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- カテゴリ:一般
- 発売日:2009/09/01
- 出版社: 東洋経済新報社
- サイズ:20cm/198p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-492-04346-2
読割 50
紙の本
だから人は本を読む
著者 福原 義春 (著)
私という人間は、今まで読んだ本に編集されて、でき上がっているのかもしれない−。経済界随一の読書家といわれる資生堂名誉会長による、文字・活字文化の継承に向けた提言。著者が影...
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商品説明
私という人間は、今まで読んだ本に編集されて、でき上がっているのかもしれない−。経済界随一の読書家といわれる資生堂名誉会長による、文字・活字文化の継承に向けた提言。著者が影響を受けてきた本も紹介する。〔「教養読書」(2018年刊)に改題,加筆修正〕【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
福原 義春
- 略歴
- 〈福原義春〉1931年東京生まれ。慶応義塾大学経済学部卒業。資生堂名誉会長。東京都写真美術館館長。著書に「ぼくの複線人生」「猫と小石とディアギレフ」など。
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紙の本
福原流「読書のすすめ」
2009/11/17 08:27
7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者の福原義春氏は資生堂の第十代社長であり、現在同社の名誉会長である。いうなれば、超一流企業のトップである。その氏がビジネス書ではなく、読書について書いたのが本書である。しかも、けっして片手間に書かれたものではなく、実に内容の濃い「読書のすすめ」といっていい。
いかにして「読書人」福原義春氏が誕生したかは、たくさんの書名が列記される、本書の第一章「私の読書体験」に詳しい。その章のおわりにこうある。「私という人間は今まで読んだ本を編集してでき上がっているのかもしれない。逆にいえば本によって編集されたのが私だ」(41頁)。そんな氏だからこそ、現代の「読書離れ」現象には厳しいものがある。
「どうして本を大学や図書館や書店の店頭に積み上げたままにしておくのか。それは人生にとっての”偉大な損失”ではないだろうか」(2頁)「忙しい時期にこそ一日十分でも本を読んで、吸収した栄養をその時からの人生に、仕事に役立てるべきなのだ」(4頁)。まことに同感である。
本がすべてではないが、少なくとも本は私たちの人生をより豊かにしてくれる。氏の「読書のすすめ」に教えられることは多い。
そして、福原氏は読む側だけに厳しいのではない。本を作る側、あるいは販売する側にも、第六章「出版・活字文化の大いなる課題」で苦言を呈している。
「本を消費財化してしま」っている出版界、書き手の意欲を高めない編集者、プロデューサー不在の出版社、不親切な書店、ベストセラーばかりを揃える図書館。そして、無関心な読者。
本を愛するゆえの苦言だと思うが、それらはやはりそれぞれ真摯に受けとめるべきだ。そうしないと、本当に本文化は滅び去ってしまう。
読書は楽しいだけではない。時には悲しい思いもするし、記憶することに終始することもある。あるいは、深く感銘し、生きる糧ともなるだろう。
読書を苦手にする人もいること自体は致し方ない。そういう人にも読書の素晴らしいさを、少しでもわかってもらいたい。読書を愛するものとして、本に満たされるものとして、福原義春氏のこの本を強く薦める。
◆この書評のこぼれ話は「本のブログ ほん☆たす」でご覧いただけます。