- 出版社:早川書房
- サイズ:16cm/489p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-15-177502-4
イスタンブールの毒蛇 (ハヤカワ・ミステリ文庫)
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- 税込価格:945円(27pt)
- 発行年月:2009.4
- 発送可能日:1~3日
- 本 文庫
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商品説明- 「イスタンブールの毒蛇」
スルタンが病床に臥し、オスマントルコの帝都には不安が渦巻いていた。そんなさなか、宦官ヤシムの友人の八百屋が何者かに襲撃される事件が起きる。背後にはギリシャ独立運動が?一方でヤシムのもとにはフランス人考古学者が転げこんできた。聞けば、何者かに追われているらしい。彼の脱出を助けたことから、ヤシムはますます事件の深みへ…『イスタンブールの群狼』でエドガー賞に輝いた著者が贈る、シリーズ第二弾。【「BOOK」データベースの商品解説】
ユーザーレビュー- 「イスタンブールの毒蛇」
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
2009/06/25 16:29
宦官の探偵はなすの料理をしながら、恋に落ちて…謎を解く
投稿者:うみひこ(女性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る
この物語の主人公、ヤシム・トアル、通称ヤシム・エフェンディ(旦那さんという意味)は、宦官で、スルタンやその母后の信任が厚い探偵だ。
こうきいて、いわゆる宦官というイメージ、女性化したハーレムの黒人奴隷、または召使いを思い描かないで欲しい。
ヤシムの容貌はまるで違う。自由で、優しい物腰の白人の40がらみの紳士。町で、自由気ままにに暮らしている。でも、いざとなれば、「宮殿の御用だ」と呟くと、まるで魔法のように道が開けていって、宮殿まで自由に入っていける身分なのだ。それが、町の者にも知れ渡っている。不思議な暗黙の了解に満ちた町、イスタンブールを感じるところだ。
彼の趣味はフランスの小説を読むことと、料理だ。だから、町の極上の野菜を出す八百屋や、まるで穴蔵のような古本屋とも懇意だ。
だが、そのお気に入りのギリシャ人の八百屋が誰かに襲われたらしい。
「ヘタイラ党」の仕業、と聞き出したところから、ギリシャとトルコの長い歴史上の戦いに連なる不穏な動きを、ヤシムは追いかけていくことになる。
木曜日には、ヤシムの料理を楽しみに、親友のポーランド大使が、必ずズブロッカやワインを持って現れる。だが、今回は、フランス人の考古学者が付いてくる。傍若無人なこの男が、やがて、何者かにつけねらわれている助けてくれと、ヤシムの部屋に逃げ込んでくる。彼が、フランスへ脱出する手助けをしたことから、ヤシムは、彼を追い求めるものたちの危険な騒動に巻き込まれていく。
さらに、地下水を仕切る古いギルドの職人の事件にも、ヤシムは関わっていく。イスタンブールの町の地下深くを、読者も彷徨うことになる。
やがて、物語は、バイロンのギリシャ独立運動にまで、さかのぼり、様々な謎をヤシムは解き明かしていくのだ。
この謎に満ちた町、イスタンブールでは、混沌が解き明かされるようで、決して最後までほどけきらないようだ。
そんなイスタンブールをするりと駆け抜けていく、ヤシムの物語を読んだ読者は、トルコの歴史を知りたい、ヤシムの作る料理を味わってみたい、ハーレムの実態を知ってみたい等々の、トルコへの興味を様々に抱くに違いない。
巻末には、訳者の懇切丁寧なトルコ料理の解説もある。
ヤシムと一緒にトルコ名物のなす料理を作りながら、この探偵と共に、もう暫くイスタンブールの謎を解き明かして行こう。







