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商品説明
政治家・小沢一郎は何を考え、日本を何処へ導こうとしているのか。小沢研究20年の第一人者が、スクープやエピソード満載で、行動原理、思考パターン、弱点のすべてを明かす。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
渡辺 乾介
- 略歴
- 〈渡辺乾介〉1943年生まれ。新潟県出身。上智大学文学部新聞学科中退。政治ジャーナリスト。著書に「還流」「あの人」、ケニー鍋島の名で原作を手がけた政治漫画「票田のトラクター」などがある。
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紙の本
もうろくした権力狂
2009/12/15 02:59
17人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:佐伯洋一 - この投稿者のレビュー一覧を見る
小沢一郎ほど評価に困る政治家はいない。政治を知る人ほど、その評価に困り、右も左も彼に対する評価はできないで「いた」。私自身も彼への評価はほかの小沢関連の書評のなかでも必ず留保していた。専攻している学問の関連上、政治を常に動かしている卓越した何かを持つ小沢についても当然研究した。売国奴という言葉、または政治家への否定的評価というのはよほど慎重にやるべきである。だから、留保していた。
本書では、むしろ小沢の知りえなかった功績も書かれている。それだけでも読む価値はある。そして、小沢にある程度肯定的な本書を通読して、それで完全に結論が出た。
小沢一郎は、卓越なる政治力を持ちつつも、健全なる愛国心が欠落しているただの政治屋だったのである。つまり、彼は、ある政治目標をまず立てる。ここの動機が愛国心であれば、小沢は間違いなくここ半世紀最大の政治家であったろう。ここが愛国心だったのが、中曽根総理で、能力も無論卓越していた。しかし、小沢の政治目標の動機はおそらく自らの利権、政治力を固める勢力固めなどなど複合的な動機で、どうも時によって異なっているらしい。だからこそ、みんな右も左も、小沢への評価ができなかったのであろう。
そして、目標を立てたら、国益なぞどこかぶっとばして、マキャベリスティックに突き進む。ここが「剛腕」といわれる由縁である。手段を選ばないが、貫徹力がすさまじいのだ。亀井静香も若干似ているかもしれないが、彼には複合的動機のなかに時折国益が大きく介入してくる。ここが小沢との天と地の差である。が、貫徹力ははるかに及ばない。小沢の分析はおそらくもう間違いないと思う。
本書では、小沢の欠点を人に感謝しないところだという。たしかに、本書に挙げられている事例を見れば大きくそこが人望を失ってきた経緯に符号している。だが、小沢評価に小沢の欠点なんかどっちだっていい。要は、愛国心があるかどうかなのである。愛国心さえあれば、議論ができるのである。こっちのが国のためになると説得することができる。政治というのは、間接民主制を採る以上少数精鋭による議論の場であるべきで、初めから愛国心のないものは政治家になる資格などない。政治は、国家に資することだけをしなくてはいけない。時にそれがある個人にとってマイナスなこともある。しかし、それは憲法29条3項の補償やらでカバーする。
懐古主義的全体主義と異なるのは、現代では民主主義であり、治者と被治者が同じ集団に属する以上、国家と個人の利益というのはほぼ重なる点である。また、少数の意見は比例代表制で15分に担保されている。
本書では、日米構造協議の内幕に切り込んでいない。石原慎太郎はここでの彼の米国への行動をもって信用し難いという評価をいち早く決めていたようだ。
小沢は、天皇陛下の1カ月ルールを平気で破り、あまつさえ、誠を貫いた宮内庁長官を記者会見で非難している。そして居丈高に、誤った憲法論をぶちまいている。なにが内閣の助言と承認だ。陛下が内閣の命令を聞かなければならないなどという条文は一条もない。憲法上、内閣は単なる行政機関の長であり、象徴であられる陛下に偉そうに命令をたれる権限などない。宮内庁というのは庁とはいっても陛下への伝達機関である以上、宮内庁への命令は陛下への命令そのものである。助言と承認が通用するのは7条に規定されているものに限定される。
おまけに、外国人への地方参政権付与という約束まで中韓に取り付けた。小沢ももうろくしたもので、もう小沢もそろそろ限界ということだろう。外人への参政権付与が国民主権という憲法違反であることは当然のこと、そもそも一体どんな利益が国家国民にあるというのか。何一つとしてない。ちなみに、外国がとくに韓国が外人へ参政権を付与しているなどと反論する無知がいるが、条文をみてみれば、ほぼ与えてないに等しい。もちろん、中国は選挙などないので、日本人が選挙権を得ることなど金輪際ない。
これから、地方が国家なみに権力をもつ。そこに、反日的な朝鮮人たちがごそっと集まると、どうなるか。気づいたらそこは占領ということにもなりかねない。現実に、最高裁の判例で、在日がたむろしている地域について事実上裁判権を放棄しているものがあることを忘れるなかれ。地方参政権の次は、国政への選挙権である。真の狙いは国政選挙であるという目的を誤るなかれ。こういうのをやろうという者をすなわち売国奴というのでR。
ごり押しを貫く、もうろくした権力狂小沢一郎について、今読むべきはまず本書かもしれない。小沢の事績を知り、そして、もう躊躇わず小沢への評価をしてほしい。なんのことはない。ただの平凡な小政治家であるということが分かると思う。