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生活保障 排除しない社会へ(岩波新書 新赤版)
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  • カテゴリ:一般
  • 発行年月:2009.11
  • 出版社: 岩波書店
  • レーベル: 岩波新書 新赤版
  • サイズ:18cm/228,6p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:978-4-00-431216-1
  • 国内送料無料
新書

紙の本

生活保障 排除しない社会へ (岩波新書 新赤版)

著者 宮本 太郎 (著)

不安定な雇用、機能不全に陥った社会保障…。日本社会の状況を振り返るとともに、北欧の福祉国家の意義と限界を考察。ベーシックインカムなどの諸議論も取り上げ、雇用と社会保障の望...

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生活保障 排除しない社会へ (岩波新書 新赤版)

907(税込)

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商品説明

不安定な雇用、機能不全に陥った社会保障…。日本社会の状況を振り返るとともに、北欧の福祉国家の意義と限界を考察。ベーシックインカムなどの諸議論も取り上げ、雇用と社会保障の望ましい連携のあり方を示す。【「TRC MARC」の商品解説】

著者紹介

宮本 太郎

略歴
〈宮本太郎〉1958年東京都生まれ。中央大学大学院法学研究科博士後期課程単位取得退学。北海道大学大学院法学研究科教授。専攻は比較政治、福祉政策論。著書に「福祉国家という戦略」「福祉政治」など。

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みんなのレビュー27件

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評価内訳

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紙の本

「引き下げデモクラシー」を超えて

2010/03/27 23:19

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:相如 - この投稿者のレビュー一覧を見る

本書のなかで丸山眞男の言葉を借りて表現しているように、現代日本の政治風景を一言で言い表せば「引き下げデモクラシー」ということになるだろう。

 世論調査などに示されているように、50代以上の高齢層が中心となっている日本の世論は、全体として北欧的な「福祉国家」を望ましいと考えている。ところが、「子供手当て」のような分配政策に対しては「バラマキ」と批判的であり、むしろ「事業仕分け」のような歳出削減政策に強い支持を与えている。そして、旧来のような公共事業政治の受益者だけではなく、中央官僚から一般公務員、そしてしばしば大企業の労働組合や正社員層までが、「既得権益層」として批判されるようになっている。

 このように、今や公共財の分配をいかに増やしていくかではなく、「既得権」を削減・解体する強力なリーダーシップを発揮できているか否かが、政党と政治家の評価や選挙結果に直結するようになっていると言ってもよい。本書の表現を借りれば、「ここに見られるのはバランスのとれた検証ではなく、やみくもに特権や保護を叩き、これを引き下げることで政治的支持を拡げようとする言説」であり(28頁)、それは結果的に、日本の世論が求めているはずの、福祉国家のための信頼や連帯の基盤をますます掘り崩すものになっている。

 本書は、こうした袋小路を突破する道として、「アクティベーション」と「利用者民主主義」を提起している。アクティベーションというのは、雇用と社会保障をこれまで以上に連携させることで、労働を通じた社会参加を促進することであり、利用者民主主義とは、あるべき公共サービスについて、利用者が専門家の助けをかりながら主体的に決定していくことである。本書では、近年流行しつつある「ベーシックインカム」論には批判的であるが、それは著者の最終的な目標が単なる生存保障ではなく、「排除しない社会」の構築にあるからと理解することができる。

 「排除しない社会」とは、労働環境や公共サービスの質をめぐる問題の決定に、労働者・利用者などの当事者が主体的に参加することで、人々の疎外感や社会的亀裂を解消していくことを意味する。そして、そうした社会参加の道筋を抜きにして、健全かつ持続的な社会保障制度の構築と、そのための財源に関する税負担の政治的合意など有り得ないという著者の問題意識には、大いに共感できるところがある。

 労働を通じた社会参加という本書の提言は、ある意味で古典的とも言える福祉国家の理念の再確認であり、「既得権益層」へのルサンチマンを抱えるある種の人たちにとって、そして「ベーシックインカム」のような鮮やかな解決法を好む一部の「頭のいい」人たちにとっては、非常に退屈なものに映るかもしれない。実際、現在の日本の世論は、本書の愚直なまでの提言に真摯に耳を傾けるだけの心理的な余裕を失っているように見える。

 しかし本書の最大のよさは、「引き下げデモクラシー」を求める世論に真摯に向き合いながら、そうした世論の背景にある不安や不信感を手当てすべく、慎重に社会保障のあるべき姿を手繰り寄せようとしている点にある。社会保障というものが、「ベーシックインカム」のような未知の世界からではなく、あくまで現実の日本社会に生きる人々の困難に寄り添いながら構想されるべきであるという、本書のスタンスがより多くの人に共有されることを願ってやまない。

