- 出版社:晋遊舎
- サイズ:19cm/194p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-88380-910-3
野武士のグルメ
- 全体の評価
(1件のユーザーレビュー)
- あなたの評価
この商品を評価して本棚に反映
評価しました! ×
- 税込価格:1,050円(30pt)
- 発行年月:2009.2
- 発送可能日:7~21日
- 本
- 今なら本も電子書籍も全て【ポイント3倍】!!
- hontoポイントスタート記念!文庫もコミックも電子書籍もCDもDVDも全てhontoポイントが3倍!
商品説明- 「野武士のグルメ」
オイシイ、マズイがすべてじゃない! メシとはつまり物語なんだ! ロング&ベストセラーマンガの原作者が描く、ひとりメシの美学。これぞ「孤独のグルメ」の素。【「TRC MARC」の商品解説】
関連キーワード- 「野武士のグルメ」
ユーザーレビュー- 「野武士のグルメ」
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
2009/05/22 14:14
旨い飯が食いたくば野武士を目指せ!
投稿者:らせん(女性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る
『かっこいいスキヤキ』『孤独のグルメ』の2大グルメマンガの原作者である久住昌之さんのエッセイ集です。
テーマは“外食”それもミシュランを意識したような高級グルメではなく、庶民飯である居酒屋、ラーメン屋、定食屋を主な舞台にした孤高のひとりメシを語った痛快エッセイです。
このエッセイの面白いところはB級グルメの味うんぬんではなく、久住さんの食に対する過剰な偏愛ぶりと、氏が志向してやまない“野武士”にあります。
この本の表題でもある“野武士”とは「腹が減ったその時、店がそこにあれば入る、なければ入らない」ただそれだけの、愚直なまでにシンプルかつ図太い食事態度を指しており、著者の久住さんはいつもこのような気概を持って食に挑むのですが、残念なことに久住さん自身はかなりの小心で、初めての店に入るときは逡巡し、入れば入ったで店の細かい雰囲気が気になるタチで、およそ“野武士”とは対極にある人物です。
そんな自分を自嘲しつつも心には“野武士”への憧れを秘めて、まずい定食には怒り、そのような店を選んだ自己を責め、流行りのラーメン店の店員の揃いTシャツ&バンダナ&注文の大声復唱を斬り、群れるサラリーマンの飲み会を乾いた目線で冷笑するとといった具合に、正にリアル井之頭五郎(@孤独のグルメ)いやむしろ漫画以上にディープなひとりメシ道が書かれているのです。
さらに読み進めるとわかりますが、野武士的図太さの裏には、野武士的リリカルな部分があって、母の戦時中のおはぎにまつわる思い出『おはぎと兵隊』や4年前に亡くなった漫画家の杉浦日向子さんと飲んだ時を綴った『死んだ杉浦日向子と飲む』などは、思いの外グッと心に沁みる味わいでした。
この本で語られているのは、つまるところ食よりはむしろ、小心な野武士が捉えた食をめぐる「人々の風景」と「自らの心の風景」という2つの風景なのだと思いました。
先に「漫画以上にディープなひとりメシ道」と書きましたが、原案を漫画化するという作業は、ある種の洗練だと思います。
このエッセイには漫画化という別の行程を経て洗練される手前、久住さんが捉えた2つの風景から得たファーストインパクトが濃縮されており、そこが何ともディープだなと。
久住漫画の愛読者はもちろん、未読者もそのディープインパクト(笑)にハマると抜けられなくなるかも。
そしてこの本を読むと無性に久住さんと食事がしたくなります。
心で捉えた風景をおかずに、旨い食事をしている人だと思うからです。
一緒に井の頭公園で焼きそばを食べてビールを飲んで、食から得られる「純粋で無垢な悦び」をご相伴にあずかりたいものです。
食べることへの飽くなき好奇心と幸せがこの本には詰まっています。







