- 出版社:新潮社
- サイズ:20cm/256p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-10-450710-8
ころころろ (「しゃばけ」シリーズ)
- 全体の評価
(3件のユーザーレビュー)
- あなたの評価
この商品を評価して本棚に反映
評価しました! ×
- 税込価格:1,470円(42pt)
- 発行年月:2009.7
- 発送可能日:24時間
- 本
- 今なら本も電子書籍も全て【ポイント3倍】!!
- hontoポイントスタート記念!文庫もコミックも電子書籍もCDもDVDも全てhontoポイントが3倍!
商品説明- 「ころころろ」
摩訶不思議な妖怪たちに守られながら、今日も元気に(?)寝込んでいる江戸有数の大店の若だんな・一太郎。ある朝起きると、目から光りが奪われていた!その理由は、空前絶後のとばっちり?長崎屋絶体絶命の危機に、若だんなが名推理。だけど光りの奪還には、暗雲が垂れこめて—。佐助は妻と暮らし始め、どうなる、若だんな?絶好調「しゃばけ」シリーズ第八弾。【「BOOK」データベースの商品解説】
若だんなの目から光が奪われたって? 早くみんなで取り戻さないと! でも、一体誰が盗んだの? 頼れるようでどこかズレてる妖たちが、力を合わせてお江戸の町を大捜索! 「しゃばけ」シリーズ第8弾。【「TRC MARC」の商品解説】
収録作品一覧- 「ころころろ」
| はじめての | 5−51 | |
|---|---|---|
| ほねぬすびと | 53−101 | |
| ころころろ | 103−154 |
著者紹介- 「ころころろ」
畠中 恵
- 略歴
- 〈畠中恵〉高知県生まれ。名古屋造形芸術短期大学ビジュアルデザインコース・イラスト科卒。「しゃばけ」で日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞してデビュー。ほかの著書に「いっちばん」など。
ユーザーレビュー- 「ころころろ」
7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
2009/08/14 13:50
「置き去りにされた」と思う心が、鬼の闇
投稿者:菊理媛(女性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る
おなじみのシリーズも8巻めなりました(末広がりで、お目出たい♪)
さて、あまりにお目出たくてか、新刊『ころころろ』では、若旦那の“お目”玉が、つまみ“出”され、もってかれてしまうようです(洒落ですか?)
しかし、毎度おなじみ病弱で外出もままならない若旦那が失明したとて、どうせ普段から寝てばかりいるんだから大差ないようにも思えてしまうのですが、家はおろか離れから出もしないのに、転んだりぶつけたりと、まことに器用に危ない目にあってしまうとあって、大事な若旦那には、超甘々の両親と、超々甘々のふたりの兄やをはじめとする甘々面々は、人も妖もこの椿事に大弱りの大騒ぎとなります。
大事な若旦那の災難だけでも、心配マックスの兄やに、若旦那の母であり大妖皮衣の娘、おたえを悲しませたのは、兄やふたりの「守りがだらしないからだ」と、おたえの守狐から責められて、キレたふたりは、「鼠捕り」よろしく、神様をエサでつってつかまえてしまえと、罰当たりな行動に出ます。
そんな単純な罠に神様ともあろうお方が引っかかるものか? と思いきや、そこがこのシリーズに出てくる“人ならぬ者たち”らしいところとでもいうのでしょうか、あっさり捕まった神様は、若旦那とその親衛隊の妖し連中に交換条件を出します。その勝負に勝利して、若旦那の「光」を取り戻すことができるのか?
