

自分の才能に自惚れたかと思えば、周囲の目がひどく気になり自信を失くす。ありのままの姿をさらけ出すのが怖くて、必要以上に自分を格好よく見せてしまう。
精一杯背伸びして大人になろうとした、あの頃―。
『幼年時代』、『少年時代』に続く、トルストイの自伝的小説第三段である本書は、青年時代の堕落と改悛、精神的発奮の目覚めまでを綴った一冊である。

若さゆえの無知と過ち、とはさすがに言い過ぎだが、周りに流され本来の自分を見失った16歳のニコライ(=トルストイ)の姿は、かなり痛々しいものがある。私自身、覚えがあるものだから、彼の心情や行動が嫌になるぐらい分かってしまうのだ。
傲慢で、世間知らずで、打たれ弱くて。
若いというのはそれ自体素晴らしいことであり、また、罪なことなのかもしれない。当人はまったく気づいていないけれど。
大人ぶって初めて吸った煙草で意識がもうろうとなり、「いよいよ自分もあの世行きかなあ」と思う場面や、気負って出かけた舞踏会で怖気づき、女性相手に「十年後の今でも思い出して恥ずかしくなるような戯言をしゃべり始めた」場面など、ユーモアたっぷりに描かれていて自然と頬がゆるむ。

少年時代の終わりにつかんだ道徳観に従ってこれからの人生を有意義に過ごしていこう、と固く決意したのも束の間、大学生活や友人との付き合いといった日々の忙しさに追われ、思想的探究心からはいつしか遠のいていく。
代わって主人公の心を占めるようになったのは、虚栄心と傲慢さ。
裕福な貴族出身の彼は、一般庶民や粗野な人間を見下し(「平民共」という表現を好んで使っていたことに驚く)、恵まれた環境にいる自分を特別な存在だと信じていた。が、そんな調子にのっていた彼に鉄槌が下る時が。
残念ながらこの『青年時代』では、主人公が自らを省み、再び精神的発奮を抱くところまでで終わっているのだが、この時の経験がのちの大作・思想につながっていくのかと思うと感慨深いものがある。

亡き訳者が「世に出るまでこのノートは守り続けてほしい。もし火事になったら一番に持ち出してくれ」と言い残したほど愛した「時代」三部作。
文豪トルストイの原点を探ることのできる作品を、名訳ならぬ“心訳”で読むことの幸せをしみじみ感じる読書体験であった。

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