紙の本
コミュニティ
2022/11/27 01:54
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投稿者:イシカミハサミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
日常の違和感の先にある
男女間にある短編集。
世の道理を超えた不思議があったりなかったりするけれど、
どれも魅力的な暗さがあって目が離せない。
電子書籍
色んなタイプが楽しめる
2018/05/17 15:46
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投稿者:おいも - この投稿者のレビュー一覧を見る
短篇6篇。不倫絡みの話が多めだけど、1つ1つ趣が違うので、飽きずに読める。1つを除いてホラーのようなイヤミスのような話なのだけれども、オチに近づくまでホラーであることを忘れてしまうような話が多い。それでいて、現実的なワケありの人たちの生活を描いているせいか、全体にホラーとは違ったどよんとした暗さを漂わせている。どれも短いのに濃くて最後に一本取られた気分に。特に『絆』と『恨み祓い師』はラストでやられたっ!表題作『コミュニティ』の異様さも好き。
紙の本
ホラーにブラックユーモアに不倫のお話。ごちゃまぜ短編集。
2011/06/30 10:11
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投稿者:惠。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
『純愛小説』を読んで、好きかもっ!!!と思って二度目ましてで本書を手にとってみたのだけれど、期待値には届かなかった。
ブラックの効いたちょっと恋愛もありの短編集。不倫のおはなしも登場する。不倫のお話って、あまり得意じゃない。身勝手な人が多すぎるから。それは男も女も。そして今回もやはり身勝手なひとたちが現れる。
「オトナの恋」といえば聞こえがいいけれど、当事者目線の御都合の良い耳触りのいいことばでしかない。その伴侶やパートナーの立場になって考えると、肉体関係よりもプラトニックな、精神的結びつきのほうが堪えることもあるだろう。やるせないし、口惜しいし、腹立たしい。
不倫の話ってやっぱりいやだなぁ。肉体関係のあるお話も、精神的結びつきのお話も。本書にはそのどちらもが一篇ずつ収録されている。
表題作は、ある団地の狭いコミュニティでのおはなし。これは恐ろしかった。ホラーと言っても過言ではない。生身の人間が紡ぎだす恐ろしさに勝るものはない。
一番のお気に入りは冒頭の『永久保存』。可笑しくって哀しい。そして恐ろしい。でもちょっと笑ってしまう。恐ろしいのだけれど、ね。こういうの、好きだなぁ。今邑彩が短編でよく描く世界観だ。
文章が悪いというわけではないのだけれど、もっと色々と削れるような気がしてならない。どのお話も全体的にぼやけてしまっているように感じられる。悪くはないのだけれど、もういいかな。やっぱり、不倫モチーフが多そうだし。
『コミュニティ』収録作品
・永久保存
・ポケットの中の晩餐
・絆
・夜のジンファンデル
・恨み祓い師
・コミュニティ
紙の本
粘つく不気味さ
2021/01/21 16:30
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投稿者:なみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
「永久保存」のブラックさが、一番気楽だった。
他は、じっとり、どんよりと重い雰囲気の作品で、粘つくような不気味さが残る。
夕暮れに一本違う道に入りこんだら、見知らぬ場所にいた、というような違和感のある、短編集だった。
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◆あらすじ◆
欲望、妬み……、ふとしたきっかけで、自分の中に潜む闇が表出し、人生が思わぬ方向に転がりはじめる。
日常を突き詰めて、あぶり出される恐怖、奇妙さ、甘美を多彩に紡ぐ短編集。
不況のあおりをうけて、引越しした団地での人間関係の濃さに戸惑う家族を描く表題作「コミュニティ」、大人の恋愛の切なさを美しく綴る「夜のジンファンデル」などデビュー当時から約10年間に発表された秀作を収録。
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短編小説集
欲望、妬み…、
ふとしたきっかけで、自分の中に潜む闇が表出し、人生が思わぬ方向に転がりはじめる。
日常を突き詰めて、あぶり出される恐怖、奇妙さ、甘美を多彩に紡ぐ短編集。
不況のあおりをうけて、引越した団地での人間関係の濃さに戸惑う家族を描く表題作「コミュニティ」、
大人の恋愛の切なさを美しく綴る「夜のジンファンデル」など
デビュー当時から約10年間に発表された秀作を収録。(by Amazon)
先日読んだ「夜のジンファンデル」が入っていました。
その他のものもなんだか奥深くてちょっと怖いようなものばかり。
こういう物語って結構好きかも。
篠田さんの文章が読みやすいから引き込まれるし。
表題作の不気味さはなかなか印象深いかも。
というわけで★は4つ。
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欲望、妬み・・・、ふとしたきっかけで、自分の中に潜む闇が表出し、
人生が思わぬ方向に転がりはじめる。
日常を突き詰めて、あぶり出される恐怖、奇妙さ
甘美を多彩に紡ぐ6つの短編集です。
篠田節子さんの本は短編の方が読みやすいですね。
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現代ホラーの短編集。
篠田節子さんの本は、女達のジハードが非常に共感できる部分が多く、
何度もよんでいたので、他の本はどうだろうかと思って手に取った。
いまいち・・。
最後のコミュニティ-に関しては、
バリキャリの人対団地妻という、数ある話と同じなのか、
と思ったが切り口が斬新。でも確かにこういうことはあるのではないか。
と思わせるところはさすがだなと思った。
他の短編は、中途半端な感が否めない。ので★★。
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とてもよくできた短編集だと思う。
短編小説らしいキリリとした作品ばかり。
予想外にブラックな話が集まっていた。
永久保存
…お役所内部の嫌ーな人間関係の話。
ポケットの中の晩餐
…芸術家の故郷の思い出。
絆
…バブルと不倫と手切れ金の別荘。
これは主人公、気付かないのは馬鹿すぎる 笑
ただの都合のいい女。惚れた弱みで気付けないものなんだろうか。
夜のジンファンデル
…大人の恋愛小説。読み終わってジーンとした。解説もよかった。
恨み祓い師
…つましく暮らす老母子の話。怖い。ほんと妖怪じみてる。
コミュニティ
…さびれた団地の奇妙な共同体。これが一番ぞっとする話かな?