必死に玉を求めるあまり、「神様捕り」にひっかかってしまうちょっと間抜けな(?)神様。今回初登場の品陀和気命(ほむだわけのみこと)は、生目神社に祭られる目の神様。その神社に備える鎮壇具(ちんだんぐ)の七宝玉が全編を通してのキーワードとなってます。
個人的におもしろかったのが、神さまが出した「問題」に出てきた『桃太郎』についての妖たちの解釈。実は私も「桃太郎のやったことってどーよ?」と思っていたので、「そうそう、その通り!」と膝を打って賛同してしまいました。昔話って、端折ってあったり、「めでたし、めでたし」と終わるので、大団円で終わったかのように思い込んでいますが、後で冷静に考えてみると筋が通らないことがままありますね。
いにしえからの日本における神と人との交わりは、時にやさしく、時におそろしく。祀ったり、祟ったり。捧げたり、奪ったり。祈ったり、封じ込めたりと、一面だけでは理解が難しいかかわりかたをしてきた歴史があります。神の時間と人の時間のタイムラグ。神や妖からみれば、人の時間は儚くも短くて。
「神とはいかなる者なのか」
日本人なんだから、日本の神様がいかなるものか、そして古来から人間と神はどのようにかかわり、どのように接し、また距離を置いてきたのかを、さらっと程度には知っておく必要がある気になってくる今回のお話。
神様は偉い人? 神様は祟る人? 神様に貢物、神様に人身御供。神様って怖い存在だから畏れ敬われるのか、慈悲深い存在だから祀られ敬われるのか。
すくなくとも、このシリーズにおける神様は、とっても人間的。いや、鬼だって妖だって、とっても人間的。理由があって恐ろしく、理由があって悲しい存在として描かれます。
兄やふたりも、それぞれに“鬼”を相手に大活躍。けれど、やっぱり病弱な若旦那の大活躍には適わない?
今回も人情味あふれる(?)妖怪たちの活躍で、やさしさが“ころころろ”と転がって、この世もあの世も、誰かを失って鬼になるなら、誰かを守って何になるのでしょう?
置いてゆく身と置き去りにされる身は、さてどちらが辛いのか。置き去りにされた事が辛いのか、それとも「置き去りにされたと思う心」が痛いのか。
それが神であっても鬼であっても、ましてや儚い人の身ならなおのこと、いつか来る別れを思へば疼くような胸の痛みが、仁吉の「我らはすっと、側におりますからね」の一言に、それが事実であろうとなかろうと、少し慰められた気がします。
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
2009/11/29 14:00
表題の「ころころろ」の意味はなんだろうか?
投稿者:萬寿生(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る
ファンタジーノベル大賞優秀賞「しゃばけ」シリーズの五話からなる短編集。心優しい妖怪達と病弱若旦那一太郎との物語。これまでのおもな作品の設定年代より主人公が数年若い時の話から始まる、一連の連作ものになっている。新たな登場人物(妖怪、神)が多数現れる。これまでの登場人物(妖怪)もいろいろと活躍する。五話中の二話の主人公は、それぞれ若旦那の守役の仁吉(白沢)と佐助(犬神)である。そしてこの五話に共通の狂言まわしになる役者は、目の神様である生目神である。本来の主人公一太郎は目の見えない状態が続く。相変わらず思いやりのある話の展開が続くと共に、最後はしんみりとさせられる。
ところで、表題の「ころころろ」の意味はなんだろうか?。黄泉の銭の転がる音を表現しているだけなのか?。
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
2009/08/26 16:38
取り戻せないものもある・・・。だから今を大切に。
投稿者:ゆこりん(女性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る
「大変だ!若だんなの目が見えなくなった!!」
大事な大事な跡取り息子の一太郎の目が突然見えなくなり、長崎屋は大騒ぎ。手代の仁吉と佐助はその原因を探るべく行動を開始するのだが・・・。五つの話を収録。「しゃばけシリーズ」第8弾。
一番最初の話「はじめての」は、一太郎が12歳のときの話だ。「なぜそんな昔の話を今頃?」という謎は、読み進むうちに徐々に解き明かされていく。五つの物語は連作のようになっていて、ちゃんとつながっていくのだ。若だんなの目から光が奪われた原因は、思いもよらぬことだった・・・。
人間でも妖でも、思いのままにならないことはある。そして、神さえも自分の思い通りにはできないことがある。過ぎ去ってしまった時間、去って行った愛しい人。取り戻せないつらさや悲しさを味わうのは人間だけではない。不変なものなどこの世の中にはない。時は流れ、人は年を取っていく。出会いがあれば別れがある。だからこそ、今を大切に生きなければならないと思う。おかしさの中にもホロリとしたものを感じさせる作品だった。







