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月下の恋人(光文社文庫)

  • 出版社:光文社
  • レーベル:光文社文庫
  • サイズ:16cm/302p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:978-4-334-74642-1

月下の恋人 (光文社文庫)

浅田 次郎 (著)

  • 全体の評価 3.51件のユーザーレビュー
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  • 税込価格:58016pt
  • 発行年月:2009.9
  • 発送可能日:24時間
  • 文庫

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商品説明- 「月下の恋人」

恋人に別れを告げるために訪れた海辺の宿で起こった奇跡を描いた表題作「月下の恋人」。ぼろアパートの隣の部屋に住む、間抜けだけど生真面目でちょっと憎めない駄目ヤクザの物語「風蕭蕭」。夏休みに友人と入ったお化け屋敷のアルバイトで経験した怪奇譚「適当なアルバイト」…。珠玉の十一篇を収録。【「BOOK」データベースの商品解説】

収録作品一覧- 「月下の恋人」

情夜 5−30
告白 31−60
適当なアルバイト 61−88

ユーザーレビュー- 「月下の恋人」

全体の評価
3.5
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3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2009/11/23 11:21

表紙の色がきれいだった。

投稿者:野棘かな(女性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

書店に並ぶ文庫化されたこの本に気がついて「色がきれいだな」としばし足を止めてみつめた。
表紙と同じくらい、ちょっと題名にもひかれる「月下の恋人」は11の短編が収録されている。

最初に「月下の恋人」から読んだ。
どこにでもあるような恋人同士の別れのはずだった。
海を見に行こうよと、雅子は言った。
海岸を走り導かれるように見知らぬ岬の付け根の入り江に着き、海辺の旅館に泊まった。
そこから先は、スポットにでも入り込んだように、一夜の不可思議な体験をする。
ぐずぐずと独りよがりな想像ばかりしている男と悲しい目でそれをみつめる女。
だが、関係に終止符をうつに足りるというべきだろう心象風景に出会った二人。
これは男側の目で綴られた話だが、女側の目から綴る話をつくるとさぞ面白いだろうと一人ひそかに笑った。

「黒い森」は、謎のまま、中途半端な謎のまま終わった。
謎解きをするヒントがもう少しあれば、不毛な想像をしなくて済むし、そうなんだよね、人にはいろいろあるよね、とそれなりに納得し、釈然としない思いは残らなかったと思う。


「回転扉」は、読み始めてすぐ記憶の底から甦る何かがあった。
読みながら読み人にデジャヴを感じさせ、思い出そうと苦慮させる作品なのだろうか。
結局思い出せなかったが、団塊世代以前の作家の匂いを感じたのかもしれない。

「忘れじの宿」が一番印象に残った。
話しの内容ではなく、元大部屋女優らしい女の過去に惹かれ女の話をもっと聞きたかったし、忘れる壷に興味深々になった。
「忘れとうても忘れられへんことは、おつむから下がってきて、ここで痼になります。どないしまひょか。ほぐしてしまえば、きれいさっぱり忘れはりますえ」
と私にも言ってほしい。
忘れる壷、そんな壷があるなら是が非でもおしえていただきたい。
「ほぐして」と私なら即答するだろう。

ほか、情夜、告白、適当なアルバイト、風蕭蕭、同じ棲、あなたに会いたい、冬の旅、「月下の恋人」補遺。

どれも男性視線の面白い短編だと思ったが、できれば最後はなるほどと感じさせる作品にしてほしい。
そういう嗜好なのでしょうか、曖昧が好きなのでしょうか、そういう時代の人なのでしょうか。
読み人に、どうにでも受け取れるような煙に巻くような筋に持って行かないで、そうなんだよな、人生ってそうなんですよね浅田さんと言わせるような話の作りにしてほしい。
怪談は怪談で、不思議系は不思議系でいいのだが、浅田さんには、もっとさっぱりと人生の機微や人間の根幹に触れる小気味良い短編を書いてほしい。
視点がぶれない、鋭い洞察、それでいてやさしい視線、文体に品がある作家さんだから。
もっとチカラ強く読み人を引っ張って、人生ってこういうものなんだよ、わかるかい、僕はそう思うと言ってほしい時もある。

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