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2010/01/14 17:52

投稿元:ブクログ

良い理想論でした。スウェーデンまんせーもほどほどに。そうなればいいとは思うけれど、日本の理想はアメリカだからしょうがない。勉強にはなりました

2010/11/03 12:46

投稿元:ブクログ

とにかく書き方が上手。これからの日本の福祉のあり方を考える上で、非常に示唆を与えてくれた。
ちなみに生活保障とは、著者の定義では雇用と社会保障が上手く連動した社会のことであり、流れとしては今までの日本の福祉のありかたから、それがなぜ行き詰っているのか、そしてどうして改革が進まないかまでが明快に書かれている。そのうえで北欧諸国を中心とした他国の福祉のありかたを見ていき、後半では分析を超えて提言にまで踏み込む。
雇用をどう創出していくかについては説得力が低いと感じたが、筆者が考える日本の生活保障のグランドデザインがはっきりと見えてくる一冊となっている。

2014/01/17 01:00

投稿元:ブクログ

変化への対応が遅いことと、社会への参加を促すような保障制度になっていないことが現行制度へのもやもやの要因か。スウェーデンの社会保障の内容がメリット・デメリットの両面から分かってよかったです。

2010/04/22 22:00

投稿元:ブクログ

生活保障とは何か?
それは、雇用と社会保障を結びつける言葉であると著者は説く。
人々の生活が成り立つためには、一人ひとりが働き続けることができて、また、何らかのやむを得ぬ事情で働けなくなったときに、所得が保障され、あるいは再び働くことができるような支援を受けられることが必要でるとしている。
そして、「生活保障」という言葉を切り口として、改革ビジョンのあり方を論じている。
悲しいかな日本型生活保障では立ち行かなくなってしまっていることを論じ、スウェーデンにおける生活保障の実践を検証し、そのスウェーデン型をもってしても、転機を向かえざるを得なかったと論じている。
新しい生活保障とアクティベーションについて述べ、排除しない社会の形を提示し、本書を締めくくっている。
一貫して丁寧な説明であり、非常にわかり易い生活保障にかかわる著作であった。

2010/01/21 00:01

投稿元:ブクログ

生活保障の各国の状況(主に日本とスウェーデン型)について長所と短所を見ていき、どのような類型が日本に合うか考察していく…たしかそんな流れ。現役世代に対する支出の大切さには共感。

2011/02/14 22:12

投稿元:ブクログ

ダイヤモンドで紹介されていていたので読んでみた。 各国の状況と日本を対比させながら生活保障について論じている。 日本の生活保障を充実させていくには、政治・行政への信頼を高めてからでないと始まらないと思う。 

2010/06/15 03:55

投稿元:ブクログ

前半はいい。
日本の社会保障のどこにほころびがあるのか、そしてスウェーデンのモデルを紹介する。企業や業界に基づいた制度では、流動的な労働スタイルに対応できない。
後半は筆者の仮説が多い気がした。
労働はやはり義務なのだろうか。

2010/11/26 18:44

投稿元:ブクログ

停滞している日本の国民生活。この現状に対して雇用と社会保障を結びつけた生きる場、生活保障の必要性をといている。
日本がなぜ将来に希望を持てない不安な国になったのか?諸外国の福祉はどうなのか?それぞれの課題に対して生活保障の必要性を知ることができる。

2010/01/22 08:49

投稿元:ブクログ

とても読みやすい一冊。
丁寧な構成で、分かりやすかったと思う。
生活保障は雇用と社会保障の連携によって実現するということについて論じてある。
理想論的なところもあると思うけど、わりと具体的にスウェーデンなどの例を示していたりして参考になると思った。
「排除しない社会」の実現について考えるのは大切だと感じた。

2011/09/18 16:46

投稿元:ブクログ

どうやれば、みんなが幸せになることができるのでしょうか。
そういえば管元首相が「最小不幸社会」なんて言っていましたね。
で、「最大幸福社会にすべきだ」とか、「今の首相は自信を無くしている」なんて言われていましたね。

この本が発行された2009年秋は、総理が麻生さんから鳩山さんに変わったころでした。
「いま政治が熱い!」と、みながニュースに噛り付いていた時期でした。
2008年のリーマンショックで景気が後退して、だれが世界の、あるいは国のリーダーシップをとっていくんだろう。どうすれば国がよくなるんだろうかと。


