迷路館の殺人 新装改訂版 (講談社文庫)
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- 税込価格:780円(22pt)
- 発行年月:2009.11
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商品説明- 「迷路館の殺人 新装改訂版」
奇妙奇天烈な地下の館、迷路館。招かれた四人の作家たちは莫大な“賞金”をかけて、この館を舞台にした推理小説の競作を始めるが、それは恐るべき連続殺人劇の開幕でもあった。周到な企みと徹底的な遊び心でミステリファンを驚喜させたシリーズ第三作、待望の新装改訂版。初期「新本格」を象徴する傑作。【「BOOK」データベースの商品解説】
ユーザーレビュー- 「迷路館の殺人 新装改訂版」
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
2010/02/05 09:50
フーダニットにハウダニット、がっつりと本格を味わう。
投稿者:ひろし(男性|未指定) - この投稿者のレビュー一覧を見る
ひさびさにガチガチの本格推理が読みたいなと、本作を手に取った。結果から言うと、期待を上回る本格具合に大満足であった。迷宮の館で繰り広げられる連続殺人、トリックに富んだ密室と殺人方法そしてダイイングメッセージ。何せ本格の要素をこれでもかと詰め込んである。作品の構成も非常に面白い。ぎっしりと内容の濃い推理小説をもう一枚の薄皮で包んだ、「作中作」のような構成になっている。その内側の推理小説は、綾辻行人ではなく鹿谷門美という作者が実際に起こった事件を元に書いたものだ、としている。そして自分は、その当事者だったと。この鹿谷門美という作者が物語の中の誰なのか、と考えるのもまた面白い。そして物語が終った最後の最後に、根底からひっくり返されるのだ。まさに本格推理の醍醐味を味わえる構成となっていた。
推理小説の重鎮が、四人の新進気鋭の推理作家と編集者数人を地下迷宮になっている自宅へと呼び寄せる。ところが末期の癌だったというその作家は、奇怪な遺言を残して自らの命を断ってしまった。その内容とは、四人の作家にこの場で短編推理を書かせ、それを編集者が採点。最高点を取った者に、遺産数億円を全て相続すると言うのだ。ただし、作品の中で殺されるのは「作者自身」で有る事、それが条件とされていた。迷宮は鍵が掛けられ電話も停められており、外に出られず連絡も取れない状況に陥った作家達は取り合えず故人の遺志に沿って執筆活動を始めたのだが・・・なんと作家達が一人、また一人と陰惨な方法で殺害されてしまう。しかも!各部屋のワープロに残された、執筆中の作品の中で自らが書いた殺され方そのままの方法で。一体誰がこの恐ろしい連続殺人を起こしているのか!?そして一体、ナゼ!?
この作品、ばっきばきのミスディレクションがある。それを見つけられるかどうか、がこの作品の面白さと言っていいと思う。淡々としているようで、あらゆる記述に神経を使い、布石を盛り込んで書かれている。結果、「何か分からないけど、何だかおかしいぞ・・・」という「違和感」を読みながら感じてくる。この「違和感」を感じさせられるというのは、極上の推理小説だからこそではなかろうか。さらさらと読んでそのミスディレクションに翻弄されるのもいいし、目を皿のようにして読み込んでそのミスディレクションを見つけ出し真犯人を導き出すのもいいだろう。ただいずれもう、真っ直ぐ!である。「えー・・・」的ながっくり具合は微塵もない。やられた感たっぷりで大満足の読後感。本格推理は、はこうでなくちゃいけない。







