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商品説明
自殺、死刑制度、脳科学、環境問題、宗教の功罪、ジェンダー。引き返せない現実を前に、いつのまにか傷ついてしまった私たちに、今いちばん必要なことは何か。哲学者森岡正博が現代の「痛みと希望」について思索する。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
森岡 正博
- 略歴
- 〈森岡正博〉1958年生まれ。哲学者。大阪府立大学人間社会学部教授。人間学・現代倫理学などを担当。研究テーマは、生命学・哲学・科学論。著書に「生命観を問いなおす」「意識通信」など。
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著者/著名人のレビュー
銃乱射事件を起こして...
ジュンク堂
銃乱射事件を起こして自殺した犯人を、彼もまた被害者であるとして追悼できるのか?
福知山線脱線事故を起こして自分もまた亡くなった運転士はどうか?
爆弾だけを積んだベニヤ板製のモーターボートで敵艦に体当たりした若者たちは何のために生きて死んだの?
学校にビオトープを作り、テレビゲームでバーチャルな田舎の夏休みを満喫、野生に還されたのに飼育場に餌を掠めに戻ってくるコウノトリの姿をみて喜ぶことに感じることはないのか?
「君が代」斉唱を拒否する人を目の当たりにしたら、どんな感情が湧くのだろう?
ずいぶん流暢になった関西弁で話しても、田舎に電話をかければ一瞬で地元の言葉が戻ってくる自分。
女一人で牛丼屋に入っても平気な都会の暮らしに気楽さを感じながら、自分が無害な人間であることを緻密に計算したさりげなさでPRし続けなければいけない都会のプレッシャーに負けそうになっている自分。
立ち並ぶピカピカしたビルの下には、大空襲で何もなくなった地面が埋まっていることを考えたことがあったか?
私は、半年に一度はこの本を読み返すことを自分に課し、考えることを思い出すきっかけにしています。
書店員レビュー
それぞれは重たいテー...
ジュンク堂書店大分店さん
それぞれは重たいテーマながら、ひとつずつの文章は簡潔で読み易く、すっと入ってくる。
死刑について、宗教について、自殺するということや差別について…
哲学者だからこそ、というよりはひとりの人間としての著者の言葉は、弱い部分も隠さないがゆえに強さを持っているように感じる。なるほどと思う人も、著者の考えにすべて賛成はできない人も、これらの問題について自分なりの答えを見つけて行く時に、この本が助けとなることだろう。
人文科学担当
紙の本
哲学は、生命学は、増殖する。
2009/03/18 00:00
6人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちひ - この投稿者のレビュー一覧を見る
物理的にも内容的にもとても軽い。とても読みやすい。それでいて、ちゃんと「哲学してる」というか、読んで終わりではなく、読んでいるこっちにも考えさせてくれる作りになっています。
1つのテーマについて、見開き2ページ分で完結するエッセイが4つずつ収録されてます。テーマは非常に多岐にわたります。赦し・死刑・自死・追悼・宗教・脳・子ども・差別・ナショナリズム・人間らしさ・男らしさ・女らしさ、などなど、いちおう23個あります。1テーマ・4つの話は完全に独立してるわけじゃなく互いに関連し合っていて、大きな1つのエッセイとしても読めます。面白い作りだと思う。
著者の提唱する「生命学」という考え方‥‥生き方にのっとって、ひとつひとつのテーマを「自分を棚上げにしない」立ち位置から丁寧に考えます。かといって、森岡さんの考えを前面に出さず、「(感じて・考えて)このように行動した」という事実だけを提示し、こちらに考えさせる記事も多数あります。思考が「ふわーっ」とひろげられていく感じです。
テーマといい、書き方といい、字数といい、たぶん各大学・高校等で入試問題その他に広く広く使われていきそうな気がします。感想文を書かせても良いだろうし、小論文も書けるだろうし、国語の読解にも使えると思います。短くて良いし、逆に長めの文章が欲しかったら4つつなげれば良いし。
そんな感じで、読むだけではなく、わたしの中のもやもやを整理するヒントとしても使わせていただいています。
哲学は、そして生命学は、たぶん増殖していくものなのです。