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老朽マンションの奇跡

  • 出版社:新潮社
  • サイズ:20cm/253p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:978-4-10-476103-6

老朽マンションの奇跡

井形 慶子 (著)

  • 全体の評価 3.53件のユーザーレビュー
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  • 税込価格:1,57545pt
  • 発行年月:2009.11
  • 発送可能日:7~21日

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商品説明- 「老朽マンションの奇跡」

住みたい街No.1の吉祥寺で、築35年のメゾネットを500万円で買って「ロンドンフラット」に再生! 不況の今だからこそ叶う住宅取得の裏ワザが炸裂する、疾風怒濤のドキュメンタリー。【「TRC MARC」の商品解説】

著者紹介- 「老朽マンションの奇跡」

井形 慶子

略歴
〈井形慶子〉長崎県生まれ。28歳で出版社を立ち上げ、情報誌『ミスター・パートナー』を発刊。出版社経営のかたわら、イギリスについての著作を執筆。ザ・ナショナル・トラストブランド顧問。

関連キーワード- 「老朽マンションの奇跡」

ユーザーレビュー- 「老朽マンションの奇跡」

全体の評価
3.5
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9人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2010/07/15 15:33

この本を読んだから、即、格安物件をゲットできると思ってはいけません。が、著者の住まうことに対する提言には力があります。

投稿者:甲斐小泉(女性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

 小さなライフスタイル提案型出版社を営む著者が若手社員ハヤト君の住宅難解決と絡めて、人気スポット吉祥寺で取得した格安ボロボロ物件を、すばらしいリノベーションマンション、コンセプトは「たそがれロンドンフラット」に変身させるまでのセミドキュメンタリー。

 著者は英国通として有名で、沢山の本を著し、大量生産大量廃棄で成り立つ日本の暮らしの不健康さを憂いて来た。特に、建て終わった瞬間から価値が下がり続けるしかなく、地震大国とは言え、極度に寿命の短い使い捨て住宅と、古いほど価値があり、手を入れて長く住み継ぐ英国の住宅との比較については、時に英国かぶれと揶揄されかねない部分もあるにせよ、なるほどと思わされて来た。

 今回も、上京した若者が独り立ちできないどころか、借金地獄へも落ち兼ねない元凶として、異常に高くつくのに、少しも豊かではない東京等、大都市の住宅事情があるという問題提起を行っていて、首都圏出身の自分には見えないでいたものを教えて貰った感じである。

 著者がいわば家道楽であり、何軒もの家に住み、自身も持てる力を駆使して低予算で理想的な家を建てたという経験のある目利きで、なお且つ、商売気を越えてバックアップしてくれる三井リハウス社員などの強力サポーターがいる等、一般の人が住宅を入手しようとする時よりはるかに有利な状態なので、この本を読んでも、誰でもが格安物件を手にする事は出来ないと思うが(サイドストーリーとして登場するエピソード:社員のために、ひと芝居を打って、高級マンションの大幅値引きを引き出す辺りは、素人、まして初めて住宅を購入しようと言う人にはとても思いつかないワザ)、そのポリシーには学ぶべきところが多々ある。

 あてがいぶちで我慢してしまったり、「今が買い時」と煽られてしまい、本当の意味での買い時とずれた時期に無理してしまったり、妥協してしまったり・・・バブルの最中、どんどん値上がりするマンション価格。高倍率の抽選などなど、まさしく煽られてしまって、後から考えればかなり不利な条件であった我が家を買ってしまった事をほろ苦く思い出してしまった。買い得と買い時は違う。まさしくその通り。

 みんな面倒を避けたくて新築住居、築浅住居を欲しがるというのを著者自身が何度も感じながらのスケルトンリフォーム。これには、三井リハウス社員から紹介してもらったリフォーム業者の力に預かる部分が大きい。途中のトラブルなども書いてあるので、何もかも順調とは言えず、むしろ古い物件だけに、様々なトラブルがあったものの、基本的に誠実な「老朽公団に強い」業者の尽力を得て、おんぼろマンションは見事なまでに大変身。そこへ、冒頭の、若手社員ハヤト君(彼は住宅のために借金をこしらえ、彼女に振られ・・・その後、悪名高きゼロゼロ物件に入居していた)をいざない、めでたし、めでたし!の大円団を迎えるのである。