でもこういう暮らしをしている部族とか世界の中には普通にありそう。
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日常が非日常へ、そして奇妙な世界に自分自身転がってしまっているのではないか、そんな感覚を持たせてくれる作品。
たまに時と時の流れがプツッと切れてしまうような印象はありましたが、私個人的にはまぁまぁ楽しんで読めました。
何か1つあげるとすれば…「夜のジンファンデル」。
他の作品が奇妙さを取り巻いているのであれば、こちらは美しくも儚く且つ官能的な雰囲気を纏っている。
大人の切なく甘美な恋愛。
読後、ぜひジンファンデルを食べてみたくなりました。
2009年7月25日初版
目次
・永久保存
・パケットの中の晩餐
・絆
・夜のジンファンデル
・恨み祓い師
・コミュニティ
解説 吉田伸子
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単行本 夜のジンファンデル を文庫にする際に、改題したもの
永久保存
ポケットの中の晩餐
絆
恨み祓い師
コミュニティ
どこか斜に構えた篠田節子の筆が奮う。
恐怖小説のようで、推理小説のようで、、、
篠田節子入門としていい。
ジンファンデルが葡萄の名前だと知りました。
コミュニティは、怖いっていうか、本当の「コミュニティ」だというか。。。
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ほんの少しの間違いでそれが故意かどうかはわからなくても、日常には常に闇が隣り合せになっている。その間違いが闇に転落する可能性はたぶん私が思っている以上に高い。
殺人も他人ごとではない。当事者なのか被害者なのか。紙一重。
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6話の短編集であるが、人間のエゴ、嫉み、欲望、傲慢さが、転落へと転がり込む様の書き方は、流石、篠田節子氏。
「永久保存」「ポケットの中の晩餐」は、ホラー小説と言っていいのでは、怖い話である。
「絆」は、こんな事故が、あったように思える展開であった。
「夜のジンファンデル」は恋愛小説であろうか?、作者の造詣の深さを、海外の場所、ワインの葡萄のナパ、ソノマ、等、日ごろ、目につかない所を、描いている。
「恨み祓い師」は、長命な親子の話だが、普通だったら、なんでもない事なのに、描かれている話は、やはり、怖い物語。
「コミュニティ」は、都心から、離れて住むようになった家族の物語だが、団地の人たちの中に溶け込んでいいのか?、、、人間関係と言う枠を超えた付き合いの程度が、ねちっこく、怖い話である。
やはり、この本は、底辺に、ブラックユーモアでなく、ホラーを主にしているような作品だと、思う。
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6編収録。ホラーぽい短編集。
永久保存 / パケットの中の晩餐 / 絆 / 夜のジンファンデ / 恨み祓い師 / コミュニティ
表題作「コミュニティ」
引越先のさびれた団地での濃い人間関係、予想された展開とは大きく異なり、一番面白かった。
(図書館)
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2006年に刊行された単行本『夜のジンファンデル』を改題して文庫化。収録されているのは「永久保存」、「ポケットの中の晩餐」、「絆」、「夜のジンファンデル」、「恨み祓い師」、「コミュニティ」の6編。文庫化に当たり表題作を変更したのはどういう意図があってのことか深読みしてしまいます。というのも、ホラーの名手による本作は、「夜のジンファンデル」を除くと、いずれもジワッと嫌な感じ。それが「夜の〜」のみ、あきらかに趣を異にしています。ある男女がダブル不倫に陥りそうになりながらも踏みとどまって50代間近、片方が突然死を迎えてしまうという、切ないと言えば切ない、煮え切らないといえば煮え切らない1編。あとの5編は自信過剰のパワハラ課長、軽度の知的障害を持つ同級生の女性をいわばヤリ逃げした男性、不倫相手への手切れ金として不良物件を押しつけた男、恨みだけで生きながらえてきた老母娘、そして文庫の表題作は「みんな家族」という設定が恐ろしい。これらのなかで異質だった「夜の〜」が控えに回ったのは、そんな切ない話よりも、嫌な話のほうが売りやすいからかと思わずにはいられません。ホラーを想定すればさして怖くもなく、ただ「嫌な感じ」で終わってしまうのが物足りなく嫌な感じ(笑)。篠田節子ならばもう少し読み応えのある長編のほうが私は好きです。