- 出版社:太田出版
- サイズ:20cm/209,5p
- 利用対象:研究者
- ISBN:978-4-7783-1171-1
おいしいコーヒーの経済論 「キリマンジャロ」の苦い現実
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- 税込価格:1,995円(57pt)
- 発行年月:2009.6
- 発送可能日:1~3日
- 本 専門書
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商品説明- 「おいしいコーヒーの経済論 「キリマンジャロ」の苦い現実」
コーヒーをめぐる知識と知恵と提案が満載! コーヒーの経済研究の第一人者が、コーヒーをおいしく飲んで世界の仕組みを少しはマシにする方法や、コーヒーの価格が生産者から見て数百倍になっている理由などを解説する。【「TRC MARC」の商品解説】
目次- 「おいしいコーヒーの経済論 「キリマンジャロ」の苦い現実」
- 第1章 コーヒーのおいしさ
- 1 コーヒーの香味
- 2 おいしいコーヒーの五区分
- 3 「キリマンジャロ」の表示情報
- 第2章 「キリマンジャロ」の生産者たち
- 1 「神の山」キリマンジャロ
- 2 コーヒー畑の父系制分割相続
- 3 コーヒー販売の役割
- 4 コーヒー危機を経て
- 5 女性の一日
著者紹介- 「おいしいコーヒーの経済論 「キリマンジャロ」の苦い現実」
辻村 英之
- 略歴
- 〈辻村英之〉京都大学大学院農学研究科准教授(農業組織経営学専攻)。農学博士(農林経済学)。著書に「コーヒーと南北問題」「南部アフリカの農村協同組合」がある。
書店員レビュー- 「おいしいコーヒーの経済論 「キリマンジャロ」の苦い現実」

コーヒー好きには「...
ジュンク堂さん
コーヒー好きには「苦く渋い」本かもしれない。しかし「苦み」や「渋み」の値うちがわかるようになったのは皆大人になってから。本書はそういう意味でまさしく大人の味がする。日本で人気の酸味の強い豆キリマンジャロの生産地に焦点をあて、経済格差や児童労働等のさまざまな問題点を指摘。一杯のコーヒーの向こうには発展途上国の人々の貧しい暮らしが存在する現実を、決して忘れてはならない。
ユーザーレビュー- 「おいしいコーヒーの経済論 「キリマンジャロ」の苦い現実」
5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
2010/02/28 21:30
とっつきにくさはあるものの
投稿者:mikimaru(女性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る
レギュラー、ドリップ、インスタントなど、さまざまな形で日常生活に浸透しているコーヒー。わたしも一日二杯を目安に家で飲んでいるが、数種類の豆を買い置きしてかわるがわる楽しんでいる。なくてはならない飲み物であり、日常の一部だ。
日本人が外出先のカフェで、安くて二百円以上の金額を払っているコーヒーに対し、いったい生産者はどれくらいの賃金を得ているのか。生産国から遠く離れた日本の消費者には想像も難しいそんな問題を含めて、生産から流通への仕組みを解説するのが本書。
歴史的に砂糖や香辛料が、そして近世以降のバナナがそうであったように、残念ながらコーヒーもまた搾取の上に成り立っている。フェアトレードなどの言葉も聞かれるようになってはきたが、消費者に問題意識が浸透しないうちは企業もあまり力を入れないものらしく、まだフェアトレードによる豆の流通はかなり低く抑えられているのが現実のようだ。
本書は、著者が交流を深めているタンザニアのルカニ村の状況を詳細に記しつつ、日本のコーヒー産業や、世界的な市場における多国籍企業の存在など、幅広い話題を扱う。書き下ろしではなく業界紙などへ寄稿したものを再編集しているためか、全体としてのまとまりや、読みやすさに欠けるのが残念ではあるが、資料価値はある。
内容は、おおまかに
++++++++++
○ コーヒーのおいしさ
○ 「キリマンジャロ」の生産者たち
○ コーヒーのグローバル・フードシステム
○ コーヒーの価格形成の不公正さ
○ ポスト構造調整とフェア・トレード
○ キリマンジャロの農家経済経営
○ 日本のコーヒー産業の特質とフェア・トレード
○ コーヒー危機を超えて
++++++++++
本書の見出しなどいくつかの場所で、キリマンジャロにカギ括弧がついて「キリマンジャロ」となっているのは、日本における表示規制(1993年以降に完全実施)において、タンザニア産アラビカコーヒー豆(ブコバ地区でとれるアラビカコーヒーを除く)をキリマンジャロと表示してよいことになった(p.159)ためであり、実際には(山の)キリマンジャロに近いのは北部の豆なのだが、そうではない南部の豆(安価)も「キリマンジャロ」となった、という意味合いのため。
すんなり頭にはいる本ではないかもしれないが、とりあえず読んで損はなかった。
15人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
2009/10/02 22:37
苦い読後感
投稿者:塩津計(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る
期待を大きく裏切られた。まことに「苦い読後感」と言わざるをえない。何というか、発想がサヨクなんだよね。もうはじめからアンチグローバリズムで筆を起こしちゃうあたり。あるいはニューヨークの商品相場でキリマンジャロのコーヒーの値段が決まっちゃうことを理不尽と憤っちゃうあたり。もう発想が完全に「サヨク」「弱者の味方(気取り)」。でもさあ、価格って、市場で決まるんだよね。生産者がいれば消費者がいる。生産者はできるだけ高く売りたい。消費者はできるだけ安くて美味しいものを買いたい。これが決まるのが市場で、それはかなりの部分、生産者と消費者の力関係で決まるんだな。全世界の25%のコーヒーがアメリカで消費されているなら、アメリカでコーヒーの値段が決まるのは理不尽でも何でもない。それをさあ、たまたま「キリマンジャロ」のコーヒーが好きだからってさあ、嘆いてみてもはじまらないんだよね。本書は著者が毎年必ずホームステイしちゃうというタンザイニアの寒村での滞在記が大半を占める。貧乏なタンザニアの貧乏な人々の暮らしをさあ、これでもか、これでもかと書かれてもさ、いっちゃっている人にはいいかもしれないけど(無農薬野菜にこっちゃうようなスッピン主義のおばさんとか)、普通の消費者には、こんなアフリカの話されても共感しようがないんだよね。「いやならやめれば」としか言いようがない。別にキリマンジャロのコーヒーがなくなっても私は全く困らない。私が好きなのは酸っぱいキリマンジャロではなくパンチの利いたマンデリンだからだ。こんな失敗した社会主義の手入れの行き届かないコーヒー農家の話されても、どうしようもないよね。整然と整地されたブラジルの大コーヒー農場の写真を見せられると「やっぱ、こうじゃないとね、農業は」と思うし。まして「フェアトレードプレミアム」を払えって説教垂れられてもねえ。「払いたい人が払えば。私はいやだけど」としか言いようがない。まるで成田の空港反対運動に取り組んでいる中核派が、作らないでもよい農産物を空港建設予定地で勝手に作って「これ、高く買って」と言われているようでねえ、なんかウソ臭いんだよね。こんなミクロの話ばっかりじゃなくて、著者にはもっとマクロな話を面白おかしく素人をもぐいぐい引き込む筆致を期待していたんだが、よかったのは装丁だけで、中身はまことにお粗末な内容でありました。
もちろん参考になった部分もたくさんあります。1981年に比べ従来型の喫茶店の数が2004年には54.1%にまで激減したとか、バカ高いブルーマウンテンが、実はUCCを含む日本の会社が作り出したマーケッティングの産物で、世界でブルーマウンテンを飲んでいるのは、じつは日本だけみたいな話は参考になった(要するにブルーマウンテンなんか飲む必要ないということ!)。