 マンションの入手~リフォームのレポートと同時に、エコロジカル住宅など、富裕層ばかりに目が向き、地に足が着いていない住宅政策に対する批判(古い公団住宅等、空き家だらけの一方、若者の生活が成り立たないほど貧困な住宅事情がある)、提言が盛り込まれていて、説得力がある。確かに、リノベーションは面倒くさいが・・・業者に限らず、行政まで、手間要らずでパッとお金が舞い込む新築物件ばかりに目が行くのはどんなものだろうか。住宅のような大きなものまでも手間隙をかけず、安易に、使い捨てをする、異イギリス通の著者の憤りは、現在の日本のダメさの根本を突いているように思う。

 印象的だったのは、情報の力、人と人とのつながりである。そして、手間を惜しまない事。仕事を通して培った眼力や人脈、家建築を通して知り合った人たちを、みんなサポーターにしてしまえる著者の力量と、手間を惜しまない気力・根性があってこそ、格安物件を上手に入手し、低予算で素晴らしい物件に大変身させる事が出来たのだ。 格安に素敵な家を入手したいと考える人たちは、まずそういうものを得るところからスタートしないといけないだろう。

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8人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2010/02/11 15:06

「家を、あきらめない。」と帯にあるが、「夢を、あきらめない。」ということだと思う。「夢」を「人生」に置き換えても良いけれど。

投稿者:栗太郎(女性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

 今の時代、「定住」することにはリスクがある。隣人トラブル、地方自治体の財政破綻、住環境の悪化。住まいを買ってしまえば、簡単に引っ越すわけにはいかない。
  根無し草のリスクより、私はずっとそちらの方が怖かった。
だが、この本を読んで、自分の家を持つのも良いものだと感じた。家を買うこと=定住ではないのだ。まあ、年収の何倍ものローンは論外だが。
 それくらい、「たそれがれロンドンフラット」は魅力的だった。


 この本を、ただラッキーな話として読む人がいれば、それは違う。著者は確かに、吉祥寺徒歩8分のマンションを500万円という破格の値段で手に入れた。最初に見た売り出し価格は1280万だったというから、さらに凄い。
 物ごとの表面だけ見れば、ふらりと立ち寄った不動産屋で掘り出し物に出会ったラッキーな話なのだが、本当の意味で、彼女がこのマンションと出会え、そして購入することができたのは、10年以上に渡り500件以上の物件を見て歩いてきた経験と、そこで培われた人的ネットワークのおかげなのだ。
 夢のような話と指をくわえて羨み、棚から牡丹餅を待っているだけの人には、この幸運は訪れない。


 金額の大小に係らず家を買うのは容易なことではないし、物件を手に入れた後も、リフォーム業者との闘いが待っている。著者は業者と闘い、業者と共に闘う。老朽化マンションゆえに次々浮かび上がる問題点を、一つずつつぶしていく。理想の住まいを手に入れるために。
 
 諦めない、投げ出さない、妥協しない。
 
 9ページにもわたる口絵にはふんだんに、マンションの写真が載っている。リフォーム前とリフォーム後は、某番組ではないが、劇的に違う。200万と時間、労力を惜しんだら、手に入ることはなかった、まさに夢の住まいである。

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10人中、10人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2010/03/10 22:51

全ての人が出来る方法ではない。

投稿者:lance(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る

ボロボロのアパートや戸建てを購入し、リフォームの上、賃貸に出す本は数種ある。これらの本には、肝心の、激安で物件を購入するノウハウが出ていない。
対して、この本には物件購入の経緯から、全てが公開されている。その意味で新鮮である。
しかし、その方法は、あまり真似が出来ないのではないか。
(1)購入時の値引き交渉が厳しすぎて、一般には決裂するのではないか?
(2)物件の現地案内をしてくれた不動産屋さんを通さず他の業者を使っているが、通常はトラブルになることが多い。
(3)リフォーム受託会社は、明らかに受注金額の倍以上の出費があったであろう。理由は工期が倍以上にかかっているからだ。それもやり直しなどもさせていることにより。よって、通常は追加請求が来ることが多いのではないか?
(4)この点に関しては、本が出ることで宣伝にもなるので、相殺になっているかも知れない。
(5)リフォーム代は200万円といっているが、この中には施主支給分の金額が入っていない。これが明らかにならないと、全体像がつかみにくい。
(6)管理費や積立、借地の地代はどれくらいなのかも、記して欲しかった。
(7)新築マンションの値引き例も紹介されているが、この方法も一般人にはトリッキーすぎる。※具体的方法は、ぜひ読んで検討してください。
というわけで、かなり特殊な例ではある。それでも、住居にそんなにかけてどうするの?
いろいろと工夫をすればもっと良い方法はあるという著者の主張は新鮮であり、説得力がある。全体としては、本の中で一番参考になる点は、間違いなく物件探しのところだと思う。これは考えて見れば当たり前の方法ではあるが、読むと再確認させられる。

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