一箱古本市の歩きかた (光文社新書)
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- 税込価格:903円(25pt)
- 発行年月:2009.11
- 発送可能日:7~21日
- 本 新書
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商品説明- 「一箱古本市の歩きかた」
店の軒先を借り、ひとりが一箱の古本を販売するという「一箱古本市」など、全国のブックイベントで「本と遊ぶ」感性をもつ「能動的な読者」の現在を報告しながら、本との新しい付き合い方を考える。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介- 「一箱古本市の歩きかた」
南陀楼綾繁
- 略歴
- 〈南陀楼綾繁〉1967年島根県生まれ。明治大学大学院修士課程修了。ライター、編集者。「不忍ブックストリートの一箱古本市」発起人。著書に「ナンダロウアヤシゲな日々」など。
関連キーワード- 「一箱古本市の歩きかた」
ユーザーレビュー- 「一箱古本市の歩きかた」
7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
2009/11/19 00:32
本を愛する人「一人一人の古本物語」であふれている。「一箱古本市」ほか全国のブックイベントを俯瞰できるお勧めの書。
投稿者:風太郎(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る
「本が売れない」「本離れ」という活字が毎日のようにあちらこちらで踊っている。確かに出版社の姿勢、流通システム他売る側の問題は大きい。では、買う側、読む側はどうなのだろう。
本が好きで、その思いを誰かと共有したい。いい本を、入手しにくい古本をより多くの人のもとに届けたい。いつまでも本は生き残ってほしいと切実に願っている人は少ないのだろうか。
いやいや、そんなことはありません。この本を読めばきっとあなたなりの答えを見つけられます。
気軽にふらっと立ち寄れる、自分も参加してみたくなるような「本をとりまく世界」が待っているのだから。
著者は谷中・根津・千駄木、通称「谷根千」で2005年4月から開催されている「不忍ブックストリート一箱古本市」の発案者。今やこの「一箱古本市」は、北は盛岡から南は那覇まで全国的な広がりを見せている。本好きの素人が店主となり、各人の思い、こだわりを一箱に込めて本を販売するという新しいかたち。
プロだけが開催する古本市とも、今までのフリマとも違うおもしろさ、可能性が感じられる。
各地で催されている多くのブックイベントの特性もつまびらかに紹介されている。また、読書、読者のいまにも触れており、新しいムーブメントを俯瞰できるのがありがたい。
「一箱古本市」は、単に素人の店主が本好きの人との交流をはかる場ではない。そこは、スタッフ、出店場所を提供する大家さん、新刊書店、古書店、助っ人(ボランティア)さんほかさまざまな人の情熱が融合しマグマのように溶け出し、新しいものを生み出す空間でもあるのだと思わせてくれる。実際そうなのだろう。
著者は最近のブックイベントに見られる4つの特徴を、「業種やプロアマを問わないこと」「送り手(店主)と受け手(客)の距離が近いこと」「本に対する感度が強いこと」「本によって街と人がつながる」と捉え、「ブックイベントに集まる人たちが、本をめぐる状況をもっと変えたい、もっと面白くしたいと真摯に考えていること、そして、そういう思いを共有できる人と出会いたいと切望していることは確かなのだ」と、力強く述べている。
自ら無償で「一箱古本市」に関わり、全国を飛び回り、力を注いできた著者だからこそ、説得力がある。また、それぞれのイベントが抱える問題点に言及しているところにも好感が持てる。
お祭りとして参加する人たちが楽しむことが何よりと説きつつ、日常的な本との付き合い方を変えていくことで見えてくる世界の意義、新しいモデルを築いていくことの必要性にもきちんと触れている。
出版界の動き、新刊書店、古書店、ブックカフェなどの動向。ネット、ミニコミ、フリーペーパーなどのツールを活かし、本と遊んでいる「能動的読者」(著者による表現)の様子。読書論の変遷なども取りあげているので、読み応え十分。
鳥取県米子市での「一箱古本市」を扱った章で紹介されているエピソードがとりわけ心に残った。
演劇、映画関連の本、戦前のグラフ雑誌の合本などイイ本を出していた母娘。実は四年前に亡くなった息子さんの本であった。参加する数日前からそれらの本をめくっては、息子さんを思いだしていたという。「演劇をやっていたこともあり、本が好きな子でした。処分するのがしのびなくて取って置いたんですが、こういう機会に本好きの人の手に渡ればいいと思って」。
その母親の言葉を受けとめ、著者はこう語っている。「本と人をつなぐ場所があれば、一箱古本市はドコでもできる」。
ここに、著者のみならず、本を愛する多くの人々の思いが集約されていると言ったら大げさだろうか。
本を愛する人「一人一人の古本物語」であふれている素敵な書。
お勧めです。
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
2009/12/02 21:22
「やっぱり本の力はすごいなぁ」と南陀楼綾繁さん! 大いにうなずく私
投稿者:佐々木 なおこ(女性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る
あれからもう一カ月近く経つのに、いまだにあの楽しさが忘れられない。そう、私も一箱古本市を体験した一人、なのだ。
「一箱古本市は、ある決められたエリアに点在する店の軒先を借りて、その前で一人が一箱の古本を販売するイベントだ。」とこの本の著者であり、一箱古本市の発案者でもある南陀楼綾繁 (なんだろうあやしげ)さんは言う。
初めて実施されたのは、東京の谷中・根津・千駄木、通称「谷根千」と呼ばれるエリアで、2005年4月にさかのぼる。この「本屋さんごっこ」は、その楽しさが話題に話題を呼んで、いまや北は盛岡から南は那覇まで広がっているのだそうだ。
その楽しさを体験した私は断言して言える。
一箱古本市は、これからもっともっと広まるだろう。
そして、このイベントを通じて、本の持つ力や本を手渡すということの大切さが見直されるだろうと。
「この辺りで古本市ができたら、面白いね」
「お寺の境内を借りられたら、かなりたくさん本を並べられるなぁ」
そもそもこのイベント、南陀楼綾繁さんと妻でありイラストルポライターの内澤洵子さんとの間で交わされた冗談みたいな会話から始まったというから、なんだか嬉しくなる。
それにしても、だ。
今や日本の各地で開催されているブックイベントの様子をこの本で知って、そのすそ野の広さや奥深さに驚いた。そしてイベント参加者の本への熱い想いをびしばし感じた。巻末に全国ブックイベント年表なるものが紹介されているが、そのボリュームに圧倒される。こんなにも多くの人が本とのつながりを大切に、そして切望しているのだと、またまた嬉しくなる。読んでいるだけでもワクワクしてくるのだ。あっちのイベント、こっちのイベント、日本地図が頭に浮かび、全部のイベントに行ってみたい~と心が躍る。そうして、本は読まれてこそであり、そして手渡してくれる人があってこそ本の世界も広がる深くなっていくというものだとつくづく感じた。
「やっぱり本の力はすごいなと、改めて感じた。」
そうなのだ、ほんとうにそうなのだ。
南陀楼綾繁さんの言葉に、大いにうなずく。
本を読み続けると同時に、読んだ本を誰かに手渡したい。
私の想いもまた以前より熱くなったような…。また機会があれば一箱古本市にはぜひ参加したいと思っている。







