- 出版社:岩崎書店
- サイズ:24×31cm/1冊(ページ付なし)
- 利用対象:幼児
- ISBN:978-4-265-81052-9
ともだちのしるしだよ
カレン・リン・ウィリアムズ (作), カードラ・モハメッド (作), ダーグ・チャーカ (絵), 小林 葵 (訳)
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- 税込価格:1,680円(48pt)
- 発行年月:2009.9
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商品説明- 「ともだちのしるしだよ」
なんみんキャンプにくらす、リナとフェローザ。ふたりのしょうじょがかたほうずつみつけたいっそくのサンダルは、かけがえのないゆうじょうのあかしとなったのでした。「なぜ、わたしたちみたいなこどもをえがいたほんがないの?」という、ひとりのなんみんのしょうじょのことばをきっかけにうまれたものがたり。いたばし国際絵本翻訳大賞受賞作品。【「BOOK」データベースの商品解説】
【「いたばし国際絵本翻訳大賞」最優秀翻訳大賞(英語部門)(第15回)】リナが救援物資の中に見つけた、片っぽだけのサンダル。もう片方を持っていたのは、足を腫らした少女フェローザだった−。1足のサンダルによって結ばれた、難民キャンプに暮らす少女たちの友情物語。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介- 「ともだちのしるしだよ」
カレン・リン・ウィリアムズ
- 略歴
- 〈カレン・リン・ウィリアムズ〉世界中の子どもたちが直面している難題をテーマにしている作家。難民支援のボランティア活動に従事。
〈ダーグ・チャーカ〉画家。児童書の挿絵を多数手がける。プラット・インスティチュートでイラストを教えている。
ユーザーレビュー- 「ともだちのしるしだよ」
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
2009/09/25 00:08
この物語の向こうに多くの難民の子ども達がいる。
投稿者:wildcat(女性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書のストーリーについては、うっちーさんの書評に詳しい。
救援物資を受け取るときに、
偶然、同じサンダルを片方ずつ手にしたリナとフェローザの物語である。
ふたりは、同じサンダルを分け合うことを通して
―1足をふたりものとして交互に履き、
ときにはみんなに笑われながらも片方ずつ履いたりもして―
仲良くなっていく。
リナは、戦争で父と姉を失い、
母と弟達とともに夜中に難民キャンプに逃げてきた。
フェローザも戦争で家族を失い、肉親はもう祖母しかいない。
彼女達は、男の子だけが行くことが許されている学校の外で
中を覗きながら名前を綴る練習をしたり、
ラマダーンの前には思い出話や夢を語り合ったりして、
同じ時間を過ごしてきた。
ところが、ある日、ふたりの道は大きく分かれることになる。
そのときふたりは・・・。
本書の原題は、『Four Feet, Two Sandals』である。
いかにもそのまんまのタイトルであるが、その直截な表現にも味がある。
邦題には、「リナ」と「フェローザ」をつなぐ言葉、
「ともだちのしるしだよ」が使われている。
『バスラの図書館員』から続けて本書を手にしたからかもしれないが、
様々な国の政情が反映した市民の生活を描いた物語が、
子どもも読める絵本という形で入手しやすくなっているように思う。
自分自身もその方向にアンテナを立てて
いろいろな本を読んでみたいと思うし、
子供たちにとっても、絵本が世界の様々な子ども達のことを知る
機会を与えるものであってほしいと思う。
作者のカレン・リン・ウィリアムズは、
「世界中の子どもたちが直面している難題をテーマにしている作家」で、
「難民支援のボランティア活動に従事」しているという。
まだ、日本語に訳された本は本書だけのようだが、
他の作品も読んでみたいと思った。
訳者は、1992年生まれで、都立高校に在学中だそうである。
若い作り手が増えることは大いに歓迎したいと思う。
本書は、ピッツバーグ難民センターの所長である
カードラ・モハメッドと難民の人たちの体験に基づいているという。
「なぜ、私達みたいな子どもを描いた本がないの?」という、
ひとりの難民の少女の言葉をきっかけに生まれた、
この物語の向こうに、何人もの「リナ」と「フェローザ」がいるのだ。
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
2010/04/23 16:10
子ども達に国際理解を促し、戦争と平和について考える機会を与えてくれる絵本
投稿者:まざあぐうす(女性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る
緑のない山々、砂煙があがりそうな土、立ちならぶ粗末なテント…。
絵本の舞台はアフガニスタンとパキスタンの国境にあるベシャワールの難民キャンプ。表紙には、頭をスカーフで覆った二人の女の子が一足のサンダルを片足ずつはいて仲よく歩いている姿が描かれています。
名まえは、リナとフェローザ、二人は救援物資の中から偶然同じサンダルを片方ずつ手にしました。リナは戦争で父と姉を亡くし、幼い弟を背負って母親と逃げて来ました。もう2年間も靴をはいていませんでした。フェローザは家族を戦争で亡くし、祖母と二人だけ、その足はひびわれて腫れていました。
「はじめまして、こんにちは」とあいさつするリナにフェローザはことばを返すことなく姿を消しましたが、翌朝、「かたほうだけはいているなんて へんだって、おばあちゃんが いうの」と言ってリナにサンダルを手渡しにきました。そんなフェローザに、リナがサンダルを二人で交互に履くことを提案します。その日から一足のサンダルが二人の少女の間で「ともだちのしるし」となりました。
毎日いっしょに並んで水汲みをしたり、地面に字を書いて勉強したり、テントの中で思い出や夢を語り合ったり…、難民キャンプという過酷な環境の下で一足のサンダルを分け合いながら育まれた友情の物語、作者の一人であるカードラ・モハメッド(米国ペンシルヴァニア州のピッツバーグ難民センター所長)の実体験から生まれました。
遠景の山々の壮大なシーンから、救援物資を求めて並ぶ人々の足、わずかに流れる水、限られた井戸から水を汲む人々がそれぞれクローズアップして描かれ、難民キャンプの極限状況を生き抜く幼い二人の健気な姿がリアルな質感と温もりをもって伝わってきます。アメリカにわたることが決まったリナとキャンプに残るフェローザの別れのシーンは圧巻です。戦争で何もかも失い、疲れ、傷ついたであろう幼い二人の心に宿る確かなやさしさと思いやりに胸を打たれました。
本書は板橋区立「いたばしボローニャ子ども絵本館」主催の翻訳コンクールで第15回「いたばし国際絵本翻訳大賞最優秀翻訳大賞」を受賞した作品です。翻訳者である小林葵氏は1992年生まれ、受賞当時、現役の高校生でした。リナとフェローザのことばがいきいきと伝わってくるのが魅力のひとつでしょう。英語の原題は「Four Feet, Two Sandals」、たった一足のサンダルを分け合うという二人の純粋な心を象徴しています。「ともだちのしるしだよ」はリナのことば、絵本の邦題としてふさわしいことばではないでしょうか。子ども達に国際理解を促し、戦争と平和について考える機会を与えてくれる絵本です。
本書は社団法人全国学校図書協議会主催の第56回青少年読書感想文全国コンクール課題図書の小学校中学年に選定されています。日本の多くの子ども達に、戦争によって、友だちや家族とわかれ、故郷をはなれなければならない難民の子ども達のことを心に深く留めてほしいと思います。
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
2009/09/12 20:20
ひとつのものを分けあおうと思える気持ち。それが友情のはじまりだった。
投稿者:うっちー(女性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る
作者のあとがきによると、この作品を書いていたとき、世界には2000万人以上の難民がいたのだとか。そして、その大半は、子どもたちなのだそうです。
作品の舞台は、アフガニスタンとパキスタンの国境にあるベシャワールの難民キャンプ。戦争が何年も続き、国民は、ふるさとを捨て、逃げ延びるしかありませんでした。そんな人たちが住むのが「難民キャンプ」。そこで出会ったふたりの少女リナとフェローザの物語です。
二人は、救援活動の人たちが持ってきた古着の中から、一足のサンダルを手に取ります。けれども、それは、同じサンダルの片方ずつだったのです。リナとフェローザは、始めは話そうともせず、片方ずつ履いて別れていきましたが、次の日、フェローザが「かたほうだけはいてるなんて、へんだって」と、リナにサンダルを渡しに来ます。
そこで、リナは、ふたりで交代に履くことを提案。サンダルを「ふたりのものだよ」と言い、それは「ともだちのしるしだよ」と伝えます。こうしてふたりは仲良くなるのですが…。
家族やふるさとや友だちや、あらゆるものから引き離され、生きていかなければならない子どもたちがいること、難民キャンプの厳しい生活の様子が、ベシャワールの風や土を感じさせる丁寧なタッチの絵からもしっかりと伝わります。
なにより、人間らしさをも失ってしまいがちな厳しい環境の中でも、相手を思いやる心を失わなかったリナとフェローザの思いには心をうたれます。何も持たないふたりだけれど、それでも、分け合おうとする優しさ!
ふたりの少女の気持ちが美しいだけに、その悲しさも胸にせまり、絵本を読んだ後、つくづく難民の子どもたちの幸せを祈らずにはいられませんでした。ぜひ、子どもたちにも読んであげたい絵本。