話は逸れまくりましたが。

6pの、母子世帯の貧困率が66%で、就労しているひとり親の母親のうち43.6%が非正規雇用、というデータにはびっくり。
男女共同参画とかいいつつ、ジェンダーで不平等があるのが現状なんですね。

それから、10pの保育の話。
行政サービスの地域格差は前々から知っていたのですが、たとえば保育料。
東京都渋谷区が月額1.13万円、北海道夕張市が5.35万円。
改めて数字で見直してみると、かなり差がありますね。

何度も繰り返し書かれていたことで、政治への不安から、人々は「大きな政府」がいいけれども、「負担増は嫌」という態度をとっています。
低所得者にばっかり給付されて自分たちには回ってこない、タダ乗りがいる、などで中産階級が税金引き下げを訴えるという話。
正社員が優遇されすぎ、保証を受けている人は甘やかされているなど、諸悪根を誰かに押し付けようとする話。
どうすればいいんんでしょうかね。

セーフティネットが意味をなしていない、そもそも綱渡りの縄(=雇用)が不安定だったり、途中で切れていたり(=契約社員、リストラ)、細かったり(=給与が乏しい)。
給与もさみしい、人とのつながりも弱い、そして孤独へ陥り、生きる気力を失う若者たち。
現代の若者の一人である私にとっても、明日はわが身の話です。

北欧モデルは、よく絶賛される。
でも、リーマンショックで失業者が増え、就労支援をしても雇ってくれる企業が少なく(だってそもそも首を切っているから)、「どーすればいいの、オレ?!」な状況に陥っていることも事実です。
それから、年金・就労支援・育児支援・税制をトータルコーディネイトしてあの体制が成り立っているのであって、いいとこどりでそのまま日本に流用するというのは土台不可能であるということも、この本は指摘しています。

ヨーロッパでは、一度社会に出て、自分の適性を見極めてから大学に行くという人々もいる。
生涯を通じて学習する人もいる。
すっごくうらやましい。
でも、日本でそれをやるのはなかなか難しい。
中途採用はイレギュラーだし、高等教育に対する試験は薄くてほとんど自腹だし、日本社会が長らく男性の稼ぎ手が家族を扶養し妻が育児や介護を担うという社会だったから、なかなか世間の認識や仕組みは変わらない。

結局、社会について考えるとき、ある一面からだけで考えるのは無理なんですよね。
広い視野と、「こんなのどうかな」と新しいアイディアを生み出す発想力、それが必要なんじゃないかなと思います。


今も、これからも、ずっと、いろんなことを勉強したい、視野を広げたい、考えるだけでなく行動できる大人になりたい、そう思いました。

2012/03/23 22:08

投稿元:ブクログ

社会のありようを働くという視点から捉えた本。

男性中心の終身雇用など企業に頼った雇用保障やそれに合わせた社会保険制度が崩れている。
筆者は「4つの橋」論を提唱し、
性別や年齢関係なく、
働いたり学んだり休んだりを選択できる社会を提唱している。

内容でいちばんひっかかったのは

不安定で満足な収入を得られない仕事が
貧困だけでなく
人の承認される場や生きる意欲を奪っているということ。
働くことと生きていくことの切り離せない繋がりを考えさせられた。

2012/01/14 10:55

投稿元:ブクログ

雇用の問題と社会保障の問題は結び付けて考慮されるべきとの主張。男性の正社員安定雇用が前提となってきた日本の社会保障は、その前提が崩れた今、機能を失っている…そうなんだろうなぁ。足元の「一体改革」とやらは十分な議論を国民に問うているのでしょうか。

2010/12/31 17:30

投稿元:ブクログ

週刊ダイヤモンドで今年の経済書の一つとして取り上げられていたので購入。分かりやすい内容。日本の体制は男性稼ぎ主の安定した雇用が前提、というのは全くその通りだと思った。

2011/05/10 20:39

投稿元:ブクログ

[ 内容 ]
不安定な雇用、機能不全に陥った社会保障。今、生活の不安を取り除くための「生活保障」の再構築が求められている。
日本社会の状況を振り返るとともに、北欧の福祉国家の意義と限界を考察。
ベーシックインカムなどの諸議論にも触れながら、雇用と社会保障の望ましい連携のあり方を示し、人々を包み込む新しい社会像を打ち出す。

[ 目次 ]
はじめに-生活保障とは何か?
第1章 断層の拡がり、連帯の困難
第2章 日本型生活保障とその解体
第3章 スウェーデン型生活保障のゆくえ
第4章 新しい生活保障とアクティベーション
第5章 排除しない社会のかたち
おわりに-排除しない社会へ

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