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なきすぎてはいけない

  • 出版社:岩崎書店
  • サイズ:25cm/1冊(ページ付なし)
  • 利用対象:幼児 小学生
  • ISBN:978-4-265-07023-7

なきすぎてはいけない (えほんのぼうけん)

内田 麟太郎 (作), たかす かずみ (絵)

  • 全体の評価 4.52件のユーザーレビュー
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  • 税込価格:1,36539pt
  • 発行年月:2009.5
  • 発送可能日:24時間
  • 絵本

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商品説明- 「なきすぎてはいけない」

人はだれでもいつかは亡くなります。おじいちゃん子だった孫にとって祖父の死は最初の試練かもしれません。愛しい孫へ、勇気づけ希望になるメッセージを残したい。そんな思いが全篇からにじみ出てきます。【「BOOK」データベースの商品解説】

泣いてもいい。でも、泣きすぎてはいけない。私が好きなおまえは、笑っていたおまえだから−。だれもが経験する大切な人との「お別れの日」。見守り続けたいと願う祖父の孫への愛情を描いた、切なくて優しさあふれる絵本。【「TRC MARC」の商品解説】

著者紹介- 「なきすぎてはいけない」

内田 麟太郎

略歴
〈内田麟太郎〉1941年福岡県生まれ。絵本に「狂言えほん」シリーズなど。
〈たかすかずみ〉1957年福岡県生まれ。作品に「ゆうえんちはおやすみ」「ポリンはポリン」など。

ユーザーレビュー- 「なきすぎてはいけない」

全体の評価
4.5
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8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2009/06/02 14:17

時の巡りゆく先にコタエがあるとしたら

投稿者:wildflower(女性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

たかすかずみさんの挿絵は
どこまでもあわく、やわらかく
それ自体がおじいちゃんとの追憶をなぞっているかのようで
せつなく美しい。

おじいちゃんと少年と、ふたりでかさを差しながら
虹を見あげている表紙。
そして
「なきすぎてはいけない」のタイトル。

既に、その喪失の哀しみは1冊の本のまわりから
滲み出ている。

冒頭
雨のバス停で、少年はまだおじいちゃんの死を
しらないままで待っている。
大のなかよしだったおじいちゃんと、少年の
きらきらするような思い出が
おじいちゃんの声とともに流れはじめる――。



 わすれていい わたしのことは
 わすれたくても わすれられないのだから

 でも ときはわすれさせてくれる
 それは やさしい いのちのしくみ



おじいちゃんは亡くなったその瞬間から
年をとらず
少年だけが
次第に
すこぅしずつ、大きくなっていく。


この台詞が聞こえてくるのは
まさに青年となったかつての少年が
空を見あげているあたり


時の流れ
死というもの
泣いても哀しんでも
やがて時は過ぎて
いのちも
やがておじいちゃんから、少年へ
その少年がおじいちゃんになっていくであろう
その先の先まで
巡っていくのだ、淡々と。

やがて
少年がおじいちゃんになり
かつての自分のように
孫をやさしくみつめるようになったとき
はじめて
遺されたコタエに、気がつくのだろう。
彼が託された
逝く者から生きる者にわたされたバトンに。
そして、ただ、ひとこと「アァ」と解るのだろう。

哀しみを越えて
時もはるかに越えたあたりに
そのコタエはそっと待っているのだ。


おじいちゃんの遺言のような
さいごの一言
「わたしがすきだったのは 
 わらっているおまえだったのだから」

だから、なきすぎてはいけないよと
おじいちゃんは語りかける。


少年は、いつか笑える日がくるだろうか?
それともうんと泣くのだろうか。

描かれているのは
空白の椅子がひとつ。
その空白が、今の少年に遺された
宿題のような気がしてならない。

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4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2009/10/19 14:19

かけがえのない命(=絆)の尊さを伝えてくれる一冊

投稿者:迷子の子猫ちゃん(女性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

 “輪廻”を辞書で引くと、仏教の基本的概念では、人は、生と死を繰り返していること、とある。この本は、“輪廻(=輪廻転生)”を知らない子どもにも、身近な人の死を通して、生きるということ、死ぬということの意味を伝えてくれる絵本である。

 なぜ、“輪廻”を思わせられたのか、というと「わすれていい わたしのことは わすれたくても わすれられないのだから でも ときは わすれさせてくれる それは やさしい いのちのしくみ」とあるからだ。子どもに何かを伝えるには、実際に経験すること(させること)、だと私は思う。だが、死んだら何も伝えられないし、残されたものは悲しみと寂しさでいっぱいになって、この本の《おまえ(孫)》のように、泣きすぎてしまうのは仕方のないことだろう。

 10歳、20歳、30歳・・・歳を重ねながら、悲しみを乗り越え、いつかは、自分と同じように《おまえ》にも出番がやってくることを、「-おじいさんから もらっていた いのちのバトンに」という言葉に凝縮しているのではないか。この《バトン》を絶やさないことは、死ぬことよりも、難しいことのように私は思う。だからこそ、一生に一度しか手にできない《バトン》という“絆”を大切にし、笑顔いっぱいの人生を振り返られる自分であろうと、強く思えた。

 やさしい言葉と、ぬくもりを感じる絵が、心にじんわりと沁みこんでいく一冊である。

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