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ノーサンガー・アビー(ちくま文庫)

  • 出版社:筑摩書房
  • レーベル:ちくま文庫
  • サイズ:15cm/392p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:978-4-480-42633-8

ノーサンガー・アビー (ちくま文庫)

ジェイン・オースティン (著), 中野 康司 (訳)

  • 全体の評価 42件のユーザーレビュー
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  • 税込価格:99828pt
  • 発行年月:2009.9
  • 発送可能日:1~3日
  • 文庫

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商品説明- 「ノーサンガー・アビー」

17歳の平凡な少女キャサリンは、リゾート地バースで恋に落ち、由緒あるお屋敷に招待されて有頂天。古めかしいお屋敷で、愛読中のゴシック小説に出てくるようなホラー体験ができる、と大喜びでノーサンガー・アビーに出かける。ところが、小説の読みすぎでキャサリンの妄想はとんでもない方向に…。オースティン初期の辛口ラブコメディー。定評ある読みやすい新訳で初の文庫化。【「BOOK」データベースの商品解説】

ユーザーレビュー- 「ノーサンガー・アビー」

全体の評価
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評価内訳 全て(2件)
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5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2009/12/09 13:32

世間知らずなキャサリンのどたばたラブコメディ

投稿者:k**(女性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

オースティンの作品は『高慢と偏見』に続きこれで2作目。

粗筋は簡単にいえば、17歳のキャサリンがリゾート地バースを訪れ、社交界デビューし、そこで出会ったヘンリーに恋に落ち、大好きなホラー小説のような『ノーサンガー・アビー』に招待され、そしてヘンリーと・・・という話。無事、ラストを迎えるまで、世間知らずのキャサリンは多くのトラブルに見舞われます。

そして、こうしたトラブルの中で、たくさんのドキドキわくわくした気持ちやキュンキュンときめく気持ちを思う存分に(いや、正直に言えば、もっとずっと味わっていたかった!)味わうことができました。

筆者が語り手として差し挟む皮肉な解説も楽しいし、主人公キャサリンをはじめ、ヘンリーもエリナーも時々登場するアレン氏も大変魅力的に描かれていたと思います。
対するジョン・ソープのうざさもある意味、素晴らしい。

オースティンの初期の作品だそうですが、彼女が小説に懸ける熱い思いがじんじんと伝わってくる気がします。

ところで、小さい頃(というか今も)、『秘密の花園』にものすごく憧れ、ミステリアスな雰囲気の漂うお屋敷に住むことを夢想していた私にはキャサリンの気持ちがとてもよくわかります。
そしてキャサリンに負けず劣らず、この『ノーサンガー・アビー』の世界のヒロインに私もなりたい!!と思いました。

この読後感はくせになりそう。

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6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2009/10/03 18:01

平凡なヒロインが繰り広げる、妄想爆裂ラブコメ。

投稿者:求羅(女性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

ジェイン・オースティン6長篇の中で唯一文庫化されていなかった小説が、ついに(というかやっと)新訳で登場。
この『ノーサンガー・アビー』は、オースティン22、3歳頃に書かれた初期の作品である。紆余曲折を経て出版されたのは、執筆から20年近く経ってからのこと。

ヒロインも作者も若いためか、なんとも初々しい作品である。本書を読むときは、できればまっさらな気持ちで。傑作とは言い難いものの、瑞々しく軽やかなタッチは読んでいて心浮き立つものがある。
主人公のキャサリン・モーランドは、田舎育ちの17歳。とりたてて美人でもなく、才能に恵まれているでもなく、波乱万丈の人生を送ってきた訳でもない。いわゆる「普通の」女の子だ。作中では、この「平凡なヒロイン」ということが繰り返し強調される。というのはこれまでの小説では、過酷な運命を耐え忍んで成長するヒロインが一般的だったからだ。

極論すると本書の特徴は、「何も起こらない」ことである。
ゴシック小説好きのキャサリンは、物語のような出来事が起きることを期待するが、きまって肩透かしを食らってしまう。どこまでも暴走するキャサリンの妄想ぶりが、痛々しいぐらいに笑える。文系女子は昔も今も妄想癖、もとい想像力のたくましい人種なのだ。
オースティンはこの作品を通して、既存のヒロイン像に異を唱え、主流だったゴシック小説のパロディに仕立てることで、新たな小説の形を提示してみせる。後の作品にも通じるように、作者のまなざしは人びとの暮らしぶりやとりとめのない会話といった、身近な日常に向けられているのである。それが、たんなるラブコメでは終わらないオースティン作品の奥深さだろう。

ただ、その諧謔精神と気概は買うが、ストーリーとしては少々おもしろみに欠ける。ヘンリー・ティルニーとのロマンスはなんのひねりもなく展開していくし、ラストはやけにあっけない。『エマ』や『高慢と偏見』から入った読者は、物足りなく感じるのではないか。
とはいえ、ここに登場する3組の兄妹の書き分けは見事。とりわけ、自己中なキャサリンとジョン兄妹の描写にくると、作者の持ち前の辛辣さは滅法冴えわたる。良きにつけ悪しきにつけ、子どもというのは親の影響を受けずにはいられないものなのだろう。タイプの異なるそれぞれの家庭をみて、「平凡、万歳」とひとりごちた私である。

